過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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寒くない日は街を歩こう 3

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ネッド・ペッパー


ダウンタウンにオフィスがあった頃はこのバーによく来たものだった。 古い大きなバーである。
中には木製のテーブルと椅子が乱雑に並んでいるだけで、洒落た内装だとか品の良いデコレーションなどどこを探しても見当たらない。 意図的にそんなハイクラスの雰囲気を抹殺することで独特のスタイルを狙ったのではないかと思わせるほど大衆的でそっけない。 ここでは気取ったワインやカクテールなど注文する者はまずいなくて、例外なく全員がビールを注文する。 それ以外のドリンクが飲みたければ他の店へ行け、というわけだ。 そして他の店とはこの周りに10軒以上もある。 そのかわりビールの種類はやたらと多く、世界中のビールが壁にズラリと並んでいたものだ。 最後にここで飲んだのはもう10年ほど前のことで、今でも内部はまったく変わっていないだろうことは中に入らなくてもわかる。

ただ、今日僕の目を引いたのは表の窓に貼られたモノクロ写真だった。(これは以前にはなかった。) 写されているのはおそらく1900年代の初め頃のこの町の町並みで、よく見るとついさっき通ってきたメインストリートの建物などがそこにあった。





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ハッピー・パレス


これは何かのファーストフードの店に違いないが、いったい何を食べさせるのかはまったくわからない。 というのはすっと以前に店が閉められたまま窓もドアも釘付けにされている。 ハッピー・パレスとはアメリカの中華料理店ではもっともポピュラーな店名の1つだが、念入りに描かれた絵のデザインだとか、レンガの1枚1枚が違う色で塗られたところなど、チャイニーズの仕業とは思えない。 たぶん、メキシカンかトロピカルの料理を出していたのかもしれない。 数少ないメニューを年老いた夫婦がゆっくりとやっているようなこんな店は、意外と美味しくて常連客を持っているものだ。 メインストリート沿いの店はレントの高騰に悲鳴を上げて軒並みに廃業してしまった。


(続)




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