過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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トイレとお手洗いの違いについて

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川の見える部屋
三朝温泉 『旅館 大橋』


「トイレ」という日本語が僕はどういうわけかあまり好きではない。 時々しか帰らない日本だけど、その日本に滞在するあいだこの言葉を自分が口にすることはあまりないことに気がついた。 あまりない、ということは時には口にしているわけだけれど、それは会話の中でのトイレ、たとえば 「洗面所はトイレの横だよ」 とか 「M君は今トイレにいってる」 とか。
そうではなくてあらたまって 「トイレはどちらですか?」 のように人に訊く時のことを僕は言っているのである。 「トイレ」が嫌いならじゃあ何て呼んでるのか、というとそんなに選択肢があるわけではない。 「便所」はあまりにも肉感的でストレートだし、「雪隠」(せっちん)や「厠」(かわや)や「手水」(ちょうず)などは美しいけれど何しろ古くて話にならない。 というと後に残るのは「お手洗い」ぐらいしかないのだ。 だから僕はほとんどの場合、「お手洗い」といっているのである。

「トイレ」の日本語の響きを僕がなぜ嫌うのかと考えてみるとそれにはどうも二つの理由があるようだ。
ひとつは、両親が幼い子供に自分たちを「パパ、ママ」と呼ばせるのを聞いた時に感じるものに似ている。 「お父さん、お母さん」という決定的に優秀な名称があるのにもかかわらず、なぜそんな事をするのか?

「トイレ」が嫌いなもう一つの理由は (そしてこちらの理由のほうが大きい) どうも無意識のうちに自分が英語との関連にこだわっているかららしい。 英語の "toilet" はもちろ常用語なんだけど、それが使われる時にはどちらかというと「便所」とか「便器」という意味あいが強いようだ。 だからアメリカ人が 「トイレはどちらですか?」 と訊く場合 "Where is the toilet?" と言うことはまずない。 たいていは "Where is the bathroom?" (これが一番多い) とか、"Where is the men's room?" 女性なら "Where is the lady's room?" となる。
アメリカに長く住む僕はどうも洗脳されてしまったようで、トイレという言葉から化粧室や浴室を連想しないで、そのものズバリのトーヨートーキを思い浮かべてしまうのである。

三朝温泉で泊まった「旅館 大橋」の手洗いは外から見ると「厠」(かわや)と呼ぶのがぴったりの風情だった。 母屋から裏の三朝川に突き出していて、用を足しながら窓の外の季節の移り変わりを眺められるようになっていた。
ちなみに、「厠」を大辞泉で見ると、

《川の上に設けた川屋の意とも、家の外側に設けた側屋の意ともいう》 便所

となっている。 まさにここの厠そのもじゃないか。

三朝の記事は前に書いているので興味のある方は『三朝にて』をチェックしてみてください。


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コメント:

* 冬至

今日は冬至なので、柚子湯に入りました。
アメリカでは柚子なんて、手に入るのでしょうか?
冬至に柚子湯に入ると、また一年健やかに過ごせるそうですよ。
いい香りで、ストレスも癒されて、身体にも心にも良さそうです。

で、私はレストランで、というより主に居酒屋ですが、化粧室はどこですか?って聞きますよ。
これって、アメリカ的?
2011/12/23 [みん] URL #6moyDOY6 [編集] 

*

私も“お手洗い”派です。
でも以前、大人の魅力たっぷりな50~60代の男性に
“お化粧室はどちらかな?”と聞かれたことがあり、
お化粧室、という呼び方も気になっています。
2011/12/23 [tony] URL #mQop/nM. [編集] 

* Re: 冬至

みんさん、柚子はアメリカのマーケットはもちろん、日本食料品店にいっても見たことがありません。でもテレビのクッキングのショーなどでは最近Yuzuを使うようになりました。友人が日本から送ってくれる柚子胡椒はいつも楽しんでいます。

「化粧室」 (Powder room) はいいですね。ちょっとおしゃれでおすましの感じがします。
女性がディナーの席を立ってお手洗いに行く時に、「ちょっとお化粧を直してくるわ」 というシーンは映画などでおなじみでしょう。
2011/12/23 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

tonyさん、フランスでは、というよりヨーロッパではアメリカと違って「トイレット」と言っても化粧室のことを指したような記憶があるのですが、違いますか?
2011/12/23 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* 5番

接客業の場合、お手洗いに行く時は、5番に行ってきます、と言う業界用語があると最近知りました。
お客様の前で、お手洗いもトイレも化粧室も、確かに収まり悪いかもしれませんね。
なぜ5番なのかは、わかりませんが。

明日はクリスマスイブ
たしか、ターキーが苦手なSeptemberさんのクリスマスは何を召し上がるのかしら?
2011/12/23 [みん] URL #6moyDOY6 [編集] 

*

山男は「ちょっとキジを撃ってくる」と言って木陰に消えたと
聞きました。
大きい雉か小さい雉か?
2011/12/23 [G-Mac] URL #Hb8WYnzA [編集] 

* toilettes

september さん、こんにちは。
私も娘達に「お父さん、お母さんと呼ばせてきた」派です。
イタリアでは「手はどこで洗いますか」をいつも使っていました。毎年カーニヴァル前に日本に遊びに来るヴェネツィア人のジャンニは、汚いヴェネツィア語をよく教えてくれるのです。gabinetto に当たるヴェ語もいくつか教わりましたが、メモしていないので忘れました。Che ora xe? などと言うと笑ってくれます。
2011/12/23 [pescecrudo] URL #j9tLw1Y2 [編集] 

* 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2011/12/23 []  # 

*

厠ですか。風情がありますね。風景もですが、川の流れる音を聴きながら用を足すというのも魅力です(笑)天然の音姫ですね。(音姫は男性用のお手洗いにもあるのでしょうか??)
2011/12/23 [Endless] URL #d2yN2EXI [編集] 

*

会社のスウェーデン人たちの間でウォシュレットが流行り、10回くらい皆さんのお買い物に付き合いました。

私はWashing roomと言っていますが、これは一般的ではないのでしょうか?
2011/12/23 [micio] URL #O/XG6wUc [編集] 

* Re: 5番

みんさん、そうなんですね。 じゃあ今度そういう場所へ行くチャンスがあれば 「5番に行きたいんだけどどちらですか?」 と訊いてみましょう。

クリスマスのディナーは感謝祭ほどターキー一辺倒ではないのです。むしろ数週間前の感謝祭でターキーを食べたばかりなのでクリスマスはハムとかロースとビーフとかチキンにしようという家庭が多いのではないでしょうか。
2011/12/23 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

外国人向け日本語の教科書には、
お手洗いはどこですか。又はお手洗い行くっても良いですか。
と言うように指導されています。
以前、息子はウクライナ出身のとてもきれいな若い先生にバイオリンを習っていましたが、彼女がレッスン中、「ごめんなさい、ちょっと手を洗ってくるわ。」と彼女が言うのを聞いて、
後から
「ヨーロッパ人だよねえ。」と感心していました。
2011/12/23 [なかた] URL #D2C0PZQI [編集] 

* Re: No title

G-Macさん、山男とか登山仲間の隠語ですね、(大のほう)。 これは男性用語らしくて、女性なら 「お花を摘んでくる」 というそうです。
ところで大と小に関してアメリカでは、ナンバー1、ナンバー2、と言います。(おもに幼児語) 子供がトイレにいきたいと言った時、母親が 「どちら?、 ナンバー1?、 ナンバー2?」 というぐあいに。
間違えないでほしいのは、ナンバー1は小、ナンバー2が大です。 (なぜだろう?)
2011/12/24 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: toilettes

ペさん、もし文字通りに 「手はどこで洗いますか」 とアメリカで訊いたとしたら 「ほんとに手を洗いたいのならここのシンクを使えばいいけど、お手洗いにいくということならそれは・・・・」 というような返事が返ってきそうです。 もっともお手洗いの事を "washing room' とも言うのですが。
2011/12/24 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

Endlessさん、恥ずかしながら「音姫」がわからず検索をしました。たぶん「音秘め」とかかってるのだと理解しました。
そういえば今回の帰国で泊まったホテルの浴室でその経験をした時に、「あれっ、トイレが壊れてて水が漏れてるのかな」 と思ったことを思い出しました。
日本独特の文化ですね。私は音を消したいときにはいつも大声で歌を歌います。 (笑)
2011/12/24 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

micioさん、ウォシュレットは日本人発明の貢献度ではトップにくるでしょう。 私もぜひ自宅にほしくてあれこれ日本の製造元と話をしましたが、我が家はなにせ古い家で(100年経っている)水道管との接続が困難ということであきらめました。

'washing room' はごく一般的です。
2011/12/24 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

なかたさん、記事に書いたように日本語ではあまり選択の余地がないので、結論としては「トイレ」か「お手洗い」ということになるのでしょう。でも「おトイレ」と聞くときは非常に複雑な気持ちになってしまいます。
2011/12/24 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* toilettes トワレット

フランスでのトイレはトワレットです。(なぜか常に複数形)

そんな呼び方にも慣れた頃に、
香水売り場で瓶の裏側を見てびっくり!!
日本では オードトワレ と表記されていますが
eau de toilette オードトワレット
直訳で トイレの水 と書かれていたのです。
まぁ、身支度の水=化粧水ということなのですがやっぱり違和感が。。。
2011/12/26 [tony] URL #mQop/nM. [編集] 

* Re: toilettes トワレット

tonyさん、フランスでトワレットと呼ぶのは知っていましたが、アメリカでは上に書いたようにトイレットというと便器のことをさす場合が多いのです。フランスではそうでなくて、トワレットというと化粧室のことを指すのではないか、というのが私の質問の主旨なんですが・・・
何度もごめんなさい。
2011/12/26 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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