過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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雪のない冬なんて

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零下10℃の散歩
Oakwood, Ohio USA


この数日間、僕の住む地域は少し暖かくなって気温が昼間なら摂氏13℃くらいまで上がっている。 ところがその前の一週間が寒かった。 日中でも零下10℃以下の日がずっと続いていて、寒いのが苦手な僕にとっては、実に自殺したくなるほどの寒さだった。 暖かそうな毛皮に包まれた我が家の二匹の犬でさえ、急ぎ足でぐんぐんと僕を引っぱっていつもの散歩ルートの途中まで行って、そこでさっさと用を済ませると、回れ右してもう家に帰りたそうにしていた。
僕は寒いのは苦手なんだけど、雪は嫌いじゃない。 大雪に閉じ込められて外界と遮断された我が家で、暖かい暖炉のそばで酒を飲みながら、長い静かな夜を過ごすなんて、まるでおとぎ話のように素敵だから大好きなのだ。 ところがその雪が、今年はまったく降らないのである。 これではもう何のために生きているのかわからなくなってしまう。 雪のない冬なんて、金のない休暇のようなもの、醤油なしで食べる刺身のようなもの、雲のない空のようなもの、あるいはクライマックスのないセックスのようなものだ。

話はちょっと変わるけど、最近ある人のブログを見ていて、そこに載せられている一連の雪の風景に魅せられてしまった。 ブログの著者は北海道の旭川周辺に住む女性の方である。 毎日のように更新される北国の雄大な雪の平原の有様は、見ているだけでシンとした冷たい空気が、服の隙間から肌に沁みこむような気がする。 零下20℃の世界だそうだ。 冬山の写真などはどこにでもあって、僕なんかには全部同じ山のようにしか見えないのでつまらないけど、こんな雪原の世界が日本にあるなんて今まで気がついたことが無かった。 ゴミゴミした市井の片隅に生きる僕のような人間としては、写真を見るだけでゆったりとしたおおらかな気分になった。 そしていつか行ってみたいと思った。

それから、僕がこんなに北海道の雪の世界に惹かれたのは、このところ偶然にも、村上春樹の 『羊をめぐる冒険』 を読んでいたせいかもしれない。 主人公の「僕」が探し当てて閉じ込められる冬の山頂の屋敷は旭川の近くらしかった。 この長編小説の中で描写されている風景がブログの写真と重なってしまったようだ。

ともかく、キキさんのブログにはすばらしい雪の世界が開けているから、このブログぜひ訪ねてみてください。



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コメント:

*

September30 さん こんばんは
このコメントをご覧になるのはおはようございますの時間ですね。

ビックリしました。昨日のお話はこう云う事だったのですね。
一眼カメラを始めてまだ、4か月あまりの私の拙い写真で
美瑛の雪の風景をお好きになって下さってありがとうございます。
そして、いつか行ってみたいとも仰って下さった事も大変嬉しく思います。

私自身、山に囲まれた田園地帯で育ちましたので
普通に毎日見ていた景色が何故に人気があるのかとても不思議でした。
写真を始めてから、こんなにも美しかったのだとと気がつきました。
September30さんの読まれているご本の内容はわかりませんが
私もカメラを通して直ぐそばにかけがえのない場所を見つけました。

美瑛の丘の素晴らしさを最初に見つけたのは
写真家の故・前田真三さんという方です。
もし、機会があれば写真集をご覧いただけたらと思います。
私は美瑛にあるギャラリーに一度行っただけですけど・・・(笑)

今朝、お邪魔した時にすぐコメントしないでごめんなさい。
今日は病院の日でした。
お昼過ぎに終わってから
September30さんのお好きな雪の写真を撮ってきました。


2012/02/09 [キキ] URL #PDFQKA4U [編集] 

* Re: No title

キキさん、こんばんは。

自分の住んでいる周りにあんなすばらしい風景があるなんでキキさんがどんなにラッキーか、たぶんご自分では自覚されてないんじゃないかな、と思います。
私なんかそういう風景を求めてヨーロッパや日本へ行ったり、アメリカ国内でも車を何時間も運転して旅に出るのですよ。 でも私は風景写真は苦手だと自分では思っています。
どんな美しい感動的な風景も、私が撮るとこじんまりとした1枚1ドル25セントの絵葉書の風景になってしまうような気がするから。
写真のジャンルの中で、風景写真が一番難しいのじゃないかと思っています。

前田真三氏の写真を拝見しました。
ああいうライフワークを持って、そこに住んで、こつこつと写真を撮り続けるアーティストが心から羨ましいです。
これからもよろしくお願いします。(といっても、きのう今日のおつきあいではないのですが)
2012/02/10 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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