過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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日本への旅

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森の中の家
鳥取県大山町


いつか日本にもう一度住んでみようと決めてから、心はすでに日本へ飛んでいる。
どこに住もうか?
と考えるだけでも楽しい。
でも僕は都会にはもう住めないだろうな、と思う。 今までも東京へ帰るたびに、あのめくるめくような人間の集団に囲まれたペースの速い生活には、長年アメリカでのんびりと暮らした自分など、すぐに神経がボロボロに擦り切れてしまうような気がして恐ろしくなる。 といって鄙びた田舎で周りから完全に遮断されて、自然を相手に仙人のようにひっそりと生きるというのは、どうも僕のスタイルではない。 都会のスリルがすぐに懐かしくなるのはわかりきっているから。 ということは、大都市の近くの田舎に住んで頻繁に都会の興奮を吸いに出かけるというのが理想的かもしれない。

そんな妄想をさらに楽しくするのは、海に住もうか山に住もうかという選択。
小さな日本だからどこに住もうと海にも山にも近いのはよくわかっている。 そうではなくて僕が迷っているのは、窓から海の見える場所に住もうか、それとも深い森に囲まれて暮らそうか、ということなのだった。
考えてみるとこの20年は、中西部という海も山もない小さな丘さえもない平坦な大平野に住んでいて、その前の20年は海のすぐそばのボストンで過ごした。 ボストンでは波の音が聞こえるようなところにアパートを借りたことも二度あった。 とすると、今度日本では山の多いところに住んでみたいような気がなんとなくしている。 

そこで信州。
若い頃から文学などを通して何となくロマンチックな憧れを感じていた地域である。 実際には大昔に長野市と軽井沢へ行ったことがあるだけなのに、信州は日本を離れた僕の心になぜかしっかりと刻み込まれていたようだ。
諏訪、千曲、佐久、岡谷、安曇野、浅間、小諸、飛騨、木曽、野尻、蓼科、などという地名を見るだけで、なぜか無性に懐かしい気持ちさえ湧いてくるのは不思議なことだった。
信州なら東京にも近いから汽車や車で数時間で行ける。 ちょっと隣町まで行くのに数時間かけるのはザラ、という広大なアメリカに40年以上も住んだ僕にとって、同じような感覚で、森の中の終(つい)の棲家(すみか)と、世界最大のメガシティのあいだを簡単に行き来ができる、ということはきっとすばらしいことに違いない。

そんな僕の夢物語を聞いたあるひとが 「それなら八ヶ岳がいいわよ。 冬は寒いけどあなたの好きな雪が多い上に、東京にもずっと近いし、第一すばらしい景色よ」 と教えてくれた。 うん、考えとくよ、と答えて僕の妄想はさらにどんどんと膨らんでいく。

人生が旅だとすれば、僕の旅は止まることなく、これからまだまだ続きそうな予感がする。



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コメント:

* 想像を巡らせるのは楽しいですね

うん、八ヶ岳はいいですね。ちょっと観光客が多いかな?でも道を外れれば静かだし、キノコはあるし渓流魚はいるし、もちろんジビエもありそう。富士山を眺めながら入れる温泉もいくつもありますね。安曇野は雪が少ないけど、北アルプスの景観はすばらしいし、川は綺麗だし、四季折々の移り変わりが見事で、静かでいいですね。信号を気にすることなく自転車で100キロ走る事もできます。もちろん車ならさらに行動範囲が広がりますね。もっとも観光客はやっぱり多いかな?いっそ新潟の魚沼辺りはどうでしょう?山を越えれば雪もなくなるけど、美味しいお米とお酒、野菜に山菜、魚も美味しいです。高速に乗れば都会に出るのも日本海に出るのもすぐですよ。おまけにたぶん私の古民家も近くになります。なんてね。(^^)
2013/01/09 [川越] URL #uvrEXygI [編集] 

* いずこも同じ

九州はいかがでしょう?交通の便だって、うちから総ての交通機関へ20分以内、魚も、お酒も何より博多情緒、東京もアジアも韓国もすぐそこですよ。(飛行機で)(⌒∇⌒)
2013/01/09 [URL #mtYTAWfU [編集] 

*

東京を考えれば長野はちょうど良い田舎かもしれません。もしくは適度な地方都市に住むのも良いかと。盛岡なんてどうでしょう。宮沢賢治と遠野物語の世界です。
2013/01/09 [上海狂人] URL #wuZV7DPc [編集] 

*

この写真は以前も載せられましたね。
過去の、そう「過ぎたこと」を書かれていて、胸が痛む記事でした。
皆 若い頃 いろんな経験をして今に至る、その痛みも必然なのでしょうね。

今回は同じ写真を未来に向かって使用されているのですね。

どうぞ無理はされませんように。
2013/01/09 [のほほん] URL #60nqeuCY [編集] 

* Re: 想像を巡らせるのは楽しいですね

川越さん、

観光客が多いというのも
きっと人恋しさが募るだろう私にとってはかえって良いのかもしれません。
それだけ写真の題材も増えるわけだし。(笑)

安曇野は川越さんもお気に入りのようですが、
私は何よりもその日本語の字面と、「あずみの」 というなんとも言えず優しい響きに惹かれます。
そんな場所で生まれ育った人はきっと優しくてきれいな人に違いない(なぜか女性になってしまう?)
と決めてしまいました。
いつか必ず行ってみます。

新潟の魚沼という町は地図を見ると信濃川のすぐそばで山に囲まれた盆地、
しかも日本有数の豪雪地帯なんですね。
よくもまあこんな場所を見つけたものだと感心しましたが、
食通、温泉通、バイクマニアの川越さんにはピッタリの感じですよ。
2013/01/09 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: いずこも同じ

和さん、

最近日本地図を眺めるチャンスが以前よりずっと増えました。
20年前ならそんなことはまずしなかったことです。
それにしても日本て思ったより県数が多い!(笑)
すぐ隣県に行けてしまうのですね。

もともと寒いところよりも温かい場所が好きな私には
九州は魅力です。
2013/01/09 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

上海狂人さん、

実は長い間外国に住んでいるあいだに
日本の地理、とくに東北地方の地理が最北の青森以外はまったく混乱していたようで
日本で音楽に関係していた時にはそのほとんどの都市にいっているのにかかわらず、
例の震災の時に、秋田は日本海側だっけ、とか、福島と山形の地理関係は? とか
小学生に帰って勉強しなおしました。
恥ずかしい話です。
2013/01/10 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

のほほんさん、

おっしゃるとおり
「過ぎたこと」はこの数年で少しずつ私から遠のいていっているのかもしれません。
ブログを始めた主旨はたしかにそのことを書きたかったからなのですが・・・

ご忠告をありがとう。
2013/01/10 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* いいですね

信州は私も8年間住んで、大好きな土地です。
ひどいアトピーだった私が、毎日浅間温泉の銭湯に通う下宿生活になったら、みるみるうちに肌が治ってしまいました。
たまに新鮮な魚介類が食べたくなると、皆で新潟に出掛けました。
私は浅間と安曇野が好きです。
2013/01/12 [どくとるくま] URL #m.2.LkcQ [編集] 

* Re: いいですね

どくとるくまさん、

8年間住んだ人が大好きだというならまちがいありません。
その上、以前にブログに書いてくま先生にも診断をしてもらった私の皮膚病も
信州の温泉で治るかもしれませんね。
としたらこんな嬉しいことはないです。
(現在は手と身体はまったくきれいになり、足に少し残っているだけ。でもまたいつ出てくるかわからない)
2013/01/12 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

両親が共に信州出身なので長野県は私の心の故郷です。受験勉強に疲れた中学校最後の夏に天竜川沿いの祖母の家にしばらく滞在して自分を見つめ直した経験があります。
2013/01/13 [Endless] URL #d2yN2EXI [編集] 

* Re: No title

Endless さん、

ご両親共に信州の出身なのですね。
そしてEndlessさんご自身は信州を「心の故郷」と呼んでいる・・・

皆さんのコメントを読んで私の信州礼讃熱がますます上がってきています。
2013/01/13 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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