過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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恐怖映画への恐怖ということ

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音楽のない舞踏会
Boston, Massachusetts USA


最近では劇場に行って映画を見る、ということが極端に減ってしまった。 一年を通して五回もあるだろうか。 その理由はもちろんレンタルのDVDで好きな映画が好きなときに好きなペースで見ることができるようになったからである。 「大画面で見る迫力とは比べものにならないよ」 という意見には僕は100%同意するんだけど、それよりもつい便利さのほうを取っているようだ。 それともう一つの理由は、日本映画に関してはアメリカの劇場で封切りになるものや古い日本映画が上映されることがほとんどないので、僕としては選択の余地はないといえる。

そのDVDのレンタルのサイトを見ていたら、リストに日本映画の数がすごく増えているのに気がついた。 つい最近までは200本もなかった日本映画が600本以上に増えている。 レンタル会社と日本の映画業界とのあいだで商売上の契約とかが変わったのかもしれなかった。 僕にとってはこれは実に喜ばしいことにちがいないので、さっそくチェックしてみた。 最初はゆっくりと時間をかけて丹念に見ていくうちに、僕の内部で失望がだんだん膨らんでいく。 それにつれてチェックする速度が速くなり、途中からはタイトルと表紙のグラビアを見ただけで内容を読むことなしにパスするものがほとんどだった。
600本もの日本映画のうち、その80%が、①ホラーもの (その数は信じられないほど多い) ②暴力・アクションもの (この中にはアニメもずいぶんとある) ③セクシーもの (安っぽい色気の押し売り) だった。
なかでもホラー映画の繁栄振りに僕は愕然としてしまう。 サスペンスの効いた物語性のあるスリラーは僕は嫌いではないが、見る者に恐怖を与えるだけのために乱造されたと思われる映画ばかりが、まるでガラクタ市の捨て売りのようにそこに並んでいた。 見る人がいるから作られるのだろうけど、そこまでして日本人が恐怖映画を好むその理由は何なのだろう、とそのほうに僕はうっすらとした恐怖を覚えてしまった。

600以上の新旧の日本映画のリストを見ていった結果、僕が探していたもの、たとえば昭和期の古い映画とか2000年代に封切られて話題になったものとか、アート的なもの、ドキュメンタリー(日本人の作るドキュメンタリーは秀逸なものが多い) など、そのほとんどを僕はすでに見ていた。
逆に日本の友人の話では、見たい洋画が日本のレンタルに入っていないものがけっこう多いということだ。



子供の頃、母がホラー映画のことを私に言ってくれたのと同じことを
「男」に関しても教えてくれてたらよかったのに。
「怖がることは何もないのよ。みんな嘘っぱちのフェイクなんだから」
作者不詳


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コメント:

*

日本映画、私は黒沢監督のシリーズが好きなのですが、海外物もアラン・ドロンの「冒険者たち」や,
マックイーンの「大脱走」なども観たいと思うこともありますが、なかなか見つけられません。
それにしても作者不詳のこの言葉、つい苦笑してしまいます。
2011/12/13 [川越URL #uvrEXygI [編集] 

*

映画は大好きで毎週末観に行っていたときがありました。ジャンル問わず、前情報も全く仕入れない状態で急に思い立って行きます。
感想が人と違う場合が多いので、観点が他の人とズレているのだろうかと考えたりしました。例えば、世間的にあまり評判の良くないナイト・シャマラン監督の映画は私は結構好きです。彼の作品は私にはホラーだとは思えないのですが。
今は、月に1度くらいか、DVDで観ていますが。

私は日本の映画をほとんど観ないのですが(黒澤映画以外)、September氏はどういう日本映画をご覧になるのですか?
2011/12/13 [micio] URL #O/XG6wUc [編集] 

* Re: No title

川越さん、そうです。私がこちらでもう何度も見たような欧米の良い映画が日本では見れないと知って驚きました。
アメリカでは封切りの映画でも二,三ヶ月すればDVDで見ることができるのに。
2011/12/14 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

micioさん、日本を留守にしていた何十年のあいだの日本映画をキャッチアップしようとしています。全体としての日本映画の質は最近になるほど驚くほど落ちています。日本にいた二十代の頃は私もほとんど日本映画を見なかったのですが、そのころ以前に作られたものはこちらのレンタルにもけっこうあるのです。
つい先日、黒澤明の 『醜聞』 (1946) を見たばかりです。初めてでした。。

2011/12/14 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* 映画の

俺は恐怖映画は好きじゃない。
小学5年生の頃 あの「ゴジラ」が東京を襲う映画を見て
恐怖に脅えて一晩眠れなかった。もう少し低学年の頃
鍋島の猫騒動の化け猫映画を見てもやはりうなされた。
でも俺の周りにいる人間でグロな写真ばかり集めている人がいることを知ってかなり驚いた。
きっとseptember30さんのような俺からみてノーマルな人の方が少数派なのではと 今では思うようになった。
変な映画(俺からみれば)を好む人が大勢いるのだということだと思います。

2011/12/14 [G-Mac] URL #- 

* Re: 映画の

G-Macさん、あははは、「ゴジラ」は恐怖映画ではないと思うんだけど。 でも子供にとっては同じようなものかもしれません。 小学生の頃、『少年クラブ』 に連載された横溝正史の「青衣の怪人」、あれは実に怖かった。その中の数場面は今でもはっきり覚えています。
2011/12/15 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

映画はものすごく好きですが、子供のころに兄と二人で近所の劇場で見た「エクソシスト」があまりに怖くて、劇場を出て二人とも家まで一気に走り抜きました恐怖心はしばらく抜けませんでした。 中学生になってオーメンという怖い映画を見たのが最後で怖いのは避けてきたので見てないと思います。 日本の恐怖映画は一度も見たことがありませんし予告さえ見れません、チラシの写真からして怖すぎです。
ところでここ数年、日本のレンタルDVD屋さんは半分が”韓流”です。
これもまた不満!! 長くなってすみません。
2012/01/11 [アンリ] URL #0.M2lW/c [編集] 

* Re: No title

アンリさん、「エクソシスト」も「オーメン」もよく覚えていますよ。 私もあの手の映画は苦手です。 ホラーではなくてスリラーなら大好きなんですが。
長く日本を離れている私には現代の日本文化の中での “韓流” というのが大きな部分を占めている理由とか実情が今ひとつよくわかりません。 昔とちがって日韓の溝が大幅に埋められたこと自体はとても良いとは思うのですが。
2012/01/12 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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