過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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動物好きの絵描きさん 23 ペンギン

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ペンギンたちの行進
By Green Eyes


昨年の我が家のクリスマスカードに使われたこの絵は、皆さんにはなかなか評判が良かったようだ。
あらためてカードではなくてプリントで欲しいという注文がいくつも来て、プリントはもちろん僕の役目である。仕上がったものを眺めていたら、10年ほど前に見た映画を思い出した。

フランス人のリュック・ジャケの制作によるドキュメンタリー映画 『ペンギンたちの行進』 が2005年に公開された時、もうほとんど劇場で映画を見なくなった僕が、待ちきれないようにして見に行った。
この映画は南極大陸に住む皇帝ペンギンの生態を撮ったドキュメンタリーだ。

南極大陸の皇帝ペンギンたちは、夏の間は生息地のすぐそばまで海が来ているので食料の確保には問題はないが、いったん冬に入ると話はまるきり違ってくる。近くの海は完全に凍り詰めてしまうから、凍っていない海まで食べ物を探しに遠征しなければならい。そこまでの距離がいきなり100kmも遠くになってしまうのだ。
皇帝ペンギンのメスは他のペンギンと違って卵を生むのが冬と限られているから、食物を得るために、母親のペンギンは産んだばかりの卵を夫に預けると、100km先の海まで一団となって2か月をかける長い過酷な旅に出る。それがペンギンたちの行進である。

卵を預かる父親は-60℃という寒さの中で卵を抱き続ける。やがて卵が孵化して赤ん坊が生まれても、母親が帰ってくるまでの数か月の間は父親に少量の食料が残されているだけで、それが尽きてしまうともう何も食べるものがない。父親は時には4か月も絶食を続けて体重は半分に減ってしまうこともあった。ようやく帰ってきた母親が初めて自分の赤ん坊と対面して、持ち帰った食べ物を与える。それと入れ替えに、父親は今度は自分と子供のための食料探しの旅へとはるばる100kmの旅へ出るのである。
一夫一婦制のペンギンが、外見では区別の付かない自分のパートナーや子供を見分けるのはすべて鳴き声によるそうだ。1匹のメスを2匹のオスのペンギンが取りあいをしたり、嵐で子供をなくした母親が他の家族の子供を盗んだりするドラマは人間の社会そのままで観客の胸を打った。

アメリカでの公開では全編を通して男優のモーガン・フリーマンの声でナレーションが入っていたけれど、オリジナルのフランス版も日本版、ヨーロッパ版にもそれぞれ自国の声優を使って両親や子供の声が入っているらしい。それを見ていない僕は想像するだけしかないけど、むしろ擬人化しないでモーガン・フリーマンが淡々と渋い声で語るアメリカ版の方がより効果的であるような気がする。
映画を見終わったあとこれはすばらしいものを見たと思っていたら、『ペンギンたちの行進』 はその年のオスカー(ドキュメンタリー部門)を獲得した。アメリカでは興行的にも大成功で、同年に公開されたスピールバーグの 『宇宙戦争』 を抜いて興行収入が1位となった。



march-of-the-penguins.jpg




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コメント:

*

多分ですがこれTVで見ました。
卵を孵化させるするためにだけ吹雪の中を行進するんでしたよね。
母親鳥が帰って来るまで父ペンギンは立ったまま卵を抱える。
この生態には驚き感動し、私の鬼の目にも涙。

似たような映画で「WATARIDORI](邦題)があります。
自分も渡り鳥になったようなカメラワークがすごい。
どうやって撮影したのか不思議です。
空を鳥の仲間になって飛びたいと思ったらこの映画はお薦めです。
Amazonにあります。
コピーできないので興味があったら探してみてください。


2015/02/11 [ムー] URL #qiVfkayw [編集] 

* Re: No title

ムーさん、

『wataridori』 はNetflixにはないようなので
Amazonで探してみますね。
2015/02/11 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

原題は「Le Peuple Migrateur」
英題は「Winged Migration The Travelling Birds」
です。
監督はジャック・ペラン
フランスのドキュメンタリー映画です。
2015/02/12 [ムー] URL #qiVfkayw [編集] 

* Re: No title

ムーさん、

Amazonでは『Wataridori』のタイトルで会員無料のストリームビデオにはなくて
DVDなら売っていました。
$30の値段を見てしばらく考えたけど見送ることにしました。
これなら僕にはGrey Goose の大瓶の方が値打ちがある。(笑)
2015/02/12 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

このドキュメンタリーを初めて見たときはしみじみしてしまいました。なんというか…なんでこんな楽じゃない生態を選んでしまったんだろう?!と思うとともに、それでもその条件に従い黙々と生きてゆくペンギンの姿に、深く考えさせられてしまったのです。生きるためという理由だけで延々氷の大地を歩き続け、やっと海にたどり着いても捕食されてしまったり、せっかく営巣地に戻ってもヒナがいなくなっていたり。切なかったです。

WATARIDORIは私も観ました。素晴らしいドキュメンタリーですよ。でも、$30は確かに微妙な価格ですね(笑)
一度みて、どうしてもあれを自分の家の大型液晶テレビでも鑑賞したいという人向けだと思います。
そういえば、先日お邪魔したロングモントの豪邸には、巨大な液晶テレビがありました。そのお宅はアイルランド系のご主人とウェールズ出身の奥さんからして何もかもが大きいので、インチ数はさほど気にならなかったのですが…(映画でしかみたことないような、ながーいディナーテーブルでディナーをいただきました。キッチンも広くて、アタシはここのキッチンだけで十分暮らせると思うほど。なぜあんなに広いんでしょう)今思うと、日本ではなかなかお目にかかれない大きさのテレビでした。あれでいったいどんなものを鑑賞なさっているのか。気になるところです。
2015/02/12 [nico] URL #- 

*

そうですね、同感です(笑)
2015/02/12 [ムー] URL #qiVfkayw [編集] 

* Re: No title

nico さん、

若いころにはほとんど興味がなかったのに
最近はノンフィクションの本を読んだりドキュメンタリーのフィルムをよく見ていて
映画でも、歴史や事実に基づいた物語だと興味倍増です。

『ペンギンたちの行進』にしても『WATARIDORI』にしてもフランス人の制作というのは偶然なのか
それとも、あの大先輩のジャック・クストーを持つフランス人は
自然界の記録ということにことさらユニークな才能をもつ民族なのか
なんて考えてしまいました。

アメリカの家庭ではベースメントなどにfamily roomとかplay roomとか呼ばれる
家族全員がくつろげる部屋を持つことが多く
そこには大型のテレビを置いているようですね。
nicoさんが訪問された豪宅には
撞球室とか、食後に男性が葉巻を楽しむラウンジとかもありそうじゃないですか。

2015/02/13 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

ムーさん、

同じ鳥でも渡り鳥の生態よりアルコールのガチョウを選ぶなんて
これって堕落かな。(笑)
2015/02/13 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* ペンギンの散歩写真あり

September30さま

 かなり前の投稿記事ですが、一寸お報せがあります。
 北海道の旭川市内にある旭山動物園にて、冬場の恒例行事として、ペンギンたちの園内散歩があります。ペンギンの周囲を外国人観光客達がわんさと取り囲み、デジカメで彼らの散歩を日本土産の画像に記録して御帰りになる----と云う盛況振りです。

 例に依って、検索要素のみお報せします。

[ほのぼのノリかめ日記、ペンギンの散歩・旭山動物園、2015/02/12]

 極寒の地で毎年、熾烈な生存闘争に追われる「ペンギンの行進動画」よりはまだしも、こちらの方が眺めていても救われるでしょう。厳冬の期間も温暖な屋内にて暖衣飽食の暮らしを送れるのであれば、鑑賞者の良心が痛まない範囲で無理せずに、動物達のささやかな喜びを分かち合いましょう。
 お元気で。
2015/05/25 [Yozakura] URL #Y2lB8pKc [編集] 

* Re: ペンギンの散歩写真あり

Yozakura さん、

いつもありがとうございます。
さっそく検索してみましょう。
2015/05/25 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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