過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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花信 その三

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風に揺れる


きのうは朝から晴れて暖かく、気温が26℃まで上がったのに、一日中、風が強かった。
窓の外で、揺れに揺れる枝垂れ桜。 満開を迎えたばかりというのに、この今日の風で散ってしまうとは、花の命はなんと儚(はかな)いものだろうと思った。 そして、散る前の艶(あで)やかな楊貴妃を写真にしなかったことを後悔した。

ところがである。
よく見ると、これだけ強い風の中で、桜の花びらが只の1枚も宙に舞っていないのに気がついた。 長く垂れ下がった枝々が、絶え間なく吹きつける風に激しく蹂躙されながらも、命ある花々をしっかり抱きかかえて離さないようだった。
ああ、これならまだだいじょうぶ。 と僕は安心する。


そして日が変わった今日。
僕は今年最後になるだろう美しい楊貴妃を、写真に収めた。
このあとは、雨に打たれたり風に吹かれたりするたびに、一日一日と衰えてゆくだろう女の姿を、無残に記録に残すつもりは、僕にはない。


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絢爛





こうして毎日のように、隣家の枝垂れ桜を飽きもせずに眺めてきたのは僕だけではなかった。
我が家の荒れ庭に住む、2匹の兎もそうだった。 うちに来た頃は抜けるように色が白かったのに、今は風雨に晒されてすっかり、グレーの兎になってしまった。 可哀相に…
今年は、もう一度白く塗ってやろう。


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石段の兎




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楓の木の下で




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コメント:

* おっかけ

綺麗な花を見ることができて、私もよかったとおもいました。前回の雪の写真すごく気に入っていたのですが、毎年こんな思いがあったとは!私も昨日公園でたくさんの花を見ました。冷たい風が、彼らを揺らしていたけども、すごくさむかったのに、見ただけで暖かいというか、なんというか、春の気持ちになりました。一年に一回の楽しみですよね。 ただ桜の下でバーベキューモクモクはぜひやめてほしい!ドイツ人達よ!
2015/04/20 [inei-reisanURL #pNQOf01M [編集] 

*

「風に揺れる」の写真!
いいですねー!!
風と桜のマリアージュ?なんつって(笑)
2015/04/20 [ムー] URL #qiVfkayw [編集] 

* Re: おっかけ

inei-reisan さん、

そう言われてみると、隣家の枝垂れ桜だけではなくて
よく歩く犬の散歩コースにも、毎年気にしている花が幾つかあります。
薔薇の垣根、モクレンの庭、水仙の池、など。
とくにこの水仙の池は見事な眺めで、ある大邸宅の広い庭一面に水仙が咲き
池には白鳥や黒鳥がいて、春先には遠くから見に来る人たちもいます。

桜の下のバーベキュー。
「花より団子」 は日本だけじゃなかったか。(笑)
2015/04/20 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: No title

ムーさん、

あの写真、撮りながらルノワールの花の絵が頭にあったんだけど…
2015/04/20 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* 兎と信楽狸

日本では縁起物として、庭には信楽狸など置きますが、
そちらの兎さんは何か意味はありますか?
2015/04/20 [henri8] URL #av6ed.vY [編集] 

* Re: 兎と信楽狸

henri8 さん、

そういえば、酒徳利と通帳を下げた狸は私も日本でよく見た覚えがあります。
こちらの兎は、リス、子犬、アヒル、などとともにただの可愛い置物で
狸のように縁起物という意味はないと思います。

以前は、召使の服を着た黒人の人形などもあったけど
さすがにこれはもう見られなくなりました。
2015/04/20 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* 家族の歴史

テラス側の庭にはさくらんぼの木が2本あり、それと10年ほど前に植えたソメイヨシノが1本
更に表の庭に去年ソメイヨシノを1本植えました

ソメイヨシノは終わりましたが、さくらんぼの木が満開です
樹齢は私とほぼ同じ

ここに引っ越して10年目くらいかな、1本の木の枝がコケに覆われ、
住んでいる州のかなりのさくらんぼの木も同じ病気にかかり
庭師に殆どの枝を下ろしてもらい、見るも哀れな姿になりました
その後少しずつ枝も増えてきて、何とか元の姿に戻りました
もう1本は去年全く花が付かなくて、思い切ってすっきり枝を下ろしました
小ぶりになった今年の木に見事にぎっしりと花が咲いています

子供2人が木の下でままごとをしたことや息子の木登り
2本の木の間にハンモックを吊り、棒のアイスをなめていた娘の至福な時間

家に子供の姿がなくなり
毎年の家族4人での写真撮影を花の下で、という事もなくなり寂しい思いでした
ところが今孫娘が枝に吊ったブランコに座っています

さくらんぼの木はソメイヨシノと違い、花と葉桜の時期が重なるのです
夕方の30分弱、薄暗くなった頃に葉が闇に沈み、浮かび上がる花は幻想的です
それをワインでもなめながら見る、そういう時間の余裕も出来ました

この2本の木に家族の歴史を感じます
2015/04/22 [のほほん] URL #60nqeuCY [編集] 

* Re: 家族の歴史

のほほんさん、

子供さん達が育った家の樹や花は、
彼らの生涯を通じて心に残り、その記憶はきっと消えることはないと思いますよ。

そういう私だって
幼年時代を過ごした、あの麹町裏の家の小さな庭の
赤いグミの木は、忘れません。
そのあと引っ越しをして住んだのが、あのY幼稚園の園舎で
すぐ前に小さな川が流れ、その脇にある夾竹桃の花や
園内の砂場を覆っていた藤棚の藤の花、など
今もハッキリと、目にあります。

のほほんさんが、あのY幼稚園へ通う頃には
あの川も埋められて夾竹桃は無くなり、藤棚も取り払われて、新園舎が建っていたはずですね。
またまたそれから何十年…
前回の帰郷であそこへ行ってみました。
すべてが消えてコンクリートが敷き詰められ、そこは駐車場になっていました。

2015/04/22 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

Y幼稚園の砂場を覆っていた藤棚は記憶にあります
いえ、それが記憶にあるのではなく、
そこで写真をとってもらい
それを見て、藤棚があったのだと記憶しているつもりになっているのですが

消費税が上がる直前にかなりの家屋を駆け込みで業者に更地にさせたため
あの辺りは風通しが良すぎるくらいです
2015/04/22 [のほほん] URL #60nqeuCY [編集] 

* Re: No title

のほほんさん、

自分では覚えているつもりのものも
実は写真で見ただけだったり、人にその話を聞かされたものだといいうのは、よくあります。
思い出とはそんなものかもしれません。

2015/04/22 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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