過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

Profile

September30

Author:September30

Visitors Counter

Search form

喫煙の戒め

T07Italy0784-blognew.jpg


パルムの草院

Parma, Italy


煙草をやめよう、と何度決心したことだろう。 腕にパッチを貼ったりニコチンガムを噛んだり心理学者のセミナーに出席して催眠術をかけてもらったり、いろいろやったけど結局だめだった。 いずれの場合もやめることはやめるんだけど、しばらくたつと(短いときは一週間、長いときは三年ほど続いた)いつも何かの理由があって、あるいは何かの理由をつけてまた煙草の箱に手を伸ばしてしまう。 告白すると、現在もまた吸っている。 一日に6,7本まで本数を減らしたとはいえ、食事の後やテニスでくたくたに疲れた時の一服はほんとうに旨いと思う。 以前は一日40本以上吸っていたのでそれに比べたら改善だろう、と勝手に自己弁護をしていつも人に笑われる。 酒好きの僕が酒はやめようと思えば(思ったことはないけど)やめられる自信があるのに、煙草はどうしてもだめである。 

煙草をやめる人は例外なく健康上の理由でやめるのだと思うけど、僕の場合は、もちろん健康も心配だけどそれ以外に僕なりの理由があった。 
一口に言うと僕は「習慣の奴隷」になりたくないのである。 たとえば夜中に煙草が切れてしまうと、いてもたってもいられなくなって、わざわざ服を着替えて近所の店まで車を運転して出かける。 情けないことだけどその時の僕の衝動は自分でコントロールができない。 その、自分でコントロールできないというところが嫌なのだ。 まるでデーモンが乗り移ってきて、僕をまったく違う生き物に変えてしまうようだった。 それは恐ろしいことだと思う。 酒が飲みたいときに酒がきれていてもそんな状態になることはないので、ドラッグというものはそれだけ人の理性を蝕むのだろう。
ところでデーモンというのは悪魔とか悪霊とか、とにかく悪いやつだと思っていたら、調べてみるとギリシャ神話では半神半人の守護神だったそうだ。 そういえば上の写真の顔は、喫煙という悪癖を持って煙草屋へ来る人々を守護神が 「やめておきなさい」 と戒(いまし)めているようにも見える。

日本でもアメリカでもスモーカーに対する虐待がどんどん激しくなってきた。 ホテルではスモーカーには明らかに便利が悪くて調度品も古いものを揃えたルームが与えられる。 空港やショッピングモールの喫煙所では、僕と同じく悪魔に乗り移られた人たちが悲しそうな顔をして一点を見つめながら黙々と煙草を吸う。 
しかし僕の印象では、日本では煙草を吸うも吸わないも人それぞれの勝手、「我関せず」と徹底しているように感じる。 それがアメリカだと、周りのノンスモーカーからは犯罪者を見るような白い目で見られるし、それとなく遠巻きにして子供たちを近づけないように気を配る母親がいる。 「あの人達は人生の落伍者なのよ。 あんな風にならないように、ほらよく見ておいて」 と子供の耳に囁くのが聞こえるような気がする。 昔の英国でカトリック教徒がプロテスタントから受けたのと同じような弾圧を、スモーカー達は毎日のように感じているのだ。
 
現在の僕は、煙草の本数を一日に2,3本まで減らすというゴールに向かってがんばっています。


煙草をやめるなんて簡単にできることさ。
僕なんかもう何十回もやめている。
September30



にほんブログ村 写真ブログ モノクロ写真へ
スポンサーサイト

コメント:

* ははは

そうですね、お酒はやめることができそうなのに、喫煙者はなかなか辞めるのがつらそうです。私は吸いませんが、タバコをすう人とは一回付き合ったことがあって、それなりに面白かったです。なにがって?朝からタバコのにおいがするのが
なんだか一緒に居るだけで慣れてくるのです。不思議な感じです。
あとこの記事を読んで、映画「コーヒ&シガレット」を思い出しました。あれはタバコをすう人のほうがきっともっと楽しめる映画なのでしょうね。きっと。。
2012/05/11 [ineireisan] URL #pNQOf01M [編集] 

*

日本でももう、喫煙者の居場所が限られてきましたね。 以前、姉とマレーシアを旅した時、どこにいても最初にたばこを吸える場所を探して安心してから行動しました(笑) ああいう経験から、吸わない方が楽に生きれると思いましたし、習慣に支配されるのが私も嫌でしたし何度もやめようとしました。
2006年7月から現在まで禁煙していますが、今でもまた吸い出してしまうような気がします。 今でも煙草の煙は嫌ではないし毎日ではなくて好きな時に楽しんで日常に持ち込まないように出来たらいいのですが、私はダメで食後にコーヒーとセットになってしまいますのでタバコはもう吸わないです。 
2012/05/11 [アンリ] URL #0.M2lW/c [編集] 

* 私も喫煙者でした

ineireisanさんのコメントに映画「コーヒー&シガレット」がでてきて嬉しくなってしまいました。私の周りであの映画を見る人は皆無なので(^^;

私は煙草をやめてかれこれ12年が経ちますが、未だに煙草を吸う夢をみます。それはもうとってもおいしい一服です。夢ですが味も匂いもしっかり感じます。目覚めて夢と気づき、落胆半分安堵半分の複雑な気持になります。
煙草は合法的な麻薬ですから、喫煙年数の長い人が自己流で禁煙するのはなかなか難しいですよ。私は自分の行動パターンと1日に吸う本数を調べ、なるべく禁煙の場所に身をおくことと、1/3ずつ減らしてゆくようにして本数を減らしました。が、最後のひとおしは、インフルエンザとヘルペスを併発して、1ヶ月寝込んだことでした(笑)やっと枕から頭をあげられるようになって吸った1本のマズかったこと!あれで諦めがつきました。
煙草がおいしいうちは健康ってことでしょうね。September30さんの健康に乾杯。
2012/05/11 [nicoURL #KqigePfw [編集] 

* Re: ははは

ineireisanさん、"Coffee and Cigarette" はなんとも奇妙な映画でしたよね。 でもモノクロの印象的な映像が強烈に頭に残っています。

思い出したのは、若いときに最初のデートで見事に振られてしまったあとで、彼女が友達に言ったのは「彼、煙草を吸わない人だったら喜んでつきあったのに・・・」
2012/05/11 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

アンリさん、こんなことを言うと皆さんに叱られるかもしれないけど、ほんとうに美味しいと思って吸うのなら一日に数本くらいはそんなに目くじらを立てることは無いんじゃないか、と思うのです。 これは自分が吸っている自己弁護ではありません。
たとえば沖縄のようなすばらしい風景を眺めたら、私はきっと煙草を吸いたくなるでしょう。そしてしみじみと、ああ煙草が美味しい、と思う時の幸せ感は人にはわかって貰えないかもしれないです。
2012/05/11 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: 私も喫煙者でした

nicoさん、禁煙の場所に身をおく、というのはとても効果的です。フルで仕事をしていた時は次から次の会議などで、本数は確実に減りますね。それから長時間の飛行機の旅行。日本までは17時間かかるので昔は余りの苦しさに耐え切れず、お手洗いの中で吸っていたのを発見されてこっぴどく叱られたこともあります。
でも最近では、昨年の帰国でも別に苦しくともなんとも無かったのは、進歩だと自分で思っています。

それから体の調子の悪いとき、あまりのまずさに一口吸ってもみ消してしまいます。 昔たしかピースの宣伝に「今日も元気だ、煙草がうまい」というのがありましたが、あれは本当です。
2012/05/11 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

大きな駅などでタバコを吸うために用意された狭い一室で、先が見えないような煙に巻かれてまでタバコを吸っている人達を見ると、ご苦労さんとか、大変だなぁと可哀想になります。

自分の印象では日本もかなり極端な喫煙者差別があるように感じていましたが、アメリカはもっと酷いんですね。私は自転車に乗るのですが、河川敷の延々と続く広場の中を走っていて、30m以上も離れた人が吸っている煙草の匂いがきつく感じる事がありますが、たぶん車の排気ガスよりは体には害がないものだと思っています。

そういえばアメリカインデアンたちは昔、大事な相談をするときにはタバコを回し飲みしながら話しを進めたと、なにかで読んだことがあります。

タバコは思考を良くする、感情に任せず落ち着いて議論ができるなどの効果があるのではないかと、そこでは書かれていたように思います。以前日本では副流煙の問題が大きく報道されましたが、あればどうも眉唾ですね。

ともあれ、喫煙者には生きづらい世の中になってしまったようですが、他の部分でも差別が始まるのではないかとちょっと不安になる事もあります。
2012/05/11 [川越URL #uvrEXygI [編集] 

*

私は父が亡くなった日に禁煙しました。
旅立つ父へのはなむけにひとつ位喜んでもらえることをしてみようかしら、なんて殊勝なことを考えてしまったから。
それは表向きの理由。
本当はその日突然、もうタバコはいらない自分に気がついたから。

タバコの自販機の前を通るたびに、もう用事は無いのよ、って自慢したい気分でしたっけ。
私の場合は、禁煙したのではなく、体調がタバコに合わなくなっただけでしたから、それほど自慢できることでもないのですが。
2012/05/12 [みん] URL #6moyDOY6 [編集] 

* ちょっと一服…

私が仕事を始めたばかりの二十歳の頃、
働いていたレストランは見事に喫煙者ばかりでした。

日頃は休憩も取れないほど忙しい職場で、
たまにちょっとだけ余裕がある日にだけ先輩から
“一服行ってきていいよ~”と声がかかりました。

ですが、私はタバコを吸ったことがないので
一服の時間がどのくらいだかよく分からず…。
外に出て数回深呼吸したら
またすぐに仕事に戻るようにしていました。(笑)

煙草を吸うのは基本的に個人の自由だと思いますが、
好まない人にまで煙を浴びせるのはマナー違反だと思います。
2012/05/12 [tony] URL #mQop/nM. [編集] 

* Re: No title

川越さん、私も数年間やめていたときは煙草の匂いに凄く敏感になりました。 
家の外を通る人が吸っている煙草の匂いが家の中にいてもすぐわかりました。 
それと煙草を吸わなくなった時は、味の感覚が増して、食べるものが美味しくなります。

他の部分での差別というのはどういうことなのか、人種的なものかな、と考えました。
2012/05/12 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

みんさん、それは何よりの親孝行をしましたね。 私も二人の子供たちが煙草を吸わないのでほっとしました。 煙草の美味しさなんて知らなくてもいいのです。 ほかに美味しいものはいっぱいあるから。
健康オタクがどんどん増えているアメリカでは煙草を吸うだけで嫌われるので、その点だけでも僕の子供たちのためには良かったと思っているのですよ。
2012/05/12 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: ちょっと一服…

tonyさんにはわからないでしょうが、激しい仕事の合間に吸う煙草ほど美味しいものはないのですよ。 
私の知っているある日系企業の社長さんは、会社内での喫煙がいっさい禁止されて喫煙室までなくなってしまった時に、バンを1台購入してそれを駐車場において、部下といっしょに煙草を吸っていました。
私もそのバンに招待されたことがありますが、そこで商談がまとまったりしたものです。
2012/05/12 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Smoke

いつか、もっとずっと先に、小春日和の縁側で、タバコをおいしく吸いながら、
優しく笑えるおばあちゃんになれたらな、って思いますが無理かもしれません。
だって、タバコをまったく吸いたくならないから。

映画Smoke 好きです。
2012/05/12 [みん] URL #6moyDOY6 [編集] 

*

自慢じゃないけど吸います。
外では吸わないけど(吸えない)我が家は嫌煙者出入り禁止です(笑)
それでわかったのは吸う人が案外いるってこと。
うちへ遊びに来たがる人がグッと増えました。

やな習慣だとわかってるんだけど、おいしいんですよねー。
やめようと思ったこと?
あるわけないです(笑)
2012/05/12 [ムー] URL #qiVfkayw [編集] 

* Re: Smoke

みんさん、Smokeは秀逸な映画です。 たしかハービー・カイテルが自分の店先を時間を変えて同じ構図で写真を撮るのでしたっけ? あれを見て自分もやってみよう、というアイデアが浮かびました。
あの映画はたしかWayne Wangの作品だったと思いますが、昨夜たまたま同監督のJoy Luck Clubをもう1度見ていました。
2012/05/12 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

ムーさん、前回の帰国で感じたのは、スモーカーの数は日本のほうがずっと多いですね。 アメリカでは私の周りにはほとんどいません。 
我が家は二階の角に三畳ほどの小さなサンルームがあってそれがスモーキングルームとなっています。
そこは僕にとっては瞑想の場でもあります。
この部屋を獲得する以前は真冬でもいちいちコートを着て零下15度の外で吸っていました。

でも自分の家で自由に吸えるとなると、つい吸いすぎませんか?
2012/05/12 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

>September30さま
私が気になる「差別」というのは、どうも最近の日本はタバコに限らず一方向からしか物事を見られない人が多くなって来たような気がしているからです。東電社員への差別、福島県人への差別、放射線被曝に神経質な人への差別、保険料を払えない人への差別、考え方の違う人への差別・・・日々のニュースを見ているといろいろある気がします。思い過ごしだと良いのですが。
2012/05/13 [川越URL #uvrEXygI [編集] 

* Re: No title

川越さん、そういう差別をする人というのはメディアの犠牲者が多いのじゃないかと思うのです。
日本のメディアは原発問題でそのだらしなさを世界中に曝してしまいました。
それに加えて、「お上を信じる」 のは古来日本人が慣らされてきた習慣で、はっきりとした自分の考えを持たない人たちは右へならえで同調してしまう。 
私にも日本人というものが最近少しずつ分かり始めてきました。(笑)
2012/05/14 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* 禁煙

煙草をやめたのはSeptember30貴方の所に行った時でしたよ。
15時間近くも煙草を吸えないのだったらいっそのこと止めてしまおうと思って止めました。
土産に持って行った缶入りピースをうまそうに君が吸うのをみて思わず一本くれと言って吸った時あまりにまずいのでこれでもう止められると思ったのです。
あれから12年、今は部屋のヤニ臭さも消えてますが、たまに吸っている夢をみます。だいたいうまいんだよね、これが。
あの時の恐ろしいほど出足の良い車、ぜひ大事に乗ってください。
2012/05/14 [Gmac] URL #Hb8WYnzA [編集] 

* Re: 禁煙

Gmacさんがあの時に煙草を止めたというのはすっかり忘れていました。 でも缶入りピースはよく覚えています。 前回の帰国でも両切りのピースを吸ってみたけどあまりにきつすぎて1本でやめてしまいました。

あれから12年立つということは、あの車を買ったのが1月だったからGmacさんがうちへ来たのはその直後と言うことになるね。 娘がパリへ留学している時だったから娘の部屋が空いていて、そこへ君が泊まったというわけです。
2012/05/14 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* 減煙の努力目標には、聊か煙たい曲かも

9月30日さま

 一日3本の減煙目標は、如何でしょう?達成できそうですか?
 写真に付した標題にも「パルムの《草》院」とあるくらいですから、減煙の味とは、中々に苦いものなのでしようか?
 当方は、喫煙の経験は皆無にして絶無であり、懸命に減煙努力中の人の労苦は、全く想像も付きません。しかし9月氏が、その日の体調や気分によって、

 「今日は、気分がムシャクシャするぞ!ちょっと努力目標はサボって久しぶりに羽根でも伸ばし、大いに喫ってみようか?」

 など、浮気心がムクムクと芽生えた夕暮れ時なぞ、浮気の蟲を封じ込め、ふら付く足元を正し、前のめりの背筋をシャキッと伸ばして呉れそうな曲をネット上に発見しましたので、茲に勝手に御報せします。「戒めの一助」となれば、宜しいのですが----。

 おそらく9月氏が若き頃、まだ日本の音楽界で活動なさって居た時代に、流行っていた曲かも知れません。
 猶、例の如く、該当する所在地は別便にて連絡差し上げます。お待ち下さい。
2012/05/15 [Yozakura] URL #Y2lB8pKc [編集] 

* 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012/05/15 []  # 

* Re: 減煙の努力目標には、聊か煙たい曲かも

Yozakuraさん、いつもありがとうございます。
懐かしい歌を思い出させていただきました。 ご推察通りあのころ流行った歌です。 
しかし私はああいう癖だけはありませんでしたね。 
2012/05/16 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

コメントの投稿

:
:
:
:
:

:
: ブログ管理者以外には非公開コメント

トラックバック:

>>>> http://blog1942.blog132.fc2.com/tb.php/356-4766fb75
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)