過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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太郎の手袋

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雪の森へ


雪になるという予報が当たった。
今朝起き抜けに外を見るとそこには白の世界があった。 ふだん見慣れている風景が驚くほど新鮮に目に映る。 今年の冬に初めて雪らしい雪が降ったのだ。 よし、となんとなく浮き浮きして出かける準備をする。 雪の森へ。
アウディにはしばらく前にスノータイヤを履かせたばかりだし、自分もジーンズの下にスパッツを履いて(これは日本からM子さんが送ってくれたもの) 上はフラノのシャツにセーターの重ね着、その上にさらにスウェードのコートを着て長いマフラーを首に巻きつける。 何しろ外は零下15度の寒さなのだ。 ただし、靴だけはふだんのスリッポン。 というのは足を窮屈に締めつけるあのブーツというやつに僕は先天的な拒否感があって、昔から雪の中でもブーツを履いたことがない。 あとはボルサリーノの帽子をかぶり最後に手袋をすれば、雪の森へ入る準備は整ってしまう。

手袋といえば僕は何組かもっている。 厚手の革製のものや太い毛糸で編まれたやつ、それにエスキモーが着用するようなごついミトンなどを長年使ってきたけれど、そのどれにもいつも不便を感じたのは、カメラを操作するたびにいちいち脱がなければならなかったからだ。 1度など、ラップシンガーが着用するような指先だけ外にでるようなやつを試してみたことがあるが、これはたしかにカメラの操作には便利とはいえ、氷点下の寒さの中では指先が凍ってしまい使い物にならなかった。
それが、2年ほど前から愛用しているこの手袋はすごく気に入って、今ではもうこれ以外をまったく使わなくなってしまっていた。 それは濃い茶色の、薄くて驚くほどしなやかな上質の皮でできていて、内側はウールのライニングが付いている。 手にはめると5本の指先にピッタリと密着するので、そのままでカメラ操作だけではなく大抵のことはなんでもできるのは。便利この上もない。

この手袋は息子の太郎のものだったのを、ある時、家に忘れて行ったので試しに手にはめてみたら、びっくりするくらい具合が良いのですっかり惚れ込んでしまい、そのまま略奪してしまった。 代わりに僕のものを使えと言ってみたのに、もともと手袋を好きではないらしい太郎はそれもしなかった。 それでも僕がかなりの罪悪感を感じたのは、実はその高価な手袋は太郎のガールフレンドからの贈り物だったからである。
その女の子と太郎は、2年ぐらいつき合ったあと別れてしまった。
心を込めた贈り物を父親に譲ってしまうような無神経な男だから、というのが原因というわけでもなさそうだけれど、一方的に息子から手袋を取り上げてしまった父親の僕としては、なんとなく後味の悪い話だった。 だから今でもこの手袋を手に取る時によく彼女のことを思い出す。
かんじんの息子の方は過去の恋人のことなんかもう忘れてしまったかのように、最近になって新しく知り合った女の子とのデートに忙しい。



手套を脱ぐ手ふと 休(や)む 何やらむ こころかすめし思ひ出のあり
石川啄木



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コメント:

*

この写真とても好きです。

あら、愛用していただいて良かった!
⚪︎⚪︎クロの、⚪︎ートテックですね!

私の手袋は親指と人差し指に穴が開いてて、指を出すとスマホが使えて、終わると帽子みたいに被せる、ふざけたデザインです。

便利ですが、息子に言わせると、、ダサい!



2016/01/14 [M子です。] URL #6moyDOY6 [編集] 

*

私も、このお写真気に入りました。綺麗ですね。
そちらは、マイナス15度ですか?こちらは、マイナス9度です。
昨日は、今年初めてのスノーストームでした。
太郎さんの手袋、いいじゃないですか。お父様が、気に入ってしまったのだから。私も、太郎さんの手袋のような高級品の手袋ではないのですが、息子のガールフレンドが彼にプレゼントしてくれた(おそらくクリスマスギフト)大学のロゴ入りの手袋をちゃっかりもらっちゃいました(笑)息子、何も言わない。
雪投げするのに、もってこいの手袋なんですよ。あと、この手袋で、猫達が遊んでいますね。非常に便利な手袋です。
失礼ですが、M子さんから頂いた品物はスパッツのようですが、ももひきじゃないですよね(笑)
2016/01/14 [キャットラヴァーURL #mQop/nM. [編集] 

* Re: タイトルなし

M子さん、

黒とグレーの2着を送ってくれたのは、あれは2年前?
それとももう3年前になるのかな。
まだ健在で、冬にはとても重宝しています。
あらためてありがとうと言いましょう。

指先が帽子になってる手袋なんてなーるほどと思いました。
周りで見たことがないのはあれは日本人の発明なのだろうか?
それとも、僕がそういうことに疎いだけ?

僕が息子から取り上げたおふらんす製の手袋はぴっちりとセクシーに手を包んでくれて
はめたままで財布から金の出し入れもできるし
鍵束から鍵を選んだり、公園のベンチで本を読む時にちゃんとページもめくれます。
しかも、車の中でスイッチ類の細かな操作もできるし、それに第一ハンドルに掛ける手が滑らなくて
運転が非常にやりやすい。
ただ、いつ失くすかが問題。
2016/01/14 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* Re: タイトルなし

キャットラヴァーさん、

スパッツとももひきは原則的には同じものだと思っていたけど
違うんでしょうか?

20代の頃に東京に住んでいた時は、スパッツなるものはまだ存在していなくて
黒いタイツを着用したこともあるけど
あれは足の部分がどうやればちゃんと前後ろになるのか難しかった。
しかもサイズが合わないと、つまり小さすぎると股下に空洞ができてしまい
そこの部分でズボンが行き止まりになってしまうので上までズボンが上がらない。
しかたがないのでタイツの股の部分を切り裂いて穿いたものです。(笑)
今になって考えてみば
足の部分をちょん切ってスパッツにしてしまえばよかったんですよね。(笑)
2016/01/14 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

他人に話したことは無かったけど、
私にとっては、手袋とタイツの股間問題は重要です。
September30さんのタイツのように、
手袋もタイツも股間が隙間になるんです。
タイツやストッキングは物が伸びるからロングサイズを買えばいいけど、
革手袋は指の股間に隙間が出来て、
あれぐらい気持ちの悪いものは無くて、
試しにメンズのをはめてみたら幅が広くてこれもダメ。

そのエレガントでセクシーな薄手の革手袋!
手放しちゃだめですよ~~

それにしてもタイツの股の所を切り裂いてって(笑)
その発想は無かったなーーー。



2016/01/14 [ムー] URL #qiVfkayw [編集] 

* Re: タイトルなし

ムーさん、

手袋の指の股間にすき間ができるというのは
さぞかし気持ち悪いだろうなあとその感じはよくわかります。
タイツと同じでサイズが小さすぎるんでしょう。
でも僕にはその経験がない。
というのは
アメリカで買う手袋は日本人の僕の手には必ず大きすぎるから。

そのかわり、
指先が余ってしまいごわごわ、とうのはあれはあれで実に困りもの。
まるでコンドームの先っちょのようになってしまうんです。(笑)
下品な比較でごめんなさい。
2016/01/15 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* お母さん、僕のあの帽子どうしたんでしょうねえ

本日9月30日、日系企業にとっては年度の上半期末にあたり、僕の所属する経理部も決算書でてんてこ舞いになります。なんか他にも、大事な日だったような気もするのですが、それどころではなく。

で、本社からの駐在員の交代も3月末ほどではないですが、一部行われたりします。寂しくもあり、サポートする立場としては面倒でもあり。

数年前の9月30日、どういう事情でか赴任後半年で若い独身駐在さんが帰国されました。出社すると、僕の机の上に紙袋があり、開けてみると、「本日で帰任します。のび太さんには、いろいろお世話になりました。よければお使いください」とのメモと、開けていないコンドーム五箱。

12 x 5 = 60、日本から持ってこられたのはこれだけではないとして、アメリカで何人斬りするつもりだったのでしょうか。若いっていいですね。

掲題は、森村誠一の「人間の証明」でも使われた西条八十の有名な詩の冒頭です。確か、こう続いたような、

ええ、アメリカに着いたら、夜の駐在もがんばろうと
たくさん日本から持ってきたあのゴム帽子ですよ

あっ、ここで、思い出しました。今日は我らが千人斬りさんの、大切な日。誕生日おめでとうございます。
2016/09/30 [November 17] URL #- 

* Re: お母さん、僕のあの帽子どうしたんでしょうねえ

November さん、

誕生日おめでとうと言われても
素直にありがとうと言えない歳になってしまってる。
何がめでたいんだ、と反発したくなる。
ご愁傷様です、と言われる方が自分の気持にはぴったり。

ゴム帽子といえば
今回の引っ越しでいろいろと整理した中にその箱が出てきたんだよね。
夫婦間で使った記憶はないからたぶん、ずっと以前に日本へ行った時に持参して
使い切れずにそのまま残ったもののようだ。
どこでどう使ったのかは鮮明に覚えているから
まだそれほどボケてはいないと思う。(笑)
賞味期間?がはるかに過ぎたゴム帽子を見るのは悲しいことだ。
2016/09/30 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* ゴム帽子が無駄になり、熱帯雨林の伐採を憂う

Septemberさんのブログ読者、百万人から僕をのぞいた99万9千9百99人の方々はそうした心情をわきまえてらっしゃったていうことですね、さすが。毎度、すつれいしました。僕は十数年経っても、一緒の会社にいた頃の、「今日は、おれっちの誕生日だから、仕事はこれぐらいで引き上げて、飲みに行こう」ののりが忘れないようで、まだ。

ゴム帽子というと、70年代のアメリカコメディ映画に「Fun with Dick and Jane」てのがあって(確か今世紀に再映画化)、どうでもいい映画でしたが、なぜかよく覚えているシーンがあります。

旦那のDick (George Segal)さんが失業してしまい、Jane Fonda扮する妻のJaneさんともども金に困り果ててしまいます。やむを得ず、夫婦でドラッグストア?かなんかに、強盗に入ったのですが、Dickさんがパンツに隠したピストルを取り出そうとして、股間をもぞもぞしていると、店員が勘違いしてしまい、「いらっしゃいませ、何かお探しですか、あっ、これですね」と、コンドームの箱をカウンターにならべるはじめる。で、二人は仕方なしに大量に買い込んでしまう、、、その夜、悔し紛れに、Dickさんが自分のDickにそれをかぶせてお楽しみってなシーンはありませんでしたが。

で、Septemberさんの会社にいた頃、Maryさんという同僚がいたのですが、雑談中に、そのシーンを紹介したら、大笑いしてくれました。お返しにと、彼女はこんなジョークを紹介してくれました。

ドラッグストアのカウンターに若くてムチムチした女性の店員がいます。ブラウスのボタンは、当然がごとく、上から三つ目まで外されており。

年配のビジネスマン風の客が来て、「ゴ、ゴムください」
店員「サイズは?」
サラリーマン「普通かな、いや、ええと、、、」
店員「ご存じなければ、拝見させてもらってよろしいですか。ちょっと失礼します」
店員さんははちらっと見てから、マイクを取って、(在庫担当のボブに)「カウンターに、コンドームSをお願い」

次に、中年の大男の客が来て、「ゴ、ゴムください」
店員「サイズは、大ですか」
大男「はい、あっ、いや、、、」
店員さんはまたちらっと見せてもらってから、マイクを取って、「カウンターに、コンドームMをお願い」

十代の客が来て、「ゴ、ゴ、ゴ、ゴムください」
店員「サイズは?」
若者「買うのは初めてなので、ええと」
店員さんはちょっと失礼と、前かがみになったところで、カウンターのマイクを取って、「ボブ、カウンターにモップを持ってきて、早く、お願い」

Maryさん、そういうシモネタをたくさん持っていて、僕らを笑わせてくれましたが、入社一年でリストラにあってしまい。その後どうしているんでしょうね。

2016/10/03 [November 17] URL #- 

* Re: ゴム帽子が無駄になり、熱帯雨林の伐採を憂う

November さん、

会社の同僚だったというその Mary という女性には
僕は全く記憶が無いんだけど。
よく考えたらこれはのび太君の居たコロンバス支社の話だったのだろうね。

女性を含めての猥談というのは実に味があって
僕は大好きだ。
これは男女ともある程度の年齢に達していないとなかなかできないものだ。
当然ながら若い女性よりも経験豊富な熟女のほうがずっと楽しい。

秋の夜長を酒を飲みながら、男女交えての猥談パーティをぜひやってみたいものだ。
その時はのび太くんにも声を掛けよう。
遅ればせながらようやくその年令に達したようだからね。
2016/10/04 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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