過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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オムライスの夢

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『食事処日本海』 のランチ
鳥取県境港市


オムライスをぱくついている夢を見た。
夢に見るほどオムライスが大好物というわけでもないから、たぶんゆうべ寝る前に境港の叔母と国際電話で1時間ほど話をしたのが起因かもしれない。88歳のこの叔母はオムライスには目がなくて、外へ食事に連れて出ると必ずオムライスしか注文しないのである。オムライスのないレストランへ行くと、とたんに機嫌が悪くなる。

夢に出てきた場所はどこかの浜辺のレストランで、窓の外には夏の海が広がっていた。僕の向かいには一人の女がいてこれもオムライスを食べている。それが誰だったのかどうしても思い出せなかった。最初はてっきり叔母だと思ったが、そうではなくてもっとずっと若い人に違いないのは、彼女の着ている涼しそうな白いワンピースからわかる。その白さが目が覚めたあとでもくっきりと脳に焼きついていた。
あの女は誰だったのだろう?



オムライスは別として(そして白いワンピースも別として)、今度日本へ帰ったらまた必ずやってみたいのは、大衆酒場や食堂の食べ歩きだ。
僕は洒落たビストロや流行を追うレストランにはまったく興味がない。大きな皿の真ん中にちょこっと鼻くそほどのサイズの料理が乗せられたのが目の前に出てくると、何がグルメだ! と腹が立つ僕なのだ。アメリカで暮らしていて夢にまで見るのはそんな気取った、しかも高価な食べ物ではなくて、日本の家庭で毎日の食卓に出てくるような、素朴な旬の味とか昔から伝わる大衆料理だった。

さいわい、インターネットの世界にはそんな情報は豊富に溢れていて、『日本縦断 食べ歩き』 だとか 『サラリーマンの大衆食堂めぐり』 とか 『安くて旨い郷土料理の店』 とかのブログの類は何百と見ることができる。そういう食堂の料理はアメリカで食材さえ手に入れば自分で作れなくはない。などと思うのは僕の傲慢というもので、競争の激しい日本の飲食街で長年お客をつかんできた店の職人さんに敵(かな)うわけがない。しかも目の玉が飛び出るほど安い。(こんな表現があるのかしらん)。

僕がそんなブログの中から一つだけお気に入りのリンクに入れているのが 『立ち呑み店主の日記』 で、これはいつも欠かさないで見ている。
このブログの著者は大阪のミナミで大衆酒場を営む前新聞記者という経歴の人で、食い倒れと言われる大阪の飲食店を、自店の経営の合間にシラミつぶしに食べ歩いては、メニューや料理の写真と店の印象などを載せている。愛すべき関西弁で書かれているのも嬉しい。彼とはコメント欄で数回話をしただけだけど、いつの日か彼の店へひょっこりと姿を現して 「アメリカから来た September30 です。こんにちは」 と言って驚かしたいと思っている。

昨夜の白いワンピースの夢と、今日の 『立ち呑み店主の日記』 の両方に触発されて、今夜はレシピと首っ引きで見よう見まねで初めてのオムライスを作ってみた。
ご飯のケチャップ味がちょっと強すぎたけど、うん、なかなかの出来でした。(自画自賛とはこのこと)
今度米子へ帰ったらオムライスが大好物の叔母に作ってあげよう。


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コメント:

*

こんばんわ、きのう

難波で

すてきな

たちのみに

いったばかりだったので

ぜひ、実現していただきたい!

2015/02/18 [ネコスタ] URL #8l8tEjwk [編集] 

* Re: No title

ネコスタさん、

あの食道楽で生粋の江戸っ子の谷崎潤一郎が
後年になって関東を捨てて関西に住み着いた理由がわかるような気がします。
もちろん食べ物だけではなくて、女、人情、上方文化などに強烈に惹かれたのでしょう。
いつかゆっくりと滞在してうろついてみたい、というのが私の夢です。

2015/02/18 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

うわっ、たまごの焼き方上手ですね。私はなにも料理ができないので、いつも相棒に溜め息をつかれていますので、なんでもさりげなく上手にやれてしまうSeptember30さんが宇宙人のように感じてしまいます。

関西は大阪のナンバ辺りしか知りませんが、初めて行った頃はカルチャーショックでした。今はもうずいぶん変わったとは思いますが、食文化は違いますね。ときどき昔のように食べ歩きをしたいと思い出します。
2015/02/18 [川越URL #uvrEXygI [編集] 

* Re: No title

川越さん、

夫婦というものは片方ができないことをもう片方がやるということで
ちゃんとうまく成り立つようにできているのですよ。
それが両方とも一つのことが同じようにうまくできてしまうと
これはちょっと問題になることもある。

私は川越さんのような食通ではないけど
卵は大好きです。
卵かけご飯なんてしょっちゅうです。
2015/02/18 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

September30さんがオムライスを作る所を想像してみました。
その1
鼻歌うたいながら、
あたりにご飯粒をまき散らしながら、でも順調。
さいごのケチャップで「よしっ!」と見とれる。
すばらしく順調。
その2
ご飯を炒めるところまでは楽勝。
といた卵をフライパンに投入。
「おっとっと」卵が底にくっついた。
「アチアチ」と言いながらどうやらこうやらご飯の上に。
卵焼きの真ん中に穴がある(笑)
そこをケチャップで隠ぺい。

キャベツと福神漬けをそえて(いつもはしない写真用)
カメラを構える。
パシャッ。
 
2015/02/18 [ムー] URL #qiVfkayw [編集] 

* Re: No title

ムーさん、

料理をするのは私にとっては、鼻歌を歌いながらの楽しみなんてものじゃなくてむしろ苦行にちかい。
誰かがやってくれるのなら喜んで任せます。
仕方なしにやってるだけです。
その意味では「その2」のバージョンに非常に近いけど、多少の修正が必要。(笑)

最初の卵焼きは火が強すぎておろおろするうちにすっかり焦がしてしまい、
またまた3個の卵を割ってやりなおし。
今度は完璧にできました。

キャベツと福神漬けは写真用というわけでもないのです。
食堂で出てくるように飾り付けをしたものを食べるのが習慣だから。
そしていつも飾り付けの段階ではすっかり嬉しくなって、そこで初めて鼻歌が出てくる。
料理しながら飲んでいた酒がここで一段と美味しくなる。

でも
こんなに苦労をして作るオムライスが、日本にいれば800円とかでどこでも手軽に食べられて、
しかもずっと美味しい、と思うと
「彼は今さらながら不幸なる星の下に生まれた己を、実にあはれに思ふのであつた。」
と、大正の小説風な感慨になるのです。



2015/02/19 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* 素敵

男料理はいろいろありますが、オムライスを作ってくれたら、うれしいなぁと思います。私、自分で作ったことなんてほとんどないですから。
2015/02/19 [inei-reisanURL #pNQOf01M [編集] 

* Re: 素敵

inei-reisan さん、

なるほど、男料理という言葉があるんだなあ。
無骨で簡単で繊細さには欠けるけど、惚れた女のために心を込めて一生懸命作る料理
という雰囲気がこの言葉にはありますね。
2015/02/19 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

私の父は昨年78歳で「男の料理」教室に通い始めましたよ。デザインの凝った太巻きとか、キレイに盛りつけられたナスの煮浸しの写真が送られてきました。母に様子を聞くと「料理教室と言えば聞こえがいいけど、自己満足よ。家族のスケジュールや健康を考えて毎日3食作れと言ったらできないでしょう。」と、妙に冷めていました(笑)そういえば教室が終了してからは料理の写真は送られてきません。
2015/02/20 [Endless] URL #d2yN2EXI [編集] 

* Re: No title

Endless さん、

長年にわたって家族のスケジュールや健康を考えて
毎日毎日3食作ってこられたお母様にしてみれば
ちょっと心穏やかでないところがあったのかもしれませんね。
「私の料理のどこが不満なのよ」 と。(笑)

お父様にしてみれば、たまには自分が料理をして奥さんの手間を省いてあげたい、
と健気な気持があったのだと思いたいです。
それがいざやってみたら
時間は掛かるは、台所を汚して叱られるは、料理に対する批判はきついは、あと片付けはしないので嫌がられるは、
と、せっかくの創作欲をくじかれてしまったのかも。

Endless さんはどちらの味方だろう?
2015/02/20 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

父はマイペースな人なので母がイライラする様子は想像できるのですが、この時は母が料理を習うようにと勧めた経緯があったので、どちらの肩も持ちませんでした。
2015/02/23 [Endless] URL #d2yN2EXI [編集] 

* Re: No title

Endless さん、

なるほど、賢明にも中立を守ったわけですね。(笑)
しかしお父様も料理の写真を送ってきたということは
きっと娘さんに自慢したかったのでしょう。
2015/02/23 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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