過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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大納言とのめぐり逢い

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僕のお汁粉



あんこのフェティッシュと自他共に認めている。
あんこを使った和菓子類には目が無い。 日本にいた頃からそうだったのが、アメリカに住んでふだんは和菓子の手に入らないような生活を長く続けてからさらにそのフェティッシュがひどくなった。 たまに帰る日本では東京でも郷里でもお汁粉屋や和菓子屋の前を通るとそのまま通り過ぎることができない。 とくに好物というのはなくて、お汁粉をはじめ桜餅、きんつば、最中、鯛焼き、どら焼き、などあんこを使ったものならなんでもござれだ。 ただしあんこはこし餡じゃなくてつぶ餡に限るけど。


圧力鍋を手に入れるまでは、あんこを自分で作ってみようなどと思ったことがなかった。 小豆を一晩中水につけたりふつうの鍋で長時間コトコト煮るなど、どう考えても実際的ではなく面倒そうだったからだ。 それで今まではあんこといえばいつも日本食料品店で缶詰を買っていたのだがこれがちょっと甘すぎるのとしかも値段がかなり高い。 よし自分でやってみようという気にようやくなった。
インターネットでは圧力鍋で作るあんこのレシピはいくらでも出てきて、適当なのを選んで試してみた。
小豆は直前によく洗うだけで水に漬ける必要はなく、加圧を15分したあと自然に蒸気を抜いて蓋を開け、砂糖を入れながらさらに煮詰める。 これなら僕にでも簡単にできそうだ。

まずかんじんの小豆。
ふだん行くアメリカのスーパーマーケットで袋入りの Red Beans(小豆) を見つけたのでまずはこれでやってみたら、見事に失敗した。
まず15分の加圧では小豆が柔らかくならず、もう1度蓋をしてさらに10分炊いた。 柔らかくなった小豆に砂糖を数回に分けて入れる。 砂糖の量は豆と同量というのが常識のようだが、甘すぎるのを嫌って量を減らす。 そこまでは良かったが…
できあがったあんこは、まずその色がまるで黒豆のように真っ黒なのに驚いた。 これじゃ Red Beans じゃなくて Black Beans じゃないか。 そして食べてみると、小豆の味も何もなくただ砂糖の甘さがあるだけである。 そうか、アメリカのレッドビーンズというのは日本の小豆じゃないんだとここでようやく気がついた。

そこで僕は車に飛び乗るとハイウェイを25分すっ飛ばして町をいくつも越えたところにある日本食料品店へ行く。
そう、わが町にあった 「小山商店」 が10年前に閉まってからはここが僕にとっては一番近い日本となっていた。
そこで見つけた小豆はたしかにアメリカのレッドビーンズより小粒で色もずっと赤かった。 そしてそれで作ったあんこは、15分のところを25分の加圧、砂糖の量は小豆の70%、とその変更をレシピ帳には忘れないように書き込む。 それで仕上がったあんこは思わず膝を叩いたほどいい味が出ていた。


あんこはそれで完成。
さて次はお汁粉のための餅である。
長いあいだ巨大な餅つき器で作っていた餅はほんとうに美味しいと思っていたが、ある時、冷凍の餅を店で買ってみたらこれが意外と良かったのでそれ以後はこればかりである。 古い餅つき器は引っ越しの時に日本人の知人へ譲ってしまった。
この1個づつ真空パックされた冷凍餅は、茹でたり電子レンジで解凍したりしてみた結果、お汁粉にはやっぱりオーブントースターで焼いてやるのが一番美味しいという結論に達した。

というわけで僕は、好物中の好物であるお汁粉はあんこを少し大量に作っておいて3日に1度は食べている。
あとはつい先日、同じ食料品店で北海道産の大納言を初めて見つけた時は思わず、良し! と声が出た。 値段がふつうの小豆の3倍もするけどこれは見逃すわけにいかないじゃないか。
今のあんこが切れたら次は大納言だ、と楽しみだ。 そのためにも早く今のあんこを終わらせなくちゃ。






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