過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

Profile

September30

Author:September30

Visitors Counter

Search form

美術館と博物館と

T14pitts-070-blog.jpg



ピッツバーグのカーネギー美術館とカーネギー自然史博物館とは、ユニークにも両者が同じ建物に入っていて訪問者は両方を自由に行き来ができるのは、僕のように両方に興味をも持つ者には便利だった。 お陰で知らない間に4時間もぶっ続けに歩き回ってしまったのには自分でも驚いた。

 



T14pitts-071-blog.jpg




スコットランド生まれのアンドリュー・カーネギーが貧しい両親と共にアメリカへ移住して、後年には大富豪となったわけだけれど、そのカーネギーが彼の莫大な資産を慈善事業につぎ込んだ意味を、現今のアメリカ生まれの大金持ち達はまったく学んでいないようだ。 ピッツバーグにUSスチールを設立して鉄鋼王となったカーネギーの名は、この町へ来ると至るところで見ることができる。 彼の名を冠した大学(カーネギー・メロン)もあれば、ピッツバーグ南西の郊外にはカーネギーという町まであった。
カーネギーはまた強い反帝国主義者でもあった。 スペイン戦争の末期にアメリカがフィリピンをスペインから2000万ドルで買った時に、彼は自分が2000万ドルを出してフィリピンを買おうとした。 彼は自分の金でフィリピンの国民を解放してアメリカの植民地主義から彼らを守るという意図があったのだが、その計画は実現しなかった。




T14pitts-084-blog.jpg



小学生の一団が先生に付き添われて美術館を回っていた。 フィールド・トリップ(見学旅行)というやつである。
アートの先生だろう。 そばでこっそり聴いているとなかなか面白い。 ゴッホの風景画の前でその構図や色彩、絵筆の使い方までかなり専門的なことを説明していた。 手を挙げて熱心に質問をする子もいれば、絵よりも僕のカメラの方に興味を持つ子もいた。 この子供たちの中に未来の偉大なアーチストがいるかも知れない

美術館と博物館の両方を4時間歩き続けたあと、僕はさすがに疲れて館内のカフェでワインを飲みながらガラス越しに表通りを眺める。 向かいに見えるのはピッツバーグ大学の学生寮だった。 娘のマヤがそこに1年ほど住んでいたことがある。 美術館と博物館のすぐ真向かいに住むなどという僥倖(ぎょうこう)を、とくにアート志望の学生ではなかった20歳前後の娘がどこまで楽しんだのか?
ここからホテルまではピッツバーグ大学の構内を横切れば歩いても帰れる距離だったが、こうなるのを予想して車を持ってきて良かった。
僕はもう歩けない。




ブログランキング にほんブログ村 写真ブログ 一眼レフカメラへ
スポンサーサイト

コメント:

*

見学の小学生が床に座って聞いているのが印象的です。
日本ならこんなリラックスは許されないでしょうね。
立って聞くよりこの姿勢のほうが疲れないから集中が途切れないかも。
上の白い人も「もう無理」と言ってるような感じ。
手が黒いのはどうしたのかな?
2014/07/09 [ムー] URL #qiVfkayw [編集] 

* Re: No title

ムーさん、

美術館のような公共の場所で床に座り込むなどと
「行儀の悪い」ことは
日本人にはできそうにないですよね。

「白い人」は現代彫刻で
喉にちょっと気味の悪いグリーンのグジャグジャが付いていて手だけが黒い。
なにを象徴しているのか、私にはわかりませんでした。 (笑)
2014/07/09 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

子供が小学生の頃、こういう美術館のツアーの付き添いに、よくボランティアしてついていき、とても楽しかったのを思い出しました。
「美術館のような公共の場所で床に座り込むなどと行儀の悪いこと」と言われて、ドキッとしてしまいました。
この光景を見てもちっとも違和感がなかったから。
もう私の頭の中もアメリカンなのかな。
2014/07/10 [けろっぴ] URL #- 

*

私は日本に暮らしていますが迂闊にも非常識な事をちょくちょく気付かずにしているのかも、とよく思います。

美術館で床に座るのがどこがおかしいかわかりません。

でも、私が日本でマイナーだという自覚はあります。

普通の日本人は、もっと行儀に厳しいのかもしれません。
2014/07/10 [たま] URL #6moyDOY6 [編集] 

* Re: No title

けろっぴさん、

もちろん私も同じでふだんはアメリカ人の目で世間を見ているから
何の違和感もありません。
ムーさんに言われてあらためて日本人の行儀の良さを思い出したわけです。
ムーさんだってそれが良いとか悪いとかを言ってるのではないのは明らか。

前に「ビールのラッパ飲み」でいろんなコメントが出た、あれと同じですよね。
2014/07/10 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* september3030@live.com

たまさん、

上のけろっぴさんや私のように外国に長く住む人間には
二つの異文化を無意識に使い分けるという習性が備わっているのですよ。
ところが時々失敗することがある。

その例が以前に書いたこの記事です。

http://blog1942.blog132.fc2.com/blog-entry-632.html

2014/07/10 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

わ-そうなのかー、と私も驚きました。
逆驚きって感じです。
美術展に行くと毎度驚くのは見物人の多いことです。
こーんなに絵が好きなんだ日本人!?て感じです。
ほんとうか?と思うほど、前が見えないほど人が多いのです。
東京にいると海外に行く必要がないぐらい有名な絵ががたくさん来ます。
子供のころからずーっと見に行っていますが、
人が多いのは変わらずです。
海外のだけじゃなく日本画でも同じこと。
そんなわけで座ることは念頭にありませんでした。
座ったら見えないんです(笑)

行儀の問題なのかなー、と改めて思いました。
だって私はラフな格好でしゃがんでじっくり見たいもの。


2014/07/11 [ムー] URL #qiVfkayw [編集] 

*

ムーさん、

世界中の名画がこぞって日本へ殺到するのは興業的に儲かるからではないのですか? 
①高い入場料を払って②長蛇の列に何時間も並んだあげく③人々の頭のはるか向こうに名画を見て
④時には実際に鑑賞する時間が数分に限られていたりするそうですが
日本ならではの事なのでしょうか?

①②③④のすべてが私にとっては苦痛でしかありません。
芸術鑑賞者になるより芸術家になる方がずっと面白くて気楽のように私には思えます。(笑)
2014/07/11 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

コメントの投稿

:
:
:
:
:

:
: ブログ管理者以外には非公開コメント

トラックバック:

>>>> http://blog1942.blog132.fc2.com/tb.php/736-79d6756f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)