過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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ヴェネツィアの舟歌

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白いボート
Venice, Italy


チャイコフスキーのピアノ作品に『季節』と呼ばれる一連のピアノ曲がある。 1月から12月までそれぞれに小題が付いた12曲は一曲一曲がユニークで、ロシアの農民たちの生活がまざまざと浮かび上がってくるような、実に愛らしい小品集だ。 チャイコフスキーがピアノ協奏曲やバレーの大曲を書くあいまに、構えないであっさりと書き流したこの小品集は、作家でいうなら長編小説のかたわらに書いた詩か随筆のような味がある。 技巧的には難しいものではないから、ピアノを習い始めた子供たちがよく弾いている。
『ヴェネツィアの舟歌』 ならメンデルスゾーンにポピュラーなピアノ曲があるけれど、僕はこの土着の匂いがするチャイコフスキーのほうが好きだ。 

ヴェネツィアの明け方、まだ眠りから覚めない町を運河に沿って歩きながら、僕の胸にはこの舟歌の旋律が流れていた。


Tchaikovsky "舟歌"
Igor Zhukov (Piano)



興味のある人のためにこの12曲を挙げておきます。 クリックしてYouTubeへ。

1月 『炉端で
2月 『カーニバル
3月 『ひばりの歌
4月 『待つ雪草
5月 『星明りの夜
6月 『舟歌』
7月 『刈り入れの歌
8月 『収穫期
9月 『狩り
10月 『秋の歌
11月 『トロイカ
12月 『クリスマス



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コメント:

* 何と素敵な・・・。

この写真とても好きです。音楽聞きながら見とれてしまいました。
私の重症な妄想病がまた爆発しました。 
2012/03/21 [アンリ] URL #- 

* Re: 何と素敵な・・・。

アンリさんに言われて気が付いたのですが、実は私は昼も夜も妄想の世界に生きているようです。 現実とのコンタクトを最小限に留めて、あとはふわふわと雲が浮くように毎日を過ごしています。
私の妄想をシェアしてくださってありがとう。
2012/03/21 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

この写真を見て、ヴェネツィアが沈んでしまう前に、ぜひこの景色を実際に見てみたい、と思いました。
舟歌は、私もメンデルスゾーンよりもチャイコフスキーの、このメランコリーな旋律が好きです。
September30さんのブログに登場するのも二度目...ですしね。

それにしても、妄想病に浸れるのは、なんてぜいたくなことなのでしょう。
私も、ず~っと妄想の世界に生きれるようになりたいな...。
2012/03/21 [けろっぴ] URL #- 

*

septemberさん、こんにちは。
チャイコフスキーを12月まで久しぶりに聞きました。チャイコフスキーもヴェネツィアに痕跡があるそうです。スキアヴォーニの海岸通りのホテルに宿泊したそうです。
この写真の運河の右側には、ヴェネツィアで唯一斬首された総督ファリエールの館があり、現在はホテルになっています。その先を右に回った所にヴェネツィアン・グラス等のビーズ屋さんがあり、連れ合いがよく買い物をしていました。
2012/03/21 [pescecrudo] URL #j9tLw1Y2 [編集] 

* Re: No title

けろっぴさん、この舟歌、たしかに二度目の登場なんですがけろっぴさんの記憶はすばらしいです。
そういうシャープな人には妄想の世界へ入っていくのはなかなか難しいんですよ。(笑)
ヴェネツィアが沈む前に日本が沈んでしまうかもしれません。
2012/03/22 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

ペさん、こんにちは。
ヴェネツィアに魅せられなかった古今の芸術家はいなかった、といっても言い過ぎではないようですね。ぺさんのブログを読むとそれがよくわかります。
この写真は初めてヴェネツィアへ行った2001年に撮りました。この数ヵ月後にニューヨークの同時テロがあり、それ以後の世界はもう同じではなくなりました。

2012/03/22 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* 9.11 そして3.11

昨日、9.11の特集番組を見ていてあの日のことを思い出していました。
世界は私が思っていたほど楽観的な状況ではないんだと頭を殴られたような衝撃で、膝ががくがくしたのを思い出しました。
そして、昨年の3.11。
出来ることなら、こんな光景を見る前に死んじゃってればいいのにって思ったあの日。
でも、今日もなんだか元気に(?)生きています。

平穏に、心をあらだてることなく、しずかに舟歌を聞いていられる日々はいつ訪れるのでしょう。
私もいつか、妄想の世界で暮らしたいです。
本当にSeptemberさんが羨ましいです。
2012/03/22 [みん] URL #6moyDOY6 [編集] 

*

残念ながらシャープでない私でも、September30さんのブログの愛読者ですので、それくらいのことはわかりますよ(笑)。
その証拠に、Septemberさんのクイズ、私の正解率の低いこと(苦笑)。
最近は、あきらめモードです。

器用でないので、いったん妄想の世界に入り込むと、一週間くらい出てこられなくなってしまいます。
ですので、妄想の世界は、やっぱり贅沢な楽しみです。

それから、チャイコフスキー、大好きなのです。
母曰く、「赤ちゃんの時から、チャイコフスキーを聞かせておけば、おとなしくなる子だった」のだそうで。
pescecrudoさんのコメントを読んで、ますますヴェネツィアに行ってみたくなりました。
スキアヴォーニの海岸通りのホテル、今もまだあるのでしょうか、行ってみたいな~。
2012/03/22 [けろっぴ] URL #ok7oinrE [編集] 

*

けろっぴさん、はじめまして。
チャイコフスキーが泊まったホテルは、ホテル・ダニエーレ右傍の橋を渡り、次の橋までの区間の真ん中に存在する筈です。スキアヴォーニ海岸通りの、Londra Palace(ロンドラ・パレス)というホテルです。私は傍のサヴォイア・ヨランダという、当時は安かったホテルに泊まったことがあります。
ロンドラ・パレスは作曲家の痕跡を今でも残していると言います。宿泊されれば、感動ひとしおでしょう。チャイコフスキーは作曲が中断していた交響曲第4番の作曲をここで再開することが出来たと言われています。
2012/03/22 [pescecrudo] URL #j9tLw1Y2 [編集] 

* Re: 9.11 そして3.11

みんさん、3.11は限りなく不幸なことだったけど、あれで日本民族の強さと弱さを世界に示しました。それを改めて自覚した日本人も多いことでしょう。 アメリカの9.11の時はそれほど感じられなかった民族一致を強く感じました。

妄想というのは一種の現実逃避だから健康な精神からは生まれてこないのです。
羨ましがることは何もありません。
2012/03/23 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

けろっぴさん、上にも書いたように妄想は不健康な自慰行為になることが多いので、それをできるだけ現実に近づけようと私は努力しています。いつかヴェネツィアのホテルかミラノのオペラ座で会いましょう!
2012/03/23 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

ペさん、けろっぴさんへのコメントを横取りです。 ヨーロッパの古いホテルで芸術家が昔泊まった部屋というのをあちこちで見かけました。
そういえば大山の蓮浄院も志賀直哉が『暗夜行路』を書いた宿ということでしたが、現在は荒廃していました。
2012/03/23 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

Pescecrudoさん、はじめまして。
チャイコフスキーの泊まったホテルのお話、また、素敵なたびの思い出話、どうもありがとうございました。
Pescecrudoさんのお話を伺うと、とても現実味が増してきまして、旅行の計画を立ててみたくなりました。
いつになるかわかりませんが、必ずそこに足を運んで、彼を偲んでみたいと思います。
これからも、どうぞよろしくお願いします。


2012/03/23 [けろっぴ] URL #ok7oinrE [編集] 

*

September30さん、
ほんとうですね。実現したいですね。
私の未来日記に書き込んでおきました。
きっとかなう夢だとおもいます。
2012/03/23 [けろっぴ] URL #ok7oinrE [編集] 

*

芸術家にとってイタリアは特別な場所のようですね。
偶然にも昨日、生徒が「刈り入れの歌」を弾いていました。どの曲も味わいのある小世界が描かれていて、素敵な曲集だと思います。
2012/03/23 [ばけねこ] URL #FXrcM1hg [編集] 

* Re: No title

けろっぴさん、オペラを観るのも現実世界を離れて妄想の世界へと入っていく一つの行為ではないのかなあ、とふと思いました。 私にとってバレーを観ることがまさにそれなんです。
見当はずれでしたらごめんなさい。
2012/03/24 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

ばけねこさん、こんにちは。
イタリアという国に対しては、ヨーロッパでは芸術家を魅了する異郷のような感覚があるのかな、とふと思いました。 これはペッシェクルードさんに訊いてみたいことです。
2012/03/24 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

さすがシャープなSeptember30さん。
まったくその通りです。
一時期は、オペラハウスに住んでいる、と言われるくらい通ったこともありますしね。
その頃は、かなり現実逃避していたかも。
残念ながら、妄想の世界にずーっと住むことは、私の現実が許してくれませんでした...。
2012/03/25 [けろっぴ] URL #ok7oinrE [編集] 

* Re: No title

けろっぴさんにそう言われて考えてみたら面白いことに気がつきました。 
私にとってたとえばジャズを聴く時はちゃんと現実世界に住んでいるのに、クラシックはいつも遠い過去への懐古のようです。そしてバレーを観るのは(もうずいぶん長い間観ていませんが)まったく違う世界へのトリップでした。
2012/03/25 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

そうですか。
私にとっては、ジャズのほうが懐古の情が湧いてくるのです。
ほっとするというか、自分に戻れるというか、いずれにしても、懐かしい気持ちが溢れてきます。
バレエは、September30さんと同じく、違う世界へのトリップです。
面白いものですね。
2012/03/26 [けろっぴ] URL #ok7oinrE [編集] 

* Re: No title

けろっぴさん、人によって違うのは当然なのでしょう。 本を読んだり映画を見るのもしょせん誰もがトリップをしているのでしょうが、私にとってはやはり音楽が一番強烈です。 そのことは最近のブログにも書きました。
2012/03/27 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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