過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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麻雀の薦め

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この中で2対の同じ牌を判別できますか?



「ねえ、久しぶりに麻雀やろうよ。 日本からカモがネギしょって来てるのよ」
と久しぶりに電話をしてきたのは以前の小料理屋の店主、アイコさんだった。
10年ほど前まではアイコさんの周りに麻雀の常連が常に数人はいて毎週のように卓を囲んでいたのが、彼女が店を人に譲ってリタイアしたあと隣町に家を建てて引っ越してしまってからは、「中国文化研究会」 と'呼んでいたこの集まりは自然解消してしまった。電話で話をするたびに、やりたいね、やろうよ、と言いながらそれがもう長い間実現しなかったのは、古いメンバーがみんな帰国してしまって、最近日本から駐在でこちらに来る若い人たちは麻雀をやらない人がほとんどだったからだ。

アイコさんを取り囲んでいた 「中国文化研究会」 の会員たちはこの地域に会社を持つ日系企業の幹部連中だったから年配の人が多かったが、アイコさんはその男たちよりもずっと歳上でさしずめサロンのマダムの風格があった。そのアイコさんが 「私が麻雀をやるのはボケ防止のためよ」 とよく言っていたが、最近になってその意味がわかってきたような気がする。自分も数年前に仕事をリタイアしてからはあれほど長年にわたって酷使してきた頭脳を使うということがほとんどなくなって、それに連れて日常生活の中で物忘れが少しづつ加速度を増してきたようだ。確実にボケて来ているのに違いない。これはヤバイと思った。体の筋肉は使わないでいるとどんどん衰えていくのと同じで、脳も常に刺激を与えてやらないと退化して機能しなくなるのだろうか。 これは恐ろしいことだ。

アイコさんじゃないけど脳のエクササイズには麻雀は最適のゲームだと思っている。
まずその複雑さの点では、麻雀は世界に類を見ないゲームだといっても異論を唱(とな)える人はいないだろう。52枚のカードでプレイするポーカーやブラックジャックに比べて、麻雀の136牌の組み合わせの可能性はまさに天文学的な数字になる。 一生に同じ手牌は二度とできない、と言われるのはそのせいだった。
しかもその上、麻雀はスピードを要求する。 碁や将棋やチェスと違って長考は許されない。あらゆる可能性を脳が瞬時に計算して判断をくだす訳だから、脳にとってはこれほど恰好のスポーツは無いわけである。
僕もアイコさんに習ってボケ防止のためのエクササイズとして麻雀をせめて1週間に1度はやりたいと思うけれど、それがかないそうにないのは4人揃わなければできないゲームの悲しさである。


***


麻雀で思い出したことがある。
その昔、1960年代の半ばごろ僕が所属していた 「ミュージック・メーカーズ」 が、テレビの 「11PM」 にレギュラー出演していた時のこと。 「麻雀コーナー」 とか呼ばれるスポットがあって、当時のプロ麻雀界の大親分であった小島武夫さんを招いてイカサマ麻雀についてのデモンステレーションをやってもらったことがあった。その時テレビカメラの前で実際に卓を囲んだのは、ゲストの小島武夫に司会の大橋巨泉、それにバンドから選ばれた僕ともう一人だった。 そこで小島さんが牌の詰め込みだとか、入れ替えだとか幾つかのイカサマ師の秘技を実践して見せてくれたあと、大橋巨泉が最後に質問をした。
「小島さんはこの20年、それこそ明けても暮れても麻雀を打つことだけで生きてこられたわけだけど、その年月は無駄なものだったと思いますか?」 (いかにも巨泉らしい質問だ)。
それに対して小島さんの口から出た言葉には考え深いものがあった
「まったく無駄なものだったと思いますよ。」



ギャンブルをしないということが最良のギャンブルだ。
ドイツの古い諺





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コメント:

*

この最後の言葉には思わず「う〜ん」と唸ってしまいました。
確かに一度卓を囲むとそれこそ時間を忘れて、というよりも時間を無視してのめり込んでしまいますからね。いつだったか正月休みの年末年始を全く外にも出ないで麻雀に明け暮れた年があります。

麻雀ではスポーツのように流れに乗る、場の動きってことがあるように思えましたが、そこまでやるとおもしろいことに4人の勝ち負けの差があまり大きくならなかったように思いますが、それはたまたまなのかな?なんにしても「う〜ん」です。
2014/10/28 [川越URL #uvrEXygI [編集] 

* Re: No title

川越さん、

あの60年代に東中野の私のマンションはまるでサロンのようになっていて
誰でもいつでも好きな時に来れるようになっていました。
それで一度麻雀が始まると延々とそれが続き、
仕事に行く奴が抜けたあとには仕事から帰ってきた奴が入ったり
隣の部屋でごろ寝をしている奴を叩き起こしたりして
最後にメンツが足りなくなるまで3日も4日もやりっぱなしでした。

あれは若さの狂気であり一種の中毒ですね。
小島さんじゃないけどあんな時間があったらもっとましなことができたのだろうに、と
思い出すたびに懐かしさと後悔の両方を感じます。
2014/10/28 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

ポンチー麻雀しかできないです。しかも、捨て牌をわざとあっちこっちにぴんぴん飛ばす広東スタイル。
2014/10/28 [micio] URL #O/XG6wUc [編集] 

* Re: No title

micio さん、

チャイナタウンの雀荘を覗いた時に中国人たちがやっているのを見ました。
やらないかと誘われたけど
家族麻雀ならともかくけっこう高いレートでやっているようで
ルールは違うし言葉は通じないしで尻込みをしてしまいました。
2014/10/29 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

2対の同じ牌  判別できました。
私も平均年齢75歳女性だけの仲間と3ない健康麻雀(飲まない 賭けない 吸わない)してます。
男の人にしたら賭けない麻雀なんかできないらしいのですが、私たち初心者はとても、楽しいです。
つい最近四暗刻しました。
ゴルフのホールインワンみたいに何かふるまうべきといわれました(笑)

郊外の住宅地の自治会館では 退職したぬれ落ち葉の男の人たち(失礼)が集って盛況だそうです。
若い人達にはいまは人気がないようです。昔は高校生は当たり前にやってたそうですのに・・・
今テレビでも大人気の塾講師林修の”いつやるか?今でしょ!”の本の中には若者は麻雀をすべきとかいています。

2014/10/29 [okko] URL #v5.i7xGY [編集] 

* 分かっちゃいるけど

>ギャンブルをしないということが最良のギャンブルだ

ドイツの古い諺とすると、これ、ギャンブルはしないのが勝ち、
と言う意味ですか?初めから手を出さないのがベストということ?

それは”分かっちゃいるけど”ね。

男の道楽、飲み(酒)・打つ(博打)・買う(女)、
みんな同じで、手を出さないのが良いと思いますが、
それでは生きるのを止めた方がマシでしょう?
そうでしょう?MR.SEPTEMBER
2014/10/29 [henri8] URL #av6ed.vY [編集] 

* Re: No title

okko さん、

四暗刻、おめでとう!
私は九蓮宝燈(純正)以外の役満は全部やったと思いますが
上がった回数が1番多い役満はやはり四暗刻かもしれません。
途中で鳴きたいのを我慢して手を作るところが試練ですよね。

それと同じで賭けることの効用は
自制心が働くからでしょうね。
金がかかってないと判断が甘くなるのは
人間の悲しい習性です。

今の若い人たちに人気がないのは複雑で難しすぎるからでしょうか?
もっと手っ取り早いゲームが携帯電話などで簡単にどこでも楽しめるから。
2014/10/29 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: 分かっちゃいるけど

henri8 さん、

ドイツ人がもし麻雀を知っていたら
こんな諺は存在しなかったのかも。

飲む、打つ、買う、の打つ(博打)ですが
麻雀はギャンブルというよりもゲームと私は考えます。
あとの2つは、想像にお任せしましょう。
2014/10/29 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

2対の同じ牌?3万と6竹とかの事?
所でここに見えている牌の組み合わせで
1)最高得点の和りは?(天和、地和、人和、は除いて)
2)最高得点の期待出来るテン牌は
3)その次に高い得点の期待出来るテン牌は?
少し簡単過ぎたかな。
2014/11/01 [H.NISHIDA] URL #iOX.yJ.Q [編集] 

* Re: No title

H.NISHIDA さん、

うーん、としばらく考えた。

1)最高得点の上がり
3万を頭にして456か567の3色なら赤5万と赤5筒が入るからこれが最得点?
また、6竹を頭にすれば345の3色でこれも同じ。
一気通貫があるけどこれは赤ドラが1個しか入らないからダメ。

2)最高得点の聴牌
当然、国士無双の13面待ち。

3)その次に高い聴牌
純チャン3色の単騎待ち。

これでどうだろう?
2014/11/03 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

「まだマージャンかー」
スルーしようと思ったけど、せっかくだからちょっと書く。

私の若い時代は男の人はみーんな麻雀好きでした。
ホテルの部屋でやってたら火災報知機が鳴り出したって。
タバコの煙に反応したらしいけど、そこまでか?
しかもテーブルの上のお札で賭博がバレて(笑)
不運にも中に俳優が混じってたので騒ぎが大きくなったとか。

なんだかなー。
私は賭け事一切興味なし。
ジャンケンにも負けるぐらいセンスもない。
子供のころ、隣のうちでトランプして負けて、
涙がジワ~~。
え?私って負けず嫌いだったの?
それからです。
ゲーム嫌いになったのは。

2014/11/03 [ムー] URL #qiVfkayw [編集] 

*

麻雀も将棋も碁も、頭がいい人がやるゲームですよね。
大学院の同級生の男の子が麻雀にはまってしまって( 点1だとかなんだとか)何回かお金を工面してやりました。彼は同じく麻雀好きの奥さんと結婚しました
私はギャンブルを一切しません。ムーさんと同じく、負けず嫌いが強くて、大変なストレスを感じてしまうから楽しめないんです。

そういえば祖父は麻雀賭博でお縄になったことがあります(笑)
まだ私が生まれる前のお話ですので…おそらく半世紀以上前のことかと。
2014/11/04 [nicoURL #KqigePfw [編集] 

* Re: No title

ムーさん、

賭け事に自分を賭けるのは人間の本性じゃないかと私は思うんですよ。
ムーさんのように賭け事に一切興味なし、という人は
その本性に目覚めることがついになかった人か、逆にさんざん賭け事に溺れたあとその値打ちなしと悟った人かの
そのどちらかじゃないかな。

でも渡を過ごすことさえ無ければ日常生活のスパイスにはなりますね。
それと、若いころ必死になって麻雀をやったのは
あれは煩雑な人生からの一時的な完全逃避という意味も大いにあったのだと今になってわかりました。
2014/11/04 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

nico さん、

《同級生の男の子が麻雀にはまってしまって何回かお金を工面してやりました。彼は同じく麻雀好きの奥さんと結婚しました》

この男の子ってまるで学生時代の自分を見るようです。(笑)
もっとも私の場合は結婚した後で妻に麻雀を教えたのですがたちまち私よりうまくなってしまい
ゲームで私が負けると 「あなたってダメねえ」 的な侮蔑の言葉を人の前で吐くのにはかなり傷つきました。
私達の結婚がうまく行かなくなった遠因がこのへんから始まったのじゃないかな
と思っています。(笑)

負けず嫌いなのは私も同じですが私の場合は
自分よりも技量が優れた人に負けるのは納得がいくのです。
むしろ膝を折って教えを乞いたいという謙虚な気持さえあります。
ところが自分よりも劣ると信じていた人に負けることほど悔しいことはありません。
夜も寝られず人知れず枕を涙で濡らす、というのはちょっとオーバーだけど。

これはゲームやギャンブルに限らず、私の場合は、スポーツ(テニス)でも同じだし
もっと言えば写真のコンテストなんかでもそうですね。
2014/11/05 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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