過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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このところ、気になること - 写真のレシピ(18)

T08japan276-blognosharp.jpg

マー坊の焼き物たち
松江市



まずはこの写真をよーく見てもらおう。
これは僕の友人で出雲の陶芸家、まあ坊(石田充弘氏)の作品群を彼のアトリエで撮ったもの。
この写真を見て、どこかどうしても気になる点がありませんか?
もちろん、マー坊の作品の形とか色とか好き嫌いとかではなくて、画像そのものに関してのこと。



そう。
画像がシャープじゃない、と答えた人がもしいれば正解で、 その人はいい眼をもっている。
それに気がつかなかった人は、たぶん現在インターネット上に限りなく氾濫する不鮮明なイメージにすっかり慣れきって不感症になった人か、あるいは生まれつきそんな事を全然気にかけない人かのどちらかだろう。

毎日のように目にするブログやフェイスブックには、なんと膨大な数の写真が溢れていることか。 ところがそのほとんどが、画像編集されることなく、カメラから出てきたままの不完全なイメージを世界中に蔓延しているのは、実に驚くばかりだ。 そしてとても気になる。 そんな中で良い写真に出会ったりすると、ウェブで公開する前にちょっとだけ時間を取って手を加えれやれば、もっとずっと良くなるのに、と人ごとながら残念に思ってしまう。

なかでもとくに気になるのは、画像の不鮮明さだった。
カメラに撮影された jpg の画像は、カメラからPCに導入され、さらにウェブサイトに載せるためにサイズが縮小される、というプロセスを経るわけだが、そういうプロセスの途中で、画像のシャープさはどんどん失われていく。 最近のカメラは撮影の段階で自動的にカメラ内でシャープのフィルターがかかるようになっているとしても、それだけでは十分ではない。 それで安心してしまってはいけない、ということを考えたことがあるだろうか? 
カメラに収められたすべての画像は、その最終段階としての目的がプリントであろうとモニター上で見るウェブサイトであろうと、例外なく最終的にシャープのフィルターをかけてやらなければならない。 そして厳密に言えばそのフィルターのかけ具合は、プリントとウェブでは違うし、個々の画像ファイルによっても違うのである。
「そんなことやってられるか!」 の声が聞こえてきそうなので、それじゃあ一歩譲って僕が言いたいのは.....
とにかく一定に決められたシャープフィルターで構わないから、ウェブに載せる前に必ずそのフィルターを通してみて欲しい、ということだ。 それだけで写真が生き生きとしてくることを保証します。

もちろん、すべての写真は隅から隅まで鮮明でなければならない、などと言っているわけではない。 ことに最近の写真(とくに日本人の写真)は、やわらかなボケを生かした中に、一点だけキッチリと焦点があたっている、というのがトレンドになっているようで、ネットでお目にかかる写真のほとんどがそれである。 個々のレンズの個性をよく理解して、憎いほど上手にボケを表現した写真ほど美しいものはないと思う。 しかしそれは、どこか一点に正確に焦点があっていてこそ、周囲のボケが生きてくるわけなのだ。 そしてその焦点は目に鮮明に、シャープに映らなければ意味が無い。 それ無しには、撮影者の意図がどこにあるのかわからない只のピンボケ写真になってしまう。
画像をシャープにするのには、なにもフォトショップのような専門的な画像処理ソフトを使う必要はない。 今どきの写真編集ソフトには、どんな簡単な初歩者向きのものにもシャープの機能は必ず含まれているからだ。


冒頭の写真はカメラから引き出したままのもの。 そして下の写真がフォトショップ内でスマートシャープのフィルターをかけたものである。 比較を容易にするために、シャープでない写真をもう一度その下に並べてみた。 こうしてサイド・バイ・サイドで見ると、その違いがハッキリとわかる。


T08japan276-newsharpblog2.jpg

T08japan276-blognosharp.jpg




最後に一つだけ注意を促したいのは、シャープのフィルターは、やり過ぎないようにしよう。
とたんに画像が汚くなって不自然なものになってしまうからだ。
そう、
何事にも中庸が肝心でござるぞよ。






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コメント:

*

こんにちは。

逆に実体感の無さを表現したいときに、ボケたままの写真にするというのもありなのでしょうか。
2015/06/01 [micio] URL #O/XG6wUc [編集] 

* Re: タイトルなし

micio さん、こんにちは。

意図的にルールを無視する、のは大いにありですよ。
たとえば下の記事のトップの写真「風に揺れる」のように、
わざと手ブレをさせて焦点の無いボケた写真にしたのは
風に揺れる枝を表現したかったのと、
個々の花ではなく全体の木が一つの大きなピンクの塊として存在していた、という
二つの理由があったのです。

http://blog1942.blog132.fc2.com/blog-entry-825.html



2015/06/01 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* さじ加減

スマートフォンのカメラの性能の向上とスマートフォンのアプリケーションの利便性から、撮って直ぐにwebにアップロードという流れが主流になっていますからね。
僕は利便性のトップバッターであるSNSにでも適当な物は添付しないでいようとしているので、ちゃんと“カメラ”で撮ってLightroomで処理してからアップロードしています。
もちろん、jpeg出力時にシャープネスの設定を適用しています!
2015/06/07 [バナOKAURL #3un.pJ2M [編集] 

* Re: さじ加減

バナOKA さん、

そう言われてみて、改めて実感したのは
現代の日本人の生活は携帯電話を軸にして回っているのでしたね。
アメリカも遅ればせながらそうなりつつあるようです。

携帯で撮った写真をそのままウェブにアップロードするのに私はどうしても抵抗があります。
古風と笑われるでしょうが、人様に見せるものはどんなものでも一応ちゃんとしなきゃ、と思っちゃうんですね。
それに私は今ではちゃんとカメラで撮るものは、日常のスナップショットも含めてすべてrawのフォマットにしているので
その現像から事後処理が始まる以上、すべての画像に「手を加え」ないわけにはいかないのです。
そしてそのプロセスを楽しんでいるというのが本音ですが....
2015/06/07 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* おおお!

Septemberさん、こんにちは。御無沙汰しております。
こんな機能があるのですね!「どんな初歩者向きのものにも」という言葉に押されて探してみたら、私が使っているソフト(Windowsに無料でついているもの)にもちゃんとありました。私も「うーん、いまいち鮮明さがないなあ・・・」と思いながらも、「デジカメはそんなものだ」と諦めて慣れてしまっていました。
どうも有難うございました!
2015/07/06 [どくとるくま] URL #m.2.LkcQ [編集] 

* Re: おおお!

どくとるくまさん、こんにちは。

ソフトを使ってシャープをかけてやる時には、
少しかけ過ぎかなあ、と思うくらいが実際のウェブ上にはちょうど良く見える
ということを試行錯誤して発見しました。
メールに写真を添付して送る時も同じです。
ただしプリントにする場合は、そこまでかけ過ぎないように気をつけてくださいね。
2015/07/07 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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