過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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動物好きの絵描きさん 20 キリン

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麒麟
By Green Eyes


子供の頃、両親に連れられて動物園へ行ったという經驗が僕には一度もない。僕の住んだ町にも近くの都市にも、動物園なんていうものは無かったから。
だから僕が最初に動物園へ行ったのは、ずっとあとになって東京の大学へ入った時だった。上野動物園のサルの電車に乗りながら、何が不幸といって幼い時に動物園へ行ったことの無い子供ほど可哀想な者はない、などと思ったのを覚えている。絵本や写真でしか見たことのない様々の動物を前にして大学生の僕が受けた感動は、もしこれが子供の僕だったらその感動は何十倍も大きかったに違いなかった。

キリンを初めて見た時にその巨大さにビックリしたことを忘れない。あとでわかったのは、キリンはすべての動物の中でその体高がもっとも高いのだそうだ。そしてキリンは植物の葉から水分を摂るという秘術を備えているので、他の動物と違って水を飲む必要がない。だから水源を求めて移動することもないし、あれだけ背が高くて首が長ければ、どんな樹にでも楽々と届くから、なんとラッキーな生き物だろう、と思う。

日本へキリンが最初にやって来たのは1907年(明治40年)だった。
アフリカからはるばる運ばれてきた2頭のキリンが横浜港に着いて、そこから無蓋の貨物列車に乗せられて上野動物園へ運ばれることになっていたのに、途中の陸橋の下を通過するのが不可能という事実を日本人はまったく予想していなかった。それで2頭のキリンは今度は船で日本橋河岸まで乗せられて行き、そこから大八車に乗せられて上野まで運ばれたという。明治40年というと日本で最初の自動車が試作された年だから輸送トラックなんてものはまだ無かったとしても、馬車はあったろうになぜ大八車? という疑問が残る。

ともかくそうやって無事に上野動物園へ到着した2頭のキリンだったが、翌年には2頭ともあっけなく死んでしまう。熱帯動物だからということでやみくもに暖かくし過ぎてしまったのが原因らしい。アフリカの草原で悠々と草を食(は)んでいたら幸せな生涯をすごせたのだろうに、日本などという野蛮な国へ連れて来られたばっかりに可哀想な結果になってしまった。
その後キリンが再び日本に上陸したのはそれから26年後の1933年(昭和8年)だった。前回の失敗に凝りて檻の温度を15度に保ったことで、このキリンは無事に生き延びることができた。
良かったね!



神というのはそのへんのアーチストと同じだよ。
キリンも象も猫も神の創作だけど
彼は自分の芸術スタイルなんてまるで持ってなかったから
次から次へと試作をしていくしかなかったんだ。
- ピカソ -




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コメント:

* 今日の新聞で

ドイツの小熊3兄弟がとうとう一匹になってしまっているという記事をちょうど読んだところでした。なぜ小熊が朝飼育係に死体で発見されたのか、さまざまな憶測が書かれていましたが、母親の育児拒否も理由の一つだったとか。このキリンの話で思い出しました。野生で生きる動物とは違う性格が、動物園の動物には生まれるのでしょうか・・・ ps。そういえばまだ写真届かないんです。。。追跡番号とかもしわかったら教えてください。
2014/05/07 [inei-reisan] URL #pNQOf01M [編集] 

* Re: 今日の新聞で

inei-reisan さん、

飼育係も気が付かないうちに死ぬなんて
そんなことがあるのだろうか、と思ってしまいました。
人間のように心臓麻痺や脳溢血ならともかく
育児拒否なんてすぐに分かることだから何とかできたろうに、と
心が痛みます。

あ、それから郵便の件ですが
私が使うUSPSは外国の場合追跡番号が無いのですよ。
今見たら、4月24日に発送してるのでもう10日以上経つわけだけど
もうしばらく様子を見てみましょう。

今までドイツには何度も送ったけど
すべてちゃんと届いています。
2014/05/08 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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