過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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ロンリー・ウーマン

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寂しい女
Bologna, Italy

17歳の少年が初めてオーネット・コールマンの 「寂しい女」 を聴いたとき、これはなんと奇妙な音楽だろうと思った。 まるで動物の悲鳴のように喚くサックスの音色が、前衛音楽を嫌っていたはずの彼の心に容赦なく突き刺さったようだ。 少年にとっての 「女」 とは、それまでに清純な少女たちとの恋の真似事(まねごと) をしたことがあったが、この音楽はその時の甘いセンチメンタルな経験を根底から否定するような激しさがあった。 少年がこの音楽から皮膚に感じていたのは 「成熟した女」 の孤独感、いやそれはもう、「孤独」 というよりもっとギリギリの 「弧絶」 と呼ぶべきもののように思えた。 しかもそこに滲み出ている、生き物である 「女」 の生々しい生理的な欲求のようなものをさえ少年はぼんやりと感じ取っていた。

(女ってなんなのだろう?)
17歳の少年はまだ知る由もなかった。


《Lonely Woman》 by Ornette Coleman



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コメント:

* 17歳のころ

なにをしてたでしょう。男を男というよりも男の子として認識していた気がします。まわりが見えてこなくて、どうしても目の前にあるものをほしいと全速で走っていたきがします。このわき目をふらずにってやつが、今は難しいのですが。。
2011/06/14 [inei-reisan] URL #pNQOf01M [編集] 

*

まあ今は、甘くてめちゃくちゃ苦く、温かくて恐ろしく冷たいものだということが、お分かりになられたかと思います。

存分にお楽しみください。
2011/06/14 [micio] URL #O/XG6wUc [編集] 

* Re: 17歳のころ

inei-reisan さん、世の通説では女の子は男の子よりもずっと早く成熟するそうですね。心も体も。
2011/06/14 [September30URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

micioさん、そのうえ残酷で優しく、冷たくて暖かく、高慢でありながら無邪気でもある。
実にすばらしい生き物です。
2011/06/15 [September30URL #MAyMKToE [編集] 

*

この写真、ドキッとしますねぇ。数年前に、ドラマ24で有名になったキーファー・サザーランド主演のミラーと言う映画がありましたが、そんなオカルトっぽい雰囲気があります。

オーネット・コールマン、Tone Dialingで初めて知った、と言うよりもフリージャズは苦手なもので、あえて聴かなかった人ですが、やっぱり気持ち悪かったですねぇ(笑)。チンドン屋さんをさらに加工したようなフレーズ、耳に残り過ぎてもう駄目です・・・。
2011/06/18 [BigDaddyURL #X.Av9vec [編集] 

* Re: No title

BigDaddyさん、オーネット・コールマンはフリージャズといってもまだそれほど過激でないのですけどね。
この 「寂しい女」 もちゃんとハーモニーやコ-ド進行があってそれだけ伝統的なジャズに近いのですが、最初に聞いたときはぶったまげました。しかし50年経った現在聞いてみると、ずっとマイルドに響くのはやはり時代が変わったせいでしょうね。
2011/06/19 [September30URL #MAyMKToE [編集] 

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