過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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人のいない風景 (4/4)



遠い太鼓に誘われて
私は長い旅に出た
古い外套に身を包み
すべてをあとに残して

- トルコの古い唄 -




lost river-blog

29
Concord, Massachusetts 1980








T07snow15-blog.jpg

30
Oakwood, Ohio 2007








Image0278-blog2.jpg

31
Seattle, Washington 1976








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32
Dayton, Ohio 1986








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33
Boston 1979








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34
Cincinnati 2007








T06pro170-blog.jpg

35
Beaumes de Venice, France 2006








T77bigboat-blognew.jpg

36
Winthrop, Massachusetts 1977








Image0120-blog.jpg

37
Dayton, Ohio 2004








T71shadows-blog2.jpg

38
New York City 1971



*****






あと書き

4回に分けて掲載したこの 『人のいない風景』 の38枚のモノクロ写真は、その大部分が過去のブログで既に公開済みのものだということに、読者は気付かれたことと思う。 同じ写真を二度は載せないというルールを、一応は原則として守ってきた僕が、今回はそのルールを完全に無視してこのシリーズに取り組んだのには、実は理由があった。

ふだんのブログでその冒頭に来る写真は、その後に続く文章と直接あるいは間接に関係があって、全体の記事の中では単に挿絵的な役割を果たしているにすぎない。 いわば脇役だ。 時には写真が主役を演じることがあっても、そのあとには僕という作者による解釈とか説明の文章が続くから、見る人は最初から作者の意図や情感を押し売りされているわけだ。
このシリーズで僕が試したかったのは、そういう一連の映像だけを、説明やキャプション無しにいきなり読者の前に投げ出してみることで、写真とそれを見る人との一対一の素朴な対決を期待したわけである。 だから個々の写真にはタイトルさえ付けず(タイトルも作者の押し売りだから)、見る人の自由な解釈を促したつもりである。 (最小限の情報として、撮影地と年度だけを付けた)。
ここに集めた写真たちを1枚1枚見ていくのは、ちょうど展覧会場の壁にかかる作品を次から次へと見てゆくのと同じだし、写真集のページを一枚ずつめくっていく作業にも似ている。

『人のいない風景』 と取り組んだこの数週間は実に楽しかった。
以前の画像をそのまま引っ張ってくれば、数時間もかからないで簡単に終わってしまうプロジェクトだったが、それをしないで一枚一枚を最初から創り直したからだ。 4年前に撮ったものも40年前に撮ったものも、すべて新鮮な気持ちで時間をかけて挑戦した。 その楽しさは、ちょうど個展を開く前にあれこれと作品を準備して、納得がいくまで何度も何度もプリントし直す、あの楽しさと変わらなかった。
そして最後に、過去に仕上げたそれぞれの写真と、今回の新しいバージョンとをサイド・バイ・サイドで比べて見ると、その違いは作者でなければ見分けがつかないほど微妙なものから、驚くほど変わってしまっているものまで、さまざまだったが、それは当然の結果だろう。 時も変われば自分も変わった。 あの長い旅の途中で邂逅した、これらの寂しい風景に向かってシャッターを切った時の自分と、現在の自分との間には大きな隔たりがあった。 そう考えれば、 これらの38枚の写真は、少なくとも僕にとってはまったく新しい作品と言えると思う。

最終回を終えた今、僕は個展を終えた時のあの充足感に浸されている。





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コメント:

*

September さん、ご苦労様でした。
今回のシリーズでも、記憶に残る写真が殆どです。雪景色好きの私は、縦位置のボストンの通りの雪景色やらを思い出しますが、Oakwood2007、また蝶のように舞う白いドレス、Boston1979、そしてシュールな絵画作品、New York City1971、等鮮明に網膜にフォーカスが重なりました。楽しませて頂きました。
2015/06/17 [pescecrudoURL #j9tLw1Y2 [編集] 

*

September氏の写真にはストーリーがあって(実際のストーリーと妄想のストーリー)、いろいろと想像をかきたてられるところが好きです。
それと、何故だか枠の外が気になる写真が多いのですよ。
写真の中に別の世界が広がっていて、ちょっとまばたきをしている間になにかがコソッと動いたりしているんじゃないかと。
2015/06/17 [micio] URL #O/XG6wUc [編集] 

* Re: タイトルなし

ペさん、

ありがとうございます。
何十枚という写真を一方的に見せられた読者にこそ
ご苦労様でした、とこちらから言いたいです。

こういうフィードバックを頂くことが、とても励みになります。
同じようにしてまた新しいシリーズを始めるかもしれません。

2015/06/17 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: タイトルなし

micio さん、

お帰りなさい。
イタリアでは情熱的なロミオとの出会いがありましたか?

私の写真にストーリーがあるというより、
micio さんが自分のストーリーを写真の中に見ているのだと思います。
そのためには写真と、それを見る人の周波数が合わなければできないことで
私達の場合は、それがぴったり重なることが多いのかもしれませんね。

写真の枠の外が気になる、というのは作者にとっては最大の賛辞と受け取ります。
現実を小さな四角に切り取って、その中にいろんなものを詰め込む、あるいは逆にそこからいろんなものを省く、のが写真だから
それが枠の外にまで広がっていくとしたら、こんなに嬉しいことはありません。(ホクホク)
過分な褒め言葉です。どうもありがとう。
2015/06/17 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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