過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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2017年03月07日

怠け者にお洒落は無理という話

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大鴉
By Green Eyes


何年も先延ばしになっていた日本行きが、とうとう来月に決まってから、少しずつその準備を始める。
まずは衣類。
下着や靴下はいとも簡単に買い揃えることができ、シャツは選ぶのにちょっと時間をかけて色や柄の違うもの3枚、あとは歩き回るための靴を1足手に入れようとしている。 幾つかの靴屋を廻ったけど適当なのがなくてこれはもうしばらく時間がかかりそうだ。

そして先日はジーンズを買いに行った。
昨年の引っ越しの際に大整理した古い衣類の中にジーンズは7本もありながら、どれも今ではブカブカになってしまいちゃんと身体に合うのがただの1本しかなかった。 マーシャルズのメンズウェア試着室であれこれ試したあと、 ストレートレッグで尻の部分がブカブカじゃなくてわりとぴったり合うもの(アメリカの男は尻がバカでかい)をようやく見つけて、それを2本買うことにする。
その時試着した一抱えの衣類の中に、女房が誤って選択したスリムストレートのジーンズがあった。 今流行のあの細くて脚にピッタリとしたやつである。 何気なしにそれを試着した僕を見て、女房が 「他のよりスタイリッシュね。 あなた脚が真っ直ぐだからカッコイイよ」 と言う。 それでついその気になって、これもまたカートに入れてしまった。

そしてこのスリムストレートのジーンズが実は大変な代物だと、後日気がつくことになる。
まず、穿く時はそうでもないけど脱ぐのが一筋縄でいかないのだ。 椅子とかベッドに腰掛けて片足ずつ手を伸ばして裾を引っ張るわけだけど、履く時にするりと入ったのが脱ぐ時には裾が踵に引っかかりなかなか出てくれない。 あれこれ苦闘するうちに無理に折り曲げた老体の腰が痛くなるわ、腕は疲れるわ、ふくらはぎが引きつるわ、で脱ぐだけで20分はかかる。 脱いだあとはもうぐったりとして屈伸運動をやったあとみたいに全身が疲れている。

大変なのはそれだけじゃない。
全体がピッチリした上に股上が浅いせいか、尻の割れ目にグイと食い込んで上に突き上げるので、前部に位置する男のモノを圧迫して、歩くたびにそこを擦るからそれが快感なのか不快感なのか何とも妙な気分である。 それに椅子に腰掛けても両足を曲げることができない。 これじゃ日本に帰っても床や畳には絶対に座れないと確信する。
その上まだある。
裾が極端に細いから足首の高いブーツなどはそこでつかえてしまい下まで降りない。 雪の日には履けないジーンズなのだ。

まだある。
両側にポケットがあるとは言え、財布とか携帯電話とかはまず入らない。 女性ならハンドバッグという武器があるから問題は無いだろうが、男は上着でも着ない限りシャツだけの外出は不可能ということになるわけだ。
それでも僕の頭の中には 「カッコイイよ」 という女房の言葉が呪文のようにこびりついているから、人との集まりの席に1度このジーンズで出かけたことがある。 パーティの最中に一刻も早く帰宅して着替えたい、とそればかりを思い続けた。 そして帰宅すると、ジーンズを脱ぐのにそこでまた20分かけて格闘した。 もう懲り懲りである。

お洒落をするというの超人的な努力が要求されるんだなあ、と今更この歳になって学んだと思っている。


先日、読者の一人と今回の東京でのオフ会のことで交信中にこのジーンズのことをちょっと書いたら、その返事を読んで思わず吹き出してしまった。 彼女が書いている。

むかし、ストレッチジーンズなんかないころ、物凄く細―いデニムのパツんパツんのスリムジーンズを穿いてたことがあって、足首をバレリーナのように真っ直ぐしないと入らない裾巾の細さー。 腰骨の所はファスナーが三角に開いてしまいしまらないから、穿くときはそこらへんに寝ます。 寝ながらだと、あらふしぎ(笑)ファスナーがあがるのです。
で、立ち上がる時は生まれたての鹿の赤ちゃんのように突っ張りながら立ち上がりました。 脱ぐときは大分緩くなってるから普通に脱げたわ。
あんなのはもう無理です。
何故ならウエストが苦しくて(太くなったもん)。







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