過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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叔母との対話

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冬の兎


日本に住む叔母とのいつもの国際電話。

「あなたその後、声はどうなの? 良くなってる?」
「うん、医者は一ヶ月はかかると云ってたのに、二ヶ月たっても良くならないからもう一度診てもらおうと思っていたら、二、三日前から急に楽になって話しても疲れない。 だから久しぶりに電話したんだ」
「それは良かったあ。 安心した。 どうしてまた急に喉なんか悪くなったんだろうねえ。 もう煙草はずっと前にやめてたんでしょ?」
「うん・・・・・ (嘘)。 ところでそちらは何も変わりない?」 (と急いで話を変える)
「変わったことといえば・・ あ、そうそう。 私とうとう車の運転をあきらめた。 もうこの歳だからねえ。 奥田のさっちゃんの甥っ子が大学生なんだけど、車が欲しいそうなんで引き取ってもらうことにしたのよ。 私も今までだってもうほんのたまにしか運転してなかったし、冬になって雪でも降れば誰かに雪掻きしてもらわないと車庫から出せないからまず乗ることはないし・・・ あ、雪といえばどう? そちらは寒い?」
「寒いなんてもんじゃ無いよ。 今朝起きた時なんか7度だよ。 今年の記録だってニュースで云ってた」
「あらあ、7度ならそんなにひどくないじゃない。 こちらだってきのうはそのくらいあったんだから」
「何云ってんの。 華氏7度だよ。 そちらの摂氏で云えば零下14度だ」
「ひゃあああ、そうかあ・・ 聞いただけでゾクゾクしてきた」
「だけど雪はまだ積もったままなのに、今日なんか真っ青な空に陽がカンカン照ってるのにすごく寒いんだ」
「あなたは子供の時からすごい寒がり屋さんだったよ。 母さんに似たんだね。 妹の私はぜんぜん逆で、冬が大好だったわ。 毎週みたいに生徒を連れて大山へスキーに行ってたよ」 (叔母は高校の体育教師を40年勤めた)。

というぐあいに叔母との電話はいつも1時間以上続く。
今では僕の唯一の係累となってしまった叔母は86歳で、脚がちょっと悪くなったほかは至極健康なんだけど、最近では電話の度に同じ話が何度か繰り返して出てくるのがちょっと寂しかった。 ひとりっ子の僕にとってこの叔母は子供の頃から憧れの女性で、うんと甘えさせてくれた。 だから今でも時々甘えることにしているのは、そうすることで生涯子供を持つことのなかった叔母が喜んでくれるのがわかっているからである。



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コメント:

*

叔母さまとSeptemberさん、互いにとってもいい関係なんだなぁ・・。
なんだか寒い冬に、ほんわか暖かいものに触れたようで、心地よい気分です。

ひとは、ひとと関わらずには生きていけませんもの、そうゆうひとがいるって、本当に何よりの宝物ですよね。
決して、お金では買えないものです。

ところで、お声の調子が良くなったようで、よかったデス。
2013/12/15 [fumie] URL #LGP0CJfA [編集] 

*

私の甥っ子も、そういうふうに私を気にかけてくれたら嬉しいなあ。
恐らく私も子供を持つことはないと思われるので。
2013/12/15 [micio] URL #O/XG6wUc [編集] 

* Re: No title

fumie さん、

この叔母から昔の両親の話や自分の子供の頃のエピソードを聞くのは
写真のアルバムを失ってしまった私にとっては
貴重な経験となりました。
声を聞くとびっくりするほど若々しくて
50代のひととよく間違われるらしいです。
いつまでも元気でいて欲しい。
2013/12/16 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

micio さん、

甥御さんをどんなに可愛がっているか
前にも書いていましたね。
係累は少ないほど親密になれるのかもしれない。
今の私みたいに血の繋がらない甥や姪が15人もいると
そういうことはないようです。
2013/12/16 [September30] URL #- 

* 矢張り、やばい状況だったのでしょうか?小康を得て何よりです

9月様
 この日の日記に、標題に眼を奪われて読み落とした部分がありました。

 例の発声不能に陥っていた喉の手術ですが、まさか「その後の経過は如何?」とも訊けないし、「まぁ、上手く行ったんだろう」と勝手に想像していたところです。

> 二三日前から急に楽になって、話しても疲れない。
> だから久しぶりに電話したんだ。
> (と急いで話を変える)

 ただ、文中に記述された会話の内容が聊か気になります。勝手に選んで引用した部分の話の進み具合が、唯一の親戚である叔母さんを心配させまいと気遣う9月氏の配慮が行き過ぎて、
 どうも病気の予後をかなり潤色・緩和して、体調の好転を強いて陳述されている様な気配があるのです。

 何事も無ければ宜しいのですが----。お元気で。

2013/12/16 [Yozakura] URL #Y2lB8pKc [編集] 

*

September30さん、

記事の内容から逸れてしまって恐縮なのですが、
この兎、いつか記事にしてくださった兎ではありませんか?
なんだかなつかしい...。
2013/12/16 [けろっぴ] URL #ok7oinrE [編集] 

* Re: 矢張り、やばい状況だったのでしょうか?小康を得て何よりです

Yozakura さん、

少し深読みしすぎたようですね。
それとも私の表現が舌足らずだったのかも。

以前に煙草をやめることを叔母に約束させられたにもかかわらず
一度は止めた煙草をまた始めていたのでいきなり正面から訊かれて
つい「うん」と嘘を言ってしまった手前、急いで話題を変える必要があったわけでした。

ご心配ありがとうございました。
2013/12/16 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

けろっぴさん、

その通り、あの兎です。
それにしても恐ろしいほどの記憶力ですね!

けろっぴさんと一緒に暮らしたら
私の犯した過ちなど一生忘れてもらえないのでは・・・ (笑)




2013/12/16 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* セプテンバーブルー

September さんのカラーは、青がとってもきれいですよね。
印象に残っている作品にはいつも Blue が在る気がする。

最近はますます、ハッとするほどシャープで美しいお写真が増えていますネ。
September さんの活力がこちらにも伝わってきて、
嬉しく頼もしくエネルギーをもらっている読者の皆さんが多いと思いますヨ。
わたしもそのひとりです。wink!

おばさまのイキイキとお若いこと!
これはもうお血筋ですね。
September さんの人間力の高いご生家のお話を伺うたびに、ああー選ばれた家系だなあといつも感じます。
そうそう、Blue blood なんて言葉も思い出しながら。

2013/12/17 [belrosa] URL #eJbgdmWg [編集] 

* Re: セプテンバーブルー

belrosa さん、

ブルーという言葉は「憂鬱」という語の代名詞として英語ではよく使われますが
実人生の中のブルーの色は、苦しみを抜けた人が到達する色のような気がします。

ええっ、Blue Blood ですって?
「貴族の血」 ですかあ?
ほっほっほっ、言ってくれましたねえ。(笑)
何代も続いた百姓の倅と、没落した旧家の娘とのあいだにできたのが
私です。 貴族とは程遠い・・・
もっとも、父系の源は地方に落ちのびた平家の子孫だという話を聞いたことがありますが
どこからそんなことが出てきたのか?
2013/12/17 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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