過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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宇宙人にジャズを聴かせよう

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廃墟のコンサート
Imola, Italy


イモラは小さな町だった。 ボローニャの北部に点在する古い町のひとつで(もっともイタリアでというよりヨーロッパで古くない町はありえない)、その前に僕らが廻ってきたパルマ、モデナ、フェッラーラ、ラヴェンナ、などよりもさらに小さな町だった。 町の中心部にスフォルツァ城と呼ばれる古城があって中に自由に入れるようになっていた。 
今夜は何かのコンサートがあるに違いない。 中庭の芝生にはイスがきれいに並べられていた。 数百年経つ石の壁に囲まれて、現代的なデザインのイス達はまるでどこかの星からやってきた異邦人たちが整列しているように見えた。 それでまた、僕の例の妄想がもくもくと頭をもたげる。 
妄想の中で僕はいつの間にか音楽プロモーターになっていて、今夜のコンサートを取り仕切るのが僕の仕事だった。 バンドの選定からプログラムの作成から舞台の設定まで、すべてを僕がする。 まずは遠く1万光年彼方の星から訪ねてくれた宇宙人に楽しんでもらえる音楽を選ばなくてはならない。 堅苦しくなくて、地球人の優しさとバイタリティに溢れる、ユニークな音楽。 いろいろと考えあぐねた結果、僕が選んだのはキース・ジャレット(ピアノ)、ゲーリー・ピーコック(ベース)、ジャック・ディジョネット(ドラムス)の3人だった。 そしてプログラムのハイライトは僕の好きなあの曲をリクエストしてみよう。 
『あなたと夜と音楽と』
1986年のトーキョー・コンサートのあの演奏は凄かった。 宇宙的だった。



You and the Night and the Music
Kieth Jarrett




僕はもちろん宇宙人の存在を信じるよ。
われわれだけが宇宙を支配するなんて傲慢な考えさ。
Tom Cruise



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コメント:

*

女傑カテリナ・スフォルツァがチェーザレ・ボルジアの軍と果敢に戦った城でしょうか?今はこんな風になっているのですね。廃墟のコンサート、素敵だな。行ってみたい!
2012/06/02 [わに] URL #- 

* Re: No title

わにさん、カテリナ・スフォルツァにちなんで付けられた城だけど、彼女が戦ったのはここではなくてドッツァの丘の上の城でしょう。 ドッツァのことは以前に記事を書いています。 両方のページの最初の写真で背景に一部だけ見えているのがそうです。
2011年7月23日 http://blog1942.blog132.fc2.com/blog-entry-222.html
2011年7月26日 http://blog1942.blog132.fc2.com/blog-entry-223.html

廃墟のコンサートはイスの数も多くないし、実際にはたぶんひっそりとした室内楽あたりではなかったのでしょうか。
2012/06/02 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

いいですね、古城でのコンサート。
しかもキース・ジャレット。
私も宇宙人の皮を被って行きますので、September30さん、特別入れてくれませんか?
2012/06/02 [けろっぴ] URL #ok7oinrE [編集] 

* Re: No title

けろっぴさんにはプロモーターのアシスタントとしていろいろとやってもらうつもりでした。
ですから主催者側です。
2012/06/02 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

そうなのですか。一つ賢くなりました。ありがとうございます。去年の記事も拝読させていただいているはずなのに、不覚!どちらのお城も訪ねてみたいです。
 古城でジャズ、その機会には是非、地球人の皮を被って参加したいです(実は映画、MI3を見てきたばかり)
 
2012/06/03 [わに] URL #- 

*

Wow! とっても嬉しいです。
私、宇宙語も少し通じるようですので、何かとお役に立てるかと...(笑)
2012/06/03 [けろっぴ] URL #ok7oinrE [編集] 

* Re: No title

けろっぴさん、よろしくお願いします。
それではさっそくKieth Jarret に連絡を取って契約を交わしてください。
宇宙人からもらっている通貨はユーロの100倍のヴァリューがあるので
Kiethのバンドにその10分の1を払っても
あとはふたりでガッポリ。
ヒヒヒヒ
2012/06/03 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* ドキッとしました

パッと目に飛び込んできた写真を観て、あ、劇場だと思い、
宇宙人!ほんとだそう見える!と可笑しくなり、そうかコンサート…
Septemberさんのお好きな曲、あたしも知ってる曲だったらいいナ、と思っていたらば、
え、『あなたと夜と音楽と』?!

心臓が止まるかと思いました。
あたしもこの曲が大好きすぎて、
ついには、これを歌いたいがために古いジャズクラブを舞台にした芝居を書いてしまった、
『貴方と嘘と夜と音楽』というタイトルで。
そうして、この芝居が瓢箪から駒を生み、本当に歌い手としてステージに呼んでいただけるようになって。

You and the…は、なので大げさに言えば、あたしの運命を変えた大切な愛しい曲なのです。
よかったぁ。。。
Septemberさんがここでこの曲を選んでくださって、異常にうれしくなったのはなぜでしょう。(笑)

1986の演奏、凄いですね~。
自分のこの曲のベーシックはジュリー・ロンドンなので、こんな風に展開していくなんて、
頭を殴られたように感じました。
宇宙。
確かに。


2012/06/04 [belrosaURL #- 

* Re: No title

わにさん、前回の記事にはスフォルツァ城と書かなかったので無理もありません。
私もこのイモラの城を訪れたときに、「あれ! 同じ名前じゃないか」 と驚いたのです。
ヨーロッパでは古城や古代ローマ帝国の大劇場などでコンサートをすることがずいぶんと多いです。
そのほとんどはロックのコンサートですが。
2012/06/04 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: ドキッとしました

belrosaさん、そうだったのですね。
この音楽がbelrosaさんにとってそんなに深い意味のあるものだったなんて、なんという偶然でしょう!
『貴方と嘘と夜と音楽』というのはどんなお芝居なのかすごく興味があります。
(素敵なタイトルです)

もう1曲、ビル・エヴァンスの『あなたと夜と音楽と』をご紹介します。
こちらは1959年の演奏で、私は十代の紅顔の美少年で
ハードバップが全盛だったこの時代に
リリシズム溢れるこの曲をレコードが擦り切れるまで聴いたものです。
この二人のピアニストの演奏には30年という長い月日があるのに
それをまったく感じさせないのは、つくづくアートの不滅性を感じてしまいます。
キース・ジャレットの演奏が力強い叙事詩だとするなら、
ビル・エヴァンスのそれは繊細な叙情詩といってもいいでしょうね。
どちらも好きです。

http://www.youtube.com/watch?v=h4o58A_XLrk
2012/06/04 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

September30さん、キース・ジャレットに連絡しましたら、宇宙人のためのコンサートだったら、宇宙の平和の為に貢献したいので、無料で引き受けてもいい、といわれましたが、どうしましょうか?
2012/06/04 [けろっぴ] URL #ok7oinrE [編集] 

* Re: No title

けろっぴさん、それではコンサートのあとに盛大なパーティを開きましょうよ。
世界中の美味しい食べ物や酒をcaterするように手配をしてください。
経費はいくらかかってもかまいません。
あ、それから世界各地から美人のコンパニオンを20人ほど呼びましょう。

よろしくお願いしまあーす。
2012/06/05 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* きっと…Septemberさんがずっと


ビル・エヴァンス、イイですね~!
店にいるみたい。。。つい足がノっちゃう。
ほんとに、同じ楽曲でもこうも違うかという、それこそそれぞれの宇宙を紡ぎだせるのが、
ジャズはたまらないですよね。

好きだというだけで、まだとば口にも立っていない研修生なんですけど、
こんな風に直接Septemberさんから未知の世界を教えていただけるようになれるなんて…
嗚呼なんと素晴らしきかなインターネットの世界!ばんざいっ!!(笑)

『貴方と嘘と夜と音楽』は、
かつてのスターが13年ぶりに古巣のジャズクラブに帰ってくることで、封印したはずのさまざまな愛憎が蘇り、
ショーという絵空事を生きる人々の苦い実人生が浮かび上がってくる…そんなお話。

ってこれじゃ分かんないですかね。(笑)
彼はもう長くなくて、死に場所を求めて舞い戻ってきたので、
オーナーや捨てた恋人やスターの階段を昇り始めている後輩などを巻き込んで、
いろんな秘密が暴かれていってしまうという感じで、別れをテーマに書きましたね。

きっとあたしなどより、Septemberさんがずっとご存知の世界の物語です。

Art Blakeyの"Moanin'"で始まり、クライマックスでCannonball Adderley "Autumn Leaves"、
ショー場面では"You and the Night…"に"Hit the Road Jack"、"Fly Me to the Moon"などなど、
ジャズアレンジにした日本の歌謡曲も織り交ぜながら歌って踊り、
カーテンコールはHank Mobley"Recado Bossa Nova"と。
凄い王道でしょ?(笑)

自分が憧れてきたスタンダードてんこ盛りの芝居にしたので、天国でした~。
これ以上トシをとらない内に、今度は生バンドで再演してみたいんですけどねぇ、
見果てぬ夢ですね。
…ごめんなさい、今日も長々、、、あたしお喋りですね。(- -;)ゞ

2012/06/05 [belrosaURL #- 

*

September30さん、それはいいアイデアですね。
了解です。
食べ物、飲み物の手配はおまかせください!
もちろん、このブログの読者も全員ご招待ですよね。
あ、それから、美人のコンパニオンは、世界各地からでしょうか、それとも宇宙各地からでしょうか?
あと、美人だけでなく、イケメンも追加したいと思いますが、よろしいでしょうか?
2012/06/05 [けろっぴ] URL #ok7oinrE [編集] 

* Re: きっと…Septemberさんがずっと

belrosaさん、
『貴方と嘘と夜と音楽』は、もし私が観ればとことん身につまされる内容のような気がします。
もしかしたら、観たことを後悔するようなお芝居かも知れません。(笑)

芝居とジャズ、といえば学生時代に同級だった宮原安春や平岡正明が
かなりアナーキーな芝居を大学の講堂でやった時
ジャズを舞台で演奏したことがあります。(キャノンボール・アダレイの"Work Song"など)
幕が開くと4人の男が卓を囲んで延々と15分も麻雀をやっていて
それからいきなりジャズが始まり、そのあと舞台で火を焚いたり、
止めに入った管理人を突き飛ばすというような無茶苦茶な芝居で、
途中で警察に踏み込まれ私を含めて全員が検挙されました。
バンドの連中はすぐに釈放されましたが・・・

その後彼らが出版した『赤い風船あるいは牝狼の夜』で
またまた彼らは猥褻罪で逮捕されたのですが、
その時彼らが私に謹呈してくれたその本は今でもどこかに持っているはずです。

belrosaさんのコメントからそんなことを思い出していました。


2012/06/05 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

けろっぴさん、
宇宙には美人はいません。(映画のETを思い出してください)
男性のコンパニオンの件ですが、まあ仕方ないでしょう。
宇宙人のためというより、ブログ読者(なぜか女性が多い)のためです。
2012/06/06 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

September30さん、
宇宙に美人がいないと断定はできませんよ。
美の基準は国や、星によってちがったりします。
ETだって、所詮人間の頭の中で考え出されたものですし。
それに、中には賢くって、地球人の美の標準に合わせて化けることのできる宇宙人もいるかも...。
いえ、もうすでに私たちの身近にいたりして...(笑)。
とりあえず、今回は地球基準の美人を集めますね。
イケメンも。
地球基準にするのは、このブログ読者の為です。
2012/06/06 [けろっぴ] URL #ok7oinrE [編集] 

* 夕波の向こうの太陽

とことん身につまされる内容・・・ここで爆笑してしまいました。
いやぁ、観たことを後悔するような芝居になっていたら、演劇人冥利に尽きるんですけどね。

熱い時代を過ごされたんですね。
今この国に棲む我々が当たり前にしている狎れた空気とはまるで違う、
青春の中に文化が屹立していた、その最前線に、
Septemberさんはいらしたんですね。

わたし、なんとそのご本と同い年でした。
だからそれは、まるで歴史話のような、夢物語のような遠さで、自分の中にはあって。
去年道に迷って(笑)自分で色々勉強してみたんですけど、
http://d.hatena.ne.jp/rosegardenbel/20110819/p1
この断絶の向こうにSeptemberさんもいらした、、、

なんだかとても心強い気持ちです。
それを経て、俯瞰を体得された方と、
こんな風に繋がることの出来たご縁が定められていたことに。

あたしはここに来るたびに、
Septemberさんの中の永遠の青年と向き合っているのかもしれない。
これを書いていて気づきました。
Septemberさんの蹉跌は甘美過ぎて…ヤバいですね、麻薬ですね。(笑)

2012/06/06 [belrosaURL #- 

* Re: No title

けろっぴさん、
私のブログの読者は皆さん知的でしかも宇宙的な方ばかりだから、心配はしていません。
昨日の金星の太陽通過のイベントでも
金星人は次は地球に行ってイモラのコンサートに参加しよう
と騒いでいたようです。
ひょっとしたら、彼らも自分たちのバンドを連れてくるかも。
楽しみですね!
2012/06/07 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: 夕波の向こうの太陽

belrosaさん、
考えてみると、日本語の芝居を見たのはもう思い出せないくらいに昔のことになってしまいました。
もっとも数年前に歌舞伎を見てあらためて感激したのですがあれは別です。
近い将来にぜひ現代の芝居を見る機会をつくりたいと思っています。

60年代の若者たちが過ごした青春は
その前後の世代と比べれば非常にユニークだったといえるでしょうね。
ただ、あなたがおっしゃるような
『青春の中に文化が屹立していた、その最前線に』
いたという感じは私にはなかったようです。
田舎からいきなり東京へ出てきて、めくるめくような大都会の片隅で
潰されないように必死で生き延びようとした孤独な青年
というのがそのころの私のイメージだったような気がします。

学生運動にものめり込めず、といって学業にも身が入らず、志した文学にも失望して
混沌の世界で常にぼんやりとした挫折感を抱きながら
ジャズという名の楽園への逃避だけが救いでした。
私にとってはジャズが麻薬だったようです。

2012/06/07 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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