過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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心に雨が降る

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雨後のカフェ
Paris, France


ある日、温かい雨が降って、そこここに残っていた雪をきれいに洗い流してしまった。
その雨は音もなく今も降り続いているけれど、家族の心が沈んでいるのは雨のせいばかりではないようだった。 このところベラが目に見えて弱ってきていて、あれほど食べることの好きだったこの犬が今朝もご飯をほとんど食べなかった。 食べられないのは歯が悪いせいかもしれないと、うんと柔らかいものに変えてみたのに、それでもやはり食べなかった。 元気なころのベラなら自分の食事をあっという間にたいらげると、すぐ横でゆっくりと食べているパイの皿へ鼻を突っ込もうとしていつも吠えられていたのに。 
医者が処方した痛み止めは効いているのかいないのか、歩こうとするたびにヨロヨロと床に崩れてしまう。 歩こうという意志があるということは、生きようという意志があるのだろう。 生きようという意志があるあいだは生かせてやりたい。 激しい苦痛のために歩くことさえ諦めた時が、医者に頼んで死なせてやる時なのだろうか。

そんなことを家族と話す。
この雨はいつまで降るのだろう。


The Sacrifice - by Michael Nyman
映画 『ピアノ・レッスン』 より




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コメント:

*

おつらいですね…
ベラちゃんが、「ああ、しんど。」と感じる時間が少しでも短いようにと願ってやみません。

2013/02/01 [nicoURL #KqigePfw [編集] 

* Re: No title

nico さん、

人間の赤ん坊なら痛ければ泣くと思うのに
犬って泣かないんですね。
それだけに何を感じているのかがわからないのが
かわいそうです。
2013/02/02 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

親が死んでも泣かなかったけど、
犬が死んだ時は(死につつあった時も)どれだけ泣いたことか。
不憫で不憫で思い出すのもつらい。
2013/02/02 [ムー] URL #qiVfkayw [編集] 

* 犬のこと

父と兄達が狩猟を趣味としていて、常に2匹以上を飼っていました。
鳥撃ち用のポインタ犬と獣撃ち用の雑種犬、おとなしいポインタは特に好きでした。

一人暮らしとなった今、神経を病むところのある自分にとって、
犬は大きな慰みになってくれると思うのですが、一人暮らし故十分な世話が出来ず、
飼うことを諦めています。

ムーさんのお気持ち、同じ方が多いのではないでしょうか。
2013/02/03 [henri8] URL #av6ed.vY [編集] 

* Re: No title

ムーさんのおっしゃることは
まぎれもない真実を含んでいます。
私は母が逝ったときは泣きましたがそれ以外の家族や友人知人の死に泣いたことは
なかった。
愛犬の死に会った経験は今までありませんが
悲しい別れをしたことはあって、その犬のことは今でもふっと思い出したりして
胸が痛みます。
2013/02/03 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: 犬のこと

henri8 さん、

うちのベラは子どもたちが中学生の時にわが家の一員に加わったのですが
それから17年もの間、どれだけ私達の生活を豊かにしてくれたことか・・・
今まで手に入れたり、買ったり、獲得したものの中でほんとにして良かったと
心から思うのは犬を飼うことに決めたことがその一つだったといってもいいでしょう。
2013/02/03 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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