過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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フレームの中のフレーム・・・写真のレシピ (12) 

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影と陰
Palais des Papes, Avignon, France



クリシェ(cliché)という言葉がある。 「常套手段」 とでも訳せばいいのだろうか。 作曲や小説などで昔から使い古されてきたいろいろな技法を意味することが多いんだけど、これは絵画や写真の世界でも同じだ。
クリシェは芸術の長い歴史の中で繰り返し使われて昇華されてきた技法だから、その芸術的効果や鑑賞者に与えるインパクトはなかなか大きいんだけど、これもあまり使い過ぎると「ああ、またか・・」 と意図を見透かされて飽きられてしまうから、気をつけなくちゃならないだろう。

今回からこのクリシェの幾つかを取り上げてみよう。 写真のクリシェには次のようなものがあると思う。

1. フレームの中のフレーム
2. パターン
3. シンメトリー
4. 線と形
5.ハイキー
6. ローキー

・・・ 

そこで今日はまず 「フレームの中のフレーム」 の話。
カメラは、現実世界を長方形の枠に切り取るわけなんだけど(つまり第1のフレーム)、その中にもう一つの第2のフレームを加える、というごく簡単な話。 第2のフレームは方形でも円形でも、どんな形でもかまわない。 この技法は写真を見るものにまるで撮影者といっしょになって、第2のフレームの中をのぞき込んでいるような錯覚をあたえる。
たとえば、建物の窓から外の景色を撮る時に、そこから数歩下がって外の景色だけではなく窓もいっしょに入れてやることで、遠近感が強調されて写真に深みが出るだけでなく,、室内の雰囲気も同時に伝わる。 戸外と室内の明暗や色彩の対比がなかなかおもしろいものになって、写真として成功することが多い。 さっきも云ったようにこれはきわめてクラシックな技法だから、写真集や絵画のコレクションではよくお目にかかるし、映画の中でもしょっちゅう出てくる。
ある日カメラを下げてそのへんを半日歩き回れば、チャンスはいくらでもあるはずです。 やってみませんか?

僕の過去のブログ記事から幾つかをサンプルとして抜いてみた。

男と女のあいだには・・・
矩形の福音
四季
僕をめぐる三人の女
美術館という一つの世界の中で



・・・・・


過去のレシピ

写真のレシピ(1)』 カラーかモノクロか     
写真のレシピ(2)』 ポイントを決めよう
写真のレシピ(3)』 陰影礼賛    
写真のレシピ(4)』 クロップの勧め
写真のレシピ(5)』 続・クロップの勧め
写真のレシピ(6) 群集劇のおもしろさ
写真のレシピ(7)』 ミニマリズム
写真のレシピ(8)』  警告!
写真のレシピ(9)』 芸術写真?
写真のレシピ(10)』 ユーモア
写真のレシピ(11)』 被写体はどこにでも



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コメント:

* アヴィニョンの思い出

ごぶさたしています。
教皇庁の中はこんな風だったんですね・・・この街には朝から水がわりにビールを飲む
半分アル中の先輩とレンタカーでの道中に二泊したのですが、運転の担当はぼくだったので
迷路のような旧市街の真ん中にあるホテルと近郊の街を往復するのに疲れ切ってしまい、
とうとう教皇庁の中には入らずじまいでした。内部は確か博物館として開放されていたように
記憶しています。この写真のフレームの向こうに写っているのはきっと中庭ですね。
当時(10年前)見られなかった景色を、いま見ることができて、ひとつ得した気分になりました。
ありがとうございます。レシピの新シリーズ、楽しみにしています。



2013/04/15 [centerfield] URL #8bsxoj2c [編集] 

* Re: アヴィニョンの思い出

centerfield さん、

私は初めて行ったプロヴァンスに魅せられてからはそれ以後は
パリまで飛んでもそのまま高速列車に乗り換えてこの城壁都市アヴィニョンまで行き、
そこでレンタカーをするか、
さらにそれ以後は最初から地中海沿いの港湾都市マルセーユまで飛ぶ、
というのが定石になってしまいました。

アヴィニョンは地方の中都市としてサイズも大きすぎず、
まわりのどこへ行くのも便利で、私にはとても居心地の良い町でした。
2013/04/15 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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