過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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猫を愛した男

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猫好きのリカルド
Montparnasse, Paris


その年にパリで僕らが借りたモンパルナスのアパルトマンは、あの有名な墓地のすぐそばにあった。 
広大な墓地内は静かで人気が少なく、散歩をするのには絶好の場所であった。 ボードレールやサルトルがここに眠っているのは知っていたが、覚えのある名前を探しながらゆっくりと歩いていると、あとからあとから有名な名前が出てくる。 サミュエル・ベケット(作家)、ブラッサイ(写真家)、モーパッサン(作家)、イヨネスコ(劇作家)など、少なくとも二十人以上を判別した。 僕の知識はもともと芸術関係の人物だけに限られているから、それ以外の分野をいれるとここに眠る世界的著名人の数は相当な数に上るにちがいない。

この猫の墓石は、くすんだ灰色の墓地の中でその鮮やかな色と奇抜な形でひときわ目立っていた。 リカルドとだけ書かれて苗字はない。 37歳で亡くなったらしいリカルドは愛猫家だったのだろうか。 猫を何十匹も飼っていたとしたら、彼が死んだ時その猫たちはどうしたのだろう。 猫に愛され、周りの友達にリカルドの愛称で好かれていた一人の粋なゲイのパリジャンの姿が浮かび上がる。 (なぜゲイなのか? なんとなくである。)

そして、この墓地を何度か散策するうちにアメリカ人の女優のジーン・セバーグの名を見つけた。 このことは前のブログに書いている。

悲しみよ こんにちは



自分を取るか猫を取るか、決めて欲しいって亭主が言ったのね。
今でも時々その亭主のことを思い出すわ。
作者不詳


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