過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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人生いろいろ-紀州にて (2/2)

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三段壁洞窟
紀伊 白浜


この十人の連中といっしょに紀伊から京都へと過ごした三日間は、僕にとっては生涯忘れられない旅となるだろう。 この歳になって、俺、お前と呼び合える仲間がいるのは何とラッキーな事だろうかと思う。 そして誰も変わっていないように見える。 しかし、「誰も昔と変わらない」 などと安易に言ってしまう事ほど真実から遠いものはないだろう。 「人生いろいろ」 を経てきた中で変わっていないはずはない。 それなのに僕には、皆それぞれが昔から変わらない部分を、普段は机の一番下の鍵のかけられた抽斗(ひきだし) から取り出して、この旅に持ち寄って来てくれたように見える。
Wは相変わらず気難しくて子供のように駄々をこねているし、Iは何事もきちんと理詰めでしか納得をしないところは昔のままである。 学生時代にプレイボーイで通っていたKは、ついに一度も結婚をしなかった。 (そして今でもプレイボーイでスポーツカーを乗り回している)。 そうかと思うと、無口なHは、周りで起こる事をいつも横目で見ながら、時折り老成したような一言をぽつんと洩らす癖があって、それは今でも変わっていなかったが、その一言にはずっと重みが加わっていた。

そしてMは・・・
大学を出てから一度も振り返ることなくジャズの世界へとのめり込んで行って (同じ道を選びながら僕は挫折した) 今も活動を続けている。 そのMが昨夜の酒の席で喨々(りょうりょう) とトランペットを吹いた。 若い時のように鋭利で突き刺すというのではなく、くぐもった瞑想的なその音色は、全員の胸にぎりぎりと食い込んでいったに違いない。


"I remember Clifford"
Lee Morgan

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コメント:

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ドイツに住んでいる幼馴染みがいるのですが、私が彼女のところに暫し滞在して帰国するときにいつも泣きそうな顔をして見送ってくれます。
昔から気丈でなんでも独りで決めて行動してきた彼女でも、幼馴染みの前では、心の奥底の固く施錠してある引き出しを開けているのかなと、ふと思いました。
2011/11/13 [micio] URL #O/XG6wUc [編集] 

* Re: No title

micioさん、きっとそうですよ。成人してからの友達よりも子供のときの友達は特にそうです。お互いに言葉を必要としない関係というのは貴重だと思います。
2011/11/14 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

日本で撮っていらした写真、ものすごい迫力というか、インパクトを感じるのですけれど。
すごいですね。
言葉にうまく出せませんが、感動しました。
2011/11/14 [けろっぴ] URL #ok7oinrE [編集] 

* Re: No title

けろっぴさんにそう言われるとすごく嬉しいです。ありがとう。
2011/11/16 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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