過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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スペインの旅 - ガウディとフラメンコ (1/2)

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サグラダ・ファミリア教会の内部
Sagrada Família, Barcelona, Spain



若いころ、スペインに行くことを長いあいだ夢見ていた。
あの70年代のボストンで貧乏と絶望と孤独の底で喘ぎながら、いつかスペインに行ってガウディとフラメンコを見るんだ、と自分に言い聞かせて生きていた。 なぜかパリでなく、なぜかヴェネツィアでなく、ウィーンでもアテネでもなく、それはスペインでなければならなかったのだ。
そして、30年後にバルセロナの空港に降り立った僕はもう50歳を過ぎていた。

カタロニア生まれのアントニ・ガウディの建築を一つ一つ訪ねながら、ああ俺も建築家になりたかったなあ、とため息をつきながら思った。 といってもガウディの作品のすべてに心酔したわけではなかったが、僕がそこに見たのは、建築という堅固な枠をはるかに超越して子供のような夢と希望を余すところなく表現したモダニズムの頂点だった。



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サグラダ・ファミリア教会の外部正面


この教会は1882年に着工されて、完成までに300年を予定したというからそれだけでもうお伽話の世界だった。
2182年の完成予定は現在2026年にまで短縮されているという。 あと13年というわけだ。 これだけ長い年月を費やしている建設工事だから、古い部分は修復の工事も同時に進行していた。
塔の正面はるか上部に見えるこの信じられないようなディテールは、細部まで見るのには肉眼では無理だった。 僕は180ミリの望遠レンスを持って来なかったことを後悔していた。


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Casa Batllo


バルセロナの目抜き通り La Rambla を歩いているといやでも目に付くこの二つの建物。
どちらも民間人の住居で、左のはガウディの作品ではないがこの二つはお互いに対比しながらよくマッチしていた。 右側の Casa Battlo は昔からあった建物をガウディが1904年に再造形したものだ。
サグラダ・ファミリアはなんといっても教会だから古い伝統に敬意を表したガウディが、ここでは何の制約もなく思い切り夢を膨らませているのを見てニヤリとしてしまった。


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Casa Mila


Passeig de Gràcia の通りにある Casa Mila はもともと富豪の邸宅として建設されたものが、現在は階下がガウディの博物館、階上はアパートになっている。 建設当時はそのあまりにも特異な外観を醜いと見てバルセロナの住民に嫌われたらしく、アパートの借り手がなかったそうだ。 そこで居住者には3世代にわたって家賃の値上げをしないという契約をしたために、現在でも15万円という嘘のような家賃だという。 1度見たら忘れることのできない強烈な線と形のシンフォニーだ。
1984年にユネスコの世界遺産に指定された。

(続)



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コメント:

* あ。

学生初の海外旅行はこのガウディ周りでした。暗い地下の図書館で彼の写真集をみつけて、どうしても本物を見に行きたくなったのです。
なんといってもこの教会が圧倒的なでかさ。教会内部に(そのころは)展示されていた吊模型に刺激されました。

それよりもなによりもバルセロナ市民に私は衝撃を受けまくりました。英語もスペイン語もだめだった私は、彼かが宇宙人のように見えてしまったのです。
箱入り娘だった私が始めて外の世界を実感したのも、バルセロナだったと思います。


2013/05/14 [inei-reisn] URL #pNQOf01M [編集] 

* Re: あ。

inei-reisn さんのように、建築の世界に足を踏み入れた人にとって
ガウディのアートは好き嫌いは別としても一度は寄り道をする場所ではないか
と門外漢の私ですが推測します。

まわりが宇宙人だったという感覚はよくわかります。
最初にアメリカに行った時に私もまったく同じように感じました。
2013/05/14 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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