過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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2月のクイズの結果は・・・

T07Italy0620bw-blog.jpg

過ぎたこと、過ぎて行くこと
サン・マリノ共和国



クイズの回答を見て感じたのは、同じ写真でも人によってなんとまあいろいろな見方があるのだろう、ということだった。 
でも、今回のクイズは見る人が感じたことをタイトルで表現してくださいというよりも、あくまでも作者である僕の意図を代弁するようなタイトルが欲しい、というつもりだった。 そのことが十分に説明できていなかったとしたらそのことをお詫びしたい。

この写真の主役は(僕にとっては)古城ではなくて二人の女性だった。 長い時間、身動きもしないでそこに佇んで、眼下に広がる壮大なパノラマを見つめている二人の女性の胸によぎっている思いは何なのだろう? と考えながら僕はうしろでカメラのシャッターをきっていた。 ふたりはおそらく知り合いではあるまい。 どこの国から来たのか、何をする人なのか僕には知る由もないが、彼女達の二つの人生(軌跡)が、この千年昔から建ち続ける古城の頂上でここまで接近しているのを、僕は目撃していた。 そして僕自身の軌跡もここにいた。
ちなみに、この写真に僕が付けていた原題は 『ふたりの女』 だった。

たくさんの応募の中から印象に残ったものをいくつか挙げてみよう。

◯ 『過ぎたことを思う女と、過ぎていくことを思う女』
masako さんのタイトルは僕の気持ちをピッタリと表現してくれている。 ただ、タイトルとしては少し長過ぎるし説明的に過ぎるのが残念だった。
◯ 『過ぎたこと、過ぎて行くこと』
fumie さんのタイトル。 ブログのタイトルをそのまま持ってきているのだけど、この写真に付けることで二人の女性の 「過ぎたこと、過ぎて行くこと」 だけではなく、その場所にいた僕自身の 「過ぎたこと、過ぎて行くこと」、それからこの古城が千年のあいだに辿ってきた 「過ぎたこと、過ぎて行くこと」、までをすべて含蓄している。 実に良いタイトルだと思う。
◯ 『陽のあたる場所』
belrosa さんのタイトル。 とても気に入ってしまった。 『過ぎたこと、過ぎて行くこと』 のように見る人の心に半ば強制的に浸透するかわりに、客観的にあっさりと簡潔に言っているところが実に良い。 それでいてそこに含まれる意味は深いと思う。 撮影した僕自身が意識しなかったものに気がつかされた、という意味でとても嬉しい秀逸なタイトルだ。 昔のアメリカ映画 "A Place in the Sun" の邦題と同じだということに、気がついても気がつかなくても構わないが、でも気がつくとさらにおもしろくなる。
◯ 『やっぱり飛べなかったわね』
centerfield さんのタイトルは、ついさっきここから投身自殺をした男を仮定した、ブラックユーモアともいえるものだけど、最初にことわったように、僕の意図を代弁するという意味では残念ながら失格。
◯ 『それぞれの道』
のささんのは、これも僕の意図をわかってくれてるからこそ出てきたタイトルだろう。

そして結局は 『過ぎたこと、過ぎて行くこと』 と 『陽のあたる場所』 のどちらかということで、さんざんに迷ったあげく、fumie さんの方をとったのだけれど、僕にとっては易しい決定ではなかった。
他の人達のものも全部ではないが載せてみよう。

『サン・マリノ天上桟敷』 『鳥瞰シニョーラ』 『光と影のラプンツェル』 『V(ictory)の間を覗く』 『いるけどいない』 『天国に一番近い場所』 『取り残された者たちへ』 『いにしえより未来をのぞむ』 『聖なるM』 『If the floor could talk』 『風起きて遠くに浪のきらめく』 『ヒトとヒトとゴミ箱と、Mの輪の中で』 『ゴミはゴミ箱へ』 『別の明日』 『「おにーさん、寄ってかない?』 『天上の国の入り口』 等など・・・・・

fumie さん、おめでとう。
住所氏名を非公開コメントにして送ってください。
お好きな写真を指定することを忘れないように。
数日経ってもご返事のないばあいは棄権とみなして次の方を選びます。


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コメント:

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2013/02/23 []  # 

* Re: No title

鍵コメさん

返事を私信で送りました。
2013/02/24 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* 生きるということ

ありがとうございます。
まさか取り上げていただけるとは思っていなかったので、
文中に自分の考えたタイトルをみつけたときはとてもうれしく驚きました。

この写真を見て初めに感嘆したのは、
日差しに照らされた女性は真っ黒な影のようになっていて、
日陰にいる女性はスポットライトのような光で浮き上がっている、
その不思議でした。

光の中の孤独、影の中の誇りというような、
本人たちも気づいていないそれぞれの人生を見たようで、スリリングだと思ったのですが、
一言にはできなくて、、、
見たままを言葉に置き換えたらどうなる?と思ったときに浮かんだのが、
陽のあたる場所だったのです。

映画のタイトルになっているのは知っていたので、
筋書きがこの写真とかけ離れていたらエントリーしないつもりでしたが、
調べたらあまりにピッタリでびっくり。
知ってから見ると、まるでスチールのように思えるほどで。

Septemberさんならこのダブルミーニングにも気づいていただけるかなと思ったのですけど、
やっぱり!
そんなわけで、いろいろラッキーでした~(笑)

さんざん考えて、結局もっともシンプルなところに収まった。
自分の思考の癖を教えてもらえたようで、面白い体験になりましたね。


2013/03/02 [belrosa] URL #eJbgdmWg [編集] 

* Re: 生きるということ

belrosa さん、

タイトルの付け方のうまさではbelrosaさんに敵いません。
といっても、ブログの記事のタイトルのことですが。
人柄がそのままタイトルにまで表れていて
タイトルにもスタイルがあるものだ、と感心しました。
私にはできないことです。

この写真は最初オリジナルのカラーを見ていて光と影の対比が面白いと思い
時代を超越してどっしりと建っている古城と、
そこに佇む二人の女性の人生を思った時に
"timelessness" という英語の言葉が自然に頭に浮かんだのです。
これは時間(time)が存在しない、つまり「時の超越」というような意味なのですが、
宗教では「来世」を意味することもあります。
そういうものをここで表現するとしたらこれはもうモノクロしかありません。

左端のゴミ入れがもしそこになければ
この写真は私のお気に入りの1枚となったでしょうね。
2013/03/02 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

きょう、待ちに待った写真を受け取りました。
とても気に入りました、ありがとう。

September30さんの写真は、語る写真なのですょね。
もうすでに、写真はたくさんのお喋りをしてくれています。
2013/03/06 [fumie] URL #LGP0CJfA [編集] 

* Re: No title

fumie さん

特定の写真を指定しないで
作者の一番気に入っているものをと言われた当選者のかたは私も初めての経験で
ちょっとうろたえました。
まるで逆に私にクイズを出されたようで。

ですから気に入っていただけるのかどうか心配をしていましたが、
なんとかクイズには当選したようで安心しました。
もっとも 「あの写真は好きじゃありません」
とは言いにくでしょうけど。(笑)

いただいた私信を読めば本当に気に入っていただけた事がよくわかり
とても嬉しいです。
2013/03/06 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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