過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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ドゥカティで思い出したこと

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凱旋パレード
Bologna, Italy


最近の読者のコメントにドゥカティの名が出てきて、それで思い出したことがある。

2007年9月24日午前10時頃、僕はイタリアのボローニャの町をうろついていた。
この町は旧市内周辺を歩くとどこからも遠くに双子のような二本の塔が見えているから道に迷うことはない。 その朝はまず、銀行のATM でユーロを引き出す必要があったので、目抜き通りのインディペンデンツァ通りまで出てきた。
その時いきなり物凄い爆音が轟いて、目の前をオートバイの一群が通り過ぎた。 生半可な数ではない。 100台、いやもっとあったかもしれない。 延々と続いて行き過ぎるバイクにも、またがるライダーのヘルメットにも Ducati の名が書かれている。
生半可な数ではないばかりか、生半可な音ではなかった。 その音に負けないような大声で、隣に立っているおじさんの耳に 「ケ コゼ?」 と叫んで訊いたら、おじさんも引きつるように大声をあげて説明してくれた。

昨日、ドゥカティのチームが MOTO GP のワールドレースでチャンピオンを制覇したのだそうだ。
ドゥカティがイタリア産のホットなスポーツバイクだということは前から知っていたが、僕が知らなかったのは、ドゥカティはボローニャで生まれてボローニャを本拠地とするバイクだということ。 道理でこの大騒ぎ・・・・ と合点がいった。 




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主要道路のインディペンデンツァ通りは、旧市内に入ってくると町の心臓部にあたるピアツァ・マジョーレ(マジョーレ広場)で行き止まりになってしまう。 あのネプチューン(海神)の像がそびえる辺りである。 その広場が今朝はバイカーたちとそれを見る観客とで埋め尽くされていた。
この写真中央の白とブルーのバイクは、群衆を規制すべき警官たちのバイクだが(ドゥカティかどうかは不明)、僕の見る限り彼らは仕事そっちのけで若者たちと昨日の勝利を喜び合っていた。





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イタリアの若者たちのファッションは憎いほど決まっている。
とりわけこの男など完璧といってよかった。 磨かれたバイクは一点の泥もホコリもなくまるで神器のように輝き、黒のつなぎのレザースーツにブーツ、それにバイクの色に合わせたヘルメット、洒落た眼鏡や手袋は有名なブランドものに違いない。ヘルメットをとったあとにちゃんと赤いキャップを用意して、何気なくタバコを指に挟んで携帯電話で話しているのは歯切れのよいイタリア語とくれば、もう文句のつけようがない。





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重装備のリュックを背中に背負った男、この得体のしれない器具はいったい何なのだろう?
今月のクイズにしたいくらいだけど、出題者の自分にもわからないからクイズにはならない。
誰か分かる人がいたら教えて下さい。


こうしてドゥカティの凱旋集会は静かに整然と進んでいった。 驚くほど静かだったのはたぶん酒の入った昨夜の狂乱の結果、全員が二日酔いだったせいかもしれない。
僕はこのあと群衆を離れて、インディペンデンツァ通りをゆっくりと下って行った。 時間はもう正午近くになっていて朝食を抜いた僕は空腹感を覚えていた。 そして何気なく入ったリストランテで僕は忘れられない経験をすることになるのだが、そのことはすでに以前にここに書いている。



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コメント:

*

家の近所で毎週日曜日の早朝に「どっかーーーーーんっ」と爆発音が鳴るので怯えていたのですが、あるとき彼氏が泊まったときに”あれ、ドゥカティの音だよ。”と教えてくれて、それで知りました。
凄まじい爆音ですよね、あれ。
2014/02/09 [micio] URL #O/XG6wUc [編集] 

* イタリア式爆発協奏曲

Septemberさん、

上でMicioさんがドゥカティサウンドについて書かれてらっしゃるのを読んで思いだしたのが、昔四年間だけ所有していた古いイタリアンスクーター、べスパ。バッテリーがないので、始動はキック。二、三回空キックをかましてから、キーをオンにして、再キックするのですが、最初の音はタラッターというよりパパパパーンとまるで銃の連射音(当時は銃声を身近に聞いたことがなかったので想像)。近くにいた人たちが皆、思わず首をすくめるほど、近所迷惑なスクーターでした(そしてよく故障した)。

ドゥカティの2007年MotoGPの年間王座のニュースを知った際、昔を考えると奇跡のように思いました。サーキット場の世界選手権だと、ずっと2ストロークの500ccがメインだったので、事実上日本のメーカー(特にホンダとヤマハ)が独占としていたのが、近年ルールが変わって、4ストローク2気筒のドゥカティも参戦する(日本メーカーと戦える)ようになったものの、まさか年間王座を奪うとは。

オハイオではめったに走っているのを見ることはないですが、展示されているドゥカティを横から眺めると、芸術的フレームワークとL型エンジンの美しさにうっとりします。スパルタン、かつセクシー。

日本にいたころ一度だけ、スポーツスターを借りて乗ったことがありますが、腰が痛くなるポジションのきつさ、手が痺れてくる振動にちょっとビビッてしまいました。当事ヤマハのクルーザーに乗っていた身には新鮮でしたが、違う世界のもののようで、仮に所有してもそれに乗って北海道まで走ってみようとか考えないだろうとも。

ところで写真の黒いドゥカティ、後ろのペダルが出ているので、このライダーは二人乗りするのでしょうが、後部座席とか申し訳ない程度にチョコンとつけたようなもので、うちのかみさんを乗せると、尻がはみ出ておっこちないかと心配したり。日ごろのご愛顧に対して、Septemberさんからプレゼントしてもらえるとしたら、ドゥカティよりフラットツインのBMWがいいだすなあ。
2014/02/09 [November 17] URL #WV4V227M [編集] 

* 1115

今日は雪うさぎを作りました。
東京では間もなく、都知事選の投票が締め切られようとしています。
オリンピック楽しんでいらっしゃいますか?

2014/02/09 [いらくさURL #- 

* Re: No title

micio さん、

恋人との甘い朝の夢を無残に破るとは
ドゥカティも無粋な事をしますね。(笑)

今日の記事はmicioさんの前回のコメントからの連想でした。
2014/02/09 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: イタリア式爆発協奏曲

November さん、

ボローニャの住人、ドゥカティという男が作成して細々と生産していたマシーンが
後年、ホンダやヤマハのような巨人を相手にできるようになり、しかも負かしたというのは小気味の良い話です。
ドゥカティはイタリアの名門の四輪車ランボルギーニに吸収されていたようですが、そのランボルギーニも今では
BMWが買い取ってしまいました。

四輪にしても二輪にしても運転ポジションや計器の操作などそれぞれに好みがあるだろうし
慣れてしまえば皆同じ、かもしれないけど、
私にとってはergonomic(人間工学的)という点で完璧なのはアウディです。
日本人だから日本車がぴったりと身体に馴染んでもおかしくないと思うのに
なぜかそうじゃありません。

ドイツ人のほうが結局は日本人よりも頭が良いのかなあ。(笑)
2014/02/09 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: 1115

いらくささん、

日本は雪、
こちらも雪です。
私は殊勝にもドライブウェイの雪掻きなどを始めたら
別に身体が痛くなったわけでもないのに途中で完全に飽きてしまい、止めました。(笑)
あとは息子が来た時にやらせます。

オリンピックは見てますよ。
ライブはこちらの夜中なのですべて録画してあとで見てます。
その方が見たくない競技やコマーシャル(凄い数)をどんどん飛ばせるので便利。
2014/02/09 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re:Re: イタリア式爆走協奏曲

Septemberさん、

ドゥカティも、今やSeptemberさん御用達のアウディ(フォルクスワーゲングループ)傘下なので、やはりドイツメーカーには勝てないのでしょうか。職場でもよく耳にするのですが、うなりをあげて自動車市場を広げている韓国メーカーや他のメーカーとの競争から長期的に生き残るには、ドイツの会社と手を組むのが現実的だとも。

二年前のロンドンオリンピックで、Team USAの開会式のユニフォームが中国製だったことが分かってアメリカ国内で物議をかもしたことがありました。今回はBMWが公式スポンサーとして入っており、コマーシャルの中でもTeam USAの競技使用器具への技術協力を堂々とうたっております。(第二次大戦中、日系人のみ収容場にいれたよう)ドイツなら許せるのかと思ったり。

運送会社に長年勤めていた父は、自分で乗る車にもこうるさい男で、ここ40年ワーゲンとアウディを四台乗り続けており(計100万キロ走ったというがその数字はちょっと怪しい)、僕が実家に帰ると、酔って、乗り心地や耐久性のすばらしさを延々と話しだします。必ず出てくるのが、事故を起こしたのはたった一回だけという話し。その一回というのは、僕が大学を一年の途中でやめ、バイクで北海道へ向かうことに決め、博多の実家にはもう戻らんとの宣言を聞かされて、運転中、その甘さをどう説教しようか考えているうちに、前にいたベンツにぶつけてしまったとか。親心ってのは、ありがたくもあり、うっとうしくもあり。僕のスバル号は年内に20万マイル(32万キロ)突破の予定で、現在まで無事故。子供がいてなんか起こしたら、同じように説教するのでしょうね。

僕の前のコメントですが、「スポーツスター」はハーレーのモデル、正しくは「スーパースポーツ」。「ペダル」は「ステップ」の間違いで、失礼しました。昔はツーリング先でバイク乗りに会うと、(日本でもアメリカでも)簡単に友達になれ、延々と(用語も間違えず)話しができたのに。そういうのもバイクに乗らない(「向こう側」にいる)人々からは、「バイクオタク」の一言で片付けられていっただす。「アラビアのロレンス」、「イージーライダー」、ブライトンも舞台になった「さらば青春の光(The Who の「四重人格」)」、バイク乗りの主人公たちは知らない土地をさまよったあげく死んでいく、なぜSeptemberさんや僕は死に損ねたのか、、と今年三度目のドカ雪を見ながら、どうでもいい感傷が延々と続く、、、
2014/02/10 [November 17] URL #WV4V227M [編集] 

* Re: Re:Re: イタリア式爆走協奏曲

November さん、

今回の冬季オリンピックでBMWが米国チームのスポンサーになっているコマーシャルを見る度に
??? と思ってしまいます。
やはり金の力にはアメリカも勝てない、ということでしょう。
しかし、BMWも当然ドイツチームのスポンサーにはなってると思うので
それならいっそのこと、オリンピックに参加したくてもできない貧乏な小国や後進国のスポンサーにでもなれば
BMWの株が世界的にぐんと上がるのに、(私は間違いなく大喝采で、以後はBMW以外の車は買いません)
なんて思ってしまうのは政治や経済を知らない素人の考えでしょうか?
金持ちのアメリカのチームを援助するということに、何となくいやらしさ、やりきれなさを感じてしまいます。

ああ、それから
オールドヒッピーのNovember さんは死に損ねたかもしれませんが、私をいっしょにしないでください。(笑)
私はこれから花を咲かせるのです。
2014/02/10 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

この記事には全く関係ない話しで申し訳ないのですが、上のSeptember30さんのコメントで思い出しことがあります。
イタリアはバイクはもちろんですが、自転車のロードレースが大好きな国なんですが、イタリアには「コルナゴ」という一代で築き上げた名ブランドがあります。

このコルナゴ氏、プロチームへの機材サポートはもちろん、富も名声も十分にありますが、ロードレースを愛して止まない彼は、ろくな機材が用意できない日本やアフリカ大陸からのチームが彼を頼って来ると、快く移動のための車からレースに使うこまごまとしたもの、レースにスムースに参加できるようにオーガナイザーに口をきいたりと、ほんとうに大きな後ろ盾になってくれました。

そんな彼の事を「金の亡者」だとか「目立ちたいだけ」などと陰口を叩く人もいましたが、イタリアにはこういう人達が少なからずいたように思います。でも2代目になると時代も変わり、下手な事をすれば会社存続の危機もあるので、そういったことはだんだんとなくなって来ました。ほんの少し前の事ですが、お金が全てではない良い時代だったのかも知れません。
2014/02/12 [川越URL #uvrEXygI [編集] 

* Re: No title

川越さん、

イタリアの自転車メーカー「コルナゴ」の話はなかなか良いエピソードですね。
イタリア人気質を現地で実感した私にはいかにもありそうだと思えました。

日本のオリンピックチームも経済的に決して楽ではないと聞きましたが
かなり余裕のあるアメリカの選手団の行状をニュースで見るにつけ
この違いはどこから来るのだろう、と考えてしまいました。
2014/02/13 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

他の国も多かれ少なかれ同じだと思いますが、国内でスポンサーをつける事ができず、個人で費用を出して参加している競技も多いですね。またオリンピックに参加したということで、企業選手に限らずお土産代がばかにならないと聞きます。練習するためにも、全然本人の事を知らない人達にもお土産がないとえらいことになるようです。

それにしても報道するほうはもう少し何とかならんのかと毎回思いますが、今回の女子ホッケーは残念でした。カーリング、ソフトボール、サッカーと、最近の女子はなかなか盛り上げてくれます。
2014/02/13 [川越URL #uvrEXygI [編集] 

* Re: No title

川越さん、

スポーツから話がそれてしまいますが
そのお土産のことです。

餞別とお土産、というのは日本の悪習のトップにくる、と私は思っています。
身近な人にお土産をあげたいと思うのは日本人ならず世界中誰でも同じですが
それが餞別をもらったからそれに対応する額のお土産を買わねばならない、というのが
実にバカバカしくて話になりません。
そのために貴重な旅行の大半をショッピングに費やすに至っては
一体何のための旅行? と思ってしまいます。

もっとも
海外旅行へ行く目的がショッピングだという日本人も多いと聞きましたが・・・

2014/02/14 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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