過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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お馬鹿さん

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Jazz in the Tavern
Matt Haimovitz
Dayton, Ohio USA


"I'm a fool to want you" というジャズの古いスタンダードナンバーがある。 僕は60年代の終わりにこの曲をビリー・ホリディが歌うのをレコードで聴いた時にすっかり惚れこんてしまった。 ビリー・ホリディだけではなくて曲にもである。 あまり好きだったので、バークリーにいた時にはオーケストレーション(管弦楽法) のクラスのプロジェクトでこの曲を編曲したくらいだ。
今、You Tube で見ると古今を通して実にたくさんのシンガーが歌っている。 男性もあれば女性もある。 いろいろと聴いてみたけれどやはりビリー・ホリディに敵うシンガーはいないなあと思った中で、ただひとりフランク・シナトラだけは別格だった。 そしてこの曲を書いたのはそのシナトラ自身だったということも初めて知った。 しかしその歌詞から察すると、この唄は切々とした女心を訴えているように思えるのは、男は勝手で気ままなもの、女はいじらしく一途なもの、という先入観に僕が捕らわれすぎているせいかもしれない。
シンガーだけじゃなくてジャズミュジシャンたちもずいぶんレコーディングをしているのは、僕もそうだったようにメロデイーに強く惹かれるものがあるのにちがいない。


Billy Holiday





わたしってお馬鹿さん、あなたを自分のものにしたいなんて。
ほんとにお馬鹿さん、あなたを欲しがるなんて。
ありそうにもない愛
わたしだけへの愛じゃないってわかっていながら。

わたしってお馬鹿さん、あなたに抱かれていたいなんて。
ほんとにお馬鹿さん。
あなたに抱かれてキスをされたいのは
わたしだけじゃないってわかっていながら。

何度も何度もわたしは言った。 「もう、終わりにしましょう」
何度も何度もあなたを離れて行った。
そのたびに、またあなたが必要になる。
そしてまた同じ言葉をくりかえすわたし。

愛してるわ。 わたしを取りかえしてちょうだい。
わたしをかわいそうだと思ってちょうだい。
まちがいだとわかってる。
まちがいに違いないの。
でも、まちがいでもそうでなくても、
わたしは生きてゆけない。

あなたなしでは。

・・・・・(September30 訳)


Frank Sinatra




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コメント:

* 訳詞に付いて

この訳詞はいいですね!色んな人が書いていますが、これがベストだと思います。最初の一行で決まり!

単純な話、米国在住40年の訳詞家など聞いたことがありません。ジャズ・クラッシクスの訳詞集を出版
されては如何ですか?名著になる可能性有り。
2012/01/15 [henri8] URL #iq01hQ1g [編集] 

*

iTuneで速攻買いました。シナトラ版、ホリデイ版両方を。
素敵な曲ですが、イタリア系だけあって歌詞が少し浪花節な感じが、、、。

これからも、隠れた(別に隠れていなくても良いですが)名曲を教えてください。
2012/01/15 [micio] URL #O/XG6wUc [編集] 

*

私はジャズは全く知らないのですが、この歌詞はすごくいいですね。
henri8さんのアイデアはとてもいい考えだと私も思います。
2012/01/15 [川越URL #uvrEXygI [編集] 

* Re: 訳詞に付いて

henri8さん、ありがとう。
私の訳詞は例によって原作者が見たら怒り出すような意訳なのですが、その点は私の音楽の編曲に似ています。
2012/01/16 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

micioさん、気に入ったようで嬉しいです。
歌というのはその99%が男女の愛を歌ったもので、しかも幸せな歌よりも哀しい歌が多いですね。どうしても浪花節になってしまうのじゃないのでしょうか。 日本の演歌がその好例です。
2012/01/16 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

川越さん、ありがとう。 私の訳詞は日本語で歌うことを条件にしていないので規制も何もなく自由にやっているのです。
つまり詩の翻訳と同じですね。 これがシンガーのための訳詞となるとそうはいかないと思います。
2012/01/16 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* 意訳、ステキです

とてもきれいなメロディ…ロマンチックですねぇ~、シナトラらしい。。。

私、ちょっとだけお店でスタンダードジャズを歌っていまして、
本業が舞台役者なのでその延長の、素人の歌なんですが、
英語もできないのに歌詞を意訳して、歌う前に朗読することを売りに(笑)してるんですね。

September30さんの訳詞は「台詞」になっているので、自分にはとても馴染みます。
このところしばらくお休みしてたんですが、拝読してまたステージをやりたくなりました。
2012/01/17 [belrosa] URL #- 

* Re: 意訳、ステキです

belrosaさん、歌う前に歌詞の朗読というのはとっても良いアイデアですね。 カラオケのように歌うにつれて歌詞がスクリーンに出てくればもっといいかもしれません。(笑)

メロディーに言葉の付き難い日本語は、訳詩を音楽につけて歌うと、そこで失われるものが大きいのではないでしょうか。
ですから訳詩の朗読は意義があると思います。
2012/01/18 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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