過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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2017年01月10日

2017/01/10  眠りについて

眠りについて

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零下15度の朝



この数年眠りが浅くなった。
ももともと寝付きが悪い方で、夜ベッドに入っても眠りに落ちるまで時間がかかったが、それでも一度眠ってしまうと朝までぐっすりという習慣だったのが、最近は夜中に何度か目が覚める。 それで仕方なくお手洗いに立ったりしたあとはそのまま又いつのまにか眠ってしまう。 そして数時間後にまた目が覚める。 それを毎晩何度も繰り返すのだけれど、不思議にも朝起きて寝が足らなかったという感覚がないのは、眠りそのものはけっこう深いのだろうかと思う。

夜中に何度か目を覚ますのはあまり気にならないが、ベッドに入ってからなかなか寝に落ちないというのは困りもので、定期健診の時に医者に相談した。 それで薬を処方してくれた。
その薬は、就寝前に飲んでからベッドに入って本を読んでいるうちに、10分か15分ですぐ眠気がやって来る。 それまでは1時間も2時間も眠りに落ちなかったことがしょっちゅうだったから、これは嬉しかった。 そしていったん眠ってしまうと朝までそのまま、ということはないにしても目の覚める度数が1度とか2度に減ったが、これは年齢からくる放尿要求だからしかたがないのだろう。

ただしこの薬には、朝起きたあとしばらくの間は頭がぼんやりしている、という短所がある。
起き抜けにコーヒーを飲んでもそのぼんやりには効き目がないようだし、屈伸とかストレッチなどの軽いエクササイズをしてもだめだ。 そのままもう1度ベッドに帰りたいというかなり強い欲望が身体に残っている。 その欲望を振り切るようにして着替えをし、厚いコートを着込んで外に出ると早朝の川べりを散歩する。 冷たい川風を顔に受けて煙草に火を点ける。 朝日の射す遠くの風景を見回しながらゆっくりと歩くうちに、頭の中がしだいにスッキリとしていくのを感じる。
それが日課になってしまった。



昨夜のこと。
東京の友人とスカイプで会話をした時に、どう、そちらは寒いでしょう? と彼女が訊いた。
「寒いよおー、今朝なんて川べりを散歩した時の気温が4度だったよ。」 と答えたら
「あら、そんなものなの。 とっくに氷点下になってると思ってた。」
それで気がついたのは、ついこちらの習慣で華氏で温度を言ってしまったようだ。 華氏4度といえば摂氏では零下15度以下なんだよと訂正する。
「うわっ 聞いただけで寒くなった。」 とスカイプの中で彼女が身震いをするのが画面に写っている。 その背後の白い障子には綺麗な花柄のちゃんちゃんこが架かっているのが見えた。


そういえばきのうは零下15度の冷気の中を裏の川へ出てみると、川面に薄氷がびっしりと張っていた。
ずっと川下の何処かで凍ったところへ、ゆっくりと流れる水が薄氷を運んで来て次々と積み重ねていた。 重なって静止した氷の領土と緩く流れる川水の境界線がその時ちょうどわれわれの住居の裏側まで来ていた。 そしてその境界線は見ているうちにどんどんと川上へと動いている。
薄氷はまるで上空から俯瞰する大地の地図のような模様を作って、朝日の中で輝いていた。









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