過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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引っ越し嫌いの僕だけど…

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雨の葉桜



雨の日の朝、隣家の枝垂れ桜がびっしりと若葉をつけているのを見て、嬉しくなる。
しばらく前に満開の花を見ていた時には、その風情がなんとなく元気がなく、花の数も少なめで爛漫という感じからは遠かった。 やはり老樹だから仕方がないのだろう、人と同じで盛りを過ぎればあとは衰えていくのを待つだけなのかと、寂しい気持ちにさせられたばかりだったから、こうして隣家も空も見えないほど隙間なく密に茂った元気な葉桜は、僕を喜ばせた。

こうやって窓越しに隣家の枝垂れ桜を眺めるのは今年が最後かもしれない。
というのは、わが家では引っ越しの話がまたまた持ちあがっていて、もうすでに幾つかのアパートを見に行っている。 そのどれも高層ビルの中の住居で庭もポーチも無い、 (ベランダは付いているけど)。 われわれが最低条件に上げているのは、うんと広いリビングルームにベッドルームが2つ、浴室が2つ、それに今よりもずっと大きなキッチンを備えていることだった。 そんなの贅沢だと日本の友人たちは言うかもしれないが、そうは思わない。 リビングルームは女房のアトリエも兼ねるだけのスペースが必要だし、ベッドルームの1つは僕の仕事部屋になる予定だった。 浴室が2つ欲しいといってもその1つはバスタブの無いトイレとシャワーだけ、つまり不動産屋がハーフバスルームと呼ぶあれでかまわない。 アメリカではベッドルームが2つ以上のアパートで浴室が1つだけというのはまずないからだ。 キッチンも今の古い家のキッチンがあまりにも狭いのに改造のしようがなくて長年我慢をしてきた。 だから今回の僕らの望みはけっして贅沢ではないのである。

そうやって探し始めてみると我々の条件を満たすアパートはけっこう多くあって、そのどれも近代的で機能的で快適に暮らせそうな場所だったが、今のところ、これはというものにまだ行き当たっていない。 僕がいいなと思うものには女房が異論をとなえ、彼女が気に入っているのにこちらが気が進まず、というぐあいである。 そしてほぼ完璧に二人を満足させる住居が見つかったと思ったら、その地域が感心しない環境だったり、不便な場所だったりする。

引っ越しの話は数年前から何度も持ち上がっていたが、いつも話だけに終わってこうやって積極的に探し始めたことは今までなかった。 今回は実現するかもしれないという気になっている。 なにしろ建てられてから80年以上も経つ古い家にもう20年住んでいるから、あちこち具合が悪くなるのはしょっちゅうでその修理が大変だし、大きな庭の手入れをするのもわれわれには年々きつくなってきた。 子供たちが出て行ったあと使わない部屋やスペースが多すぎる。 もっと以前に移るべきだったと思いながらそれをしなかった理由はただ一つ。
昔から僕は引っ越しが大嫌いなのだ。





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コメント:

*

引っ越しは自分にとっても、考えるだけで気が滅入る大事業です。ところでこの記事を読んで自分でも「あれっ?」って思ったのが、「高層ビルの中の住居で庭もポーチも無い」というフレーズを読んで、「げげっ!」って思わず出てしまったこと。

人様の引っ越しに口を出す気は毛頭ないけど、そんな気になる自分に驚いたというのが正直なところです。でもそちらでは希望の条件に合う物件はたくさん出てきそうですね。高層ビルといっても、生活するには便利な方がいいのはわかりきっているし、人のいない部屋を暖め続けるのも無駄ですしね。いい物件が見つかるといいですね。
2016/05/11 [川越URL #uvrEXygI [編集] 

* Re: タイトルなし

川越さん、

庭いじりや菜園などの趣味は僕は持ち合わせなくて、今まではもっぱら女房が一人でやっていたのが
この数年来、彼女が強度の植物アレルギーにかかって庭に出れなくなったので
仕方なしに僕がやっていたというのが実情です。
芝刈りや雑草抜きなどもつい手を抜くので荒れ庭みたいになってくると
隣人が見かねて手伝おうか、と言ってくる。
そう言われればこちらも何とかしないわけにはいかないしね。
僕自身はきちんとキレイに手を入れた庭より
すべてが鬱蒼と茂った庭のほうが好きなんでけどね。


そういうわけで
庭の無い生活へ移ることにはぜんぜん異議がありません。
高層ビルの窓から眼下に広がる全市のパノラマを見下ろしながらの生活も
悪いものじゃないでしょう。
それに一歩外へ出ると、まわりは公園のようになっているので
犬の散歩にはむしろ今よりも便利。

そういえばブログに犬のことを書くのを忘れちゃったけど
ペットを許容するアパートとそうでないアパートは
だいたい半々かな。
許容しても体重13キロの大型犬はダメだとか(うちの犬は12キロ)
犬の種類によってダメだとか、いろいろです。



2016/05/11 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

引っ越しって子供の頃一回しただけ。
親の引っ越しだから大変とも思わなかったけど、
その後、家を建て直したときに仮住まいに半年間の引っ越し。
これがもう死ぬかと思うほどの重労働だった。
捨てるものが驚くほどあるし、
ダンボール詰め作業が延々終わらない悲惨な毎日だったなー。

「庭もポーチもない高層ビル」?
緑の無い空中の箱で暮らす?
いや、別に私が住むんじゃないからいいんだけど。

結局どういう生活をするかで違ってくるのね。
旅行がちな人は鍵一つ締めればいい暮らしが気楽だし、
暮らしの中で趣味や仕事をする人は居心地を重視するし。

引っ越しって聞くと大変な事ばかり思い浮かぶけど、
新しい家は心身ともに生まれ変わるようなもの。
これ!って所を見つけてくださいね。





2016/05/12 [ムー] URL #qiVfkayw [編集] 

* Re: タイトルなし

ムーさんの言う死ぬかと思うほどの重労働がわが家でも始まろうとしている。
そこまでして生活を変えるほどの値打ちがあるのかとは
1日に何度も考えることだけど
これはやらなければならない、と自分に言い聞かせています。

普通の人なら
一戸建ての家に住んで小さくても庭のある生活がしたいと思うのに
僕はその逆。
なぜ? と訊かれると困っちゃうんだけどね。
たぶん
自分を外界からいっさい切り離したい
自分の穴の中で生きたい
そして時々、そこから這い出して下界を覗きたい。
と言えば、いまの僕の気持ちに一番近いのかもしれない。
2016/05/13 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

そっかー。
その気持ちわかる気がする。
家の中にあるゴチャゴチャしたものも含めてサッパリしたい気持ち私にもある。
だってさ、バラ100鉢なんて体力的にも年齢的にも破たん寸前。
バカでしょう(笑)

今はSNSとかで人間関係を増やしてる人が多いけど、
私は反対の傾向だと自分で思う。

時々遊びに出てくるアナグマさん、
世捨て人にはならないでくださいね(笑)

2016/05/13 [ムー] URL #qiVfkayw [編集] 

* Re: タイトルなし

ムーさん、

今までも外界との交渉といえばごく親しい友人たちとのメールやスカイプ、
それにこのブログぐらいしかやってないんだけどね。
フエイスブックなんて1月に数回読むだけで自分ではほとんど書いたことがない。
だからもうとっくにアナグマになってるかな。
ムーさんの言うとおり、ゴチャゴチャを整理してスッキリしたい。
それだね。引っ越しの最大目的は。

でも薔薇100鉢はすごいね。
1鉢ちょうだい。(笑)
高層ビルの密室で唯一の植物にしたいな。

ムーさんの 「ネコとバラの日々」 には終りはないだろうな。
母が死んだ時
母が飼っていた100羽の小鳥たちをあちこちへ分散するのに苦労したのを思い出した。




2016/05/13 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

アメリカに来てから住んだ州は今で7つ目、ここに来る前に住んでいたLAでは7年半で4回引っ越した私は引っ越し貧乏。確かに引っ越すたびにどんどん持ち物が減っていきますし、何時また引っ越しするか知れたものではないので、荷物を増やさないよう気を使うことになり、そこだけは良い点かもしれません。

September30さんのご近所の鄙びた田舎町では、犬OKの賃貸が見つけられず、3寝室の一軒家に一人暮らししています。持ち物も少ないので、広い、広い
2016/05/14 [わにURL #LkZag.iM [編集] 

* Re: タイトルなし

わにさん、

それはすごい!
7つの州を股にかけて、州警察や FBI の目を逃れながら fugitive(お尋ね者)としての逃走生活
というわけじゃないだろうけど
それにしてもすごい。
たぶんご主人の仕事が移動の理由じゃなかったのかというのは単なる推測で
ひょっとしたら、わにさん自身が引っ越し魔なのかもしれない。
通算で何回の引っ越しをしたのか知りたいなあ。
きっとびっくりするような数に違いないね。

というわけで
それじゃあ僕自身は? ともう消えかけている記憶を辿って数えてみたら…
まず、北京で生まれてすぐに両親が天津へ移ってるからそれで 1 回。
日本へ引き揚げてから郷里での少年時代に 3
東京の大学へ出てからアメリカへ渡るまでの10年間に 5
そのあとアメリカでは3州にわたって現在までに 13

合計 21 という数字が出てきました。
思ったより多いのに自分でもびっくり。
でもこの20年間、引っ越しは1度もしていません。
2016/05/14 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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