過ぎたこと、過ぎて行くこと  by September30

アメリカに長く暮らしながら日本やヨーロッパを周る著者が、写真と文章と音楽で綴る随筆のようなもの

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寒くない日は街を歩こう 5

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町裏のアブストラクト


廃墟の壁だとか、打ち捨てられた古工場の何百という壊れた窓ガラスとか、路面に車が押しつぶした空きカンだとか、そのままで面白い絵になっているのを見るとつい撮らずにはいられない。 誰でもやるクリシェだと知りながら。
これもその1つ。
カメラのファインダーを覗きながらどこでどう切り取るかをあれこれ考えることで、抽象絵画の創作に参加しているという楽しさが湧く。 こんな画像を思いきり大きく伸ばして、それも生半可なサイズじゃなく室内の壁一面を占めるようなミューラルにしたらインテリアとして悪くないなあと思う。

ミューラルのインテリアと言えば、僕らのアパートメントの分厚いメタル製のドアを開けて室内に1歩足を踏み入れた人は、そのままわが家のリビングルーム立っていることになるのだが、まず正面の窓と窓との間の壁に架かっている大きなモディリアーニの婦人像が目に入るだろう。 それから回れ左をして今入ってきたドアを閉めようとすれば、左側の白壁一面に架かっている抽象画が嫌でも眼に飛び込んでくる。 アクリリック・ペイントで描かれたその絵はミューラルと呼ぶほど巨大ではないにしてもそれでも 2.5m x 4.5m ほどのサイズである。
それを見ると大抵の人が 「ええっ? これってジャクソン・ポロックのオリジナル?」 と驚く。
「そうだよ」 と僕はニヤニヤしながら答えることにしている。
モディリアーニはもちろん良質のコピー。 でもこの抽象画の方はれっきとしたオリジナルである。 ただし作者は友人のディックで彼が若い画学生の時に描いた試作の1つを、ある時仲間内のポーカーで僕がバカ勝ちした時に彼のスタジオから略奪してきたものである。






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By Dick Stacey (1967)







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コメント:

*

2.5の4.5とはすばらしくダイナミック!
ジャクソン・ポロックを知らなかったので検索してみました。
うーーんこれは間違える。
絵の題名は何ですか?「宇宙」?
上の写真も俯瞰で見た冬の街の絵のようです。
大きな壁面があるのってほんとにいいなー。

日本の普通の家って絵と生活感が喧嘩するんですー。
そんなわけで私は短い廊下の突き当りにバスキアのポスターを額に入れてかけています。
以前当選して戴いたモノクロの写真は幾つかの小さい版画と共にパソコン周辺を飾ってまーす。

2017/02/09 [ムー] URL #qiVfkayw [編集] 

* Re: タイトルなし

ムーさん

日本の家屋は絵と生活感が喧嘩するというのはほんとうにそうだと思う。
その点こちらはずっと楽。
とくに、新しいアパートに移ったら白壁のスペースがふんだんにあるので
逆にゴチャゴチャし過ぎないように苦労してる。
わが家では住人の自作品は飾らないという不文律があるのに
女房のたっての要望でイタリアで撮ったモランディ美術館の写真が1枚だけ小さな額に入って
目立たないところに架かっている。

友人のディックの抽象画は
前の家ではスペースがなくて長いあいだ地下室に眠っていたのが
ここで初めて日の目を見たというわけです。
本人には何も言わないで夫妻を新しいアパートでの夕食に招いた時に
ディックは自分の絵が壁に架かっているのを見てもあまり嬉しそうな顔をしなかった。
その昔ポーカーで負けて払えず、やむなく自作品を手放したことが
悪い記憶として蘇ったのかもしれない。

タイトルは何なの? と訊いても何でもいいと答えるだけなので
『精子遊泳』 というのどう? と冗談を言ったら
いやーな顔をしてた。
そういえば彼等には子供がなかったんだ。
2017/02/09 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

*

モディリアニは若い頃一番好きだった画家です。
今はモランディ
そうですね、モランディが縁でここにたどり着いたのでした。

モディリアニは、モデルの肌が熱く弾くようなヌードが好きでした。
まだ絵の具が乾いてないようなあの肌。
セクシーです。
筆を置いたら、モディリアニはきっとモデルに襲いかかってそうだし。

今はちょっと辛い。
もう少し枯れたモランディが好きです。
静かな室内楽のようです。
和音が響く静かな空間。
それでいて計算され尽くした画面。

うちのリビングには
モランディの小さなコピーと
親友の抽象画
彼女は今は銀座でかなりの高評価を得ています。
そして、恥ずかしながら、拙い我が作品。
そう、恥ずかしい思いをしつつ、明日を見るために。

明日が見たいと思いつつ、自省も込めて。

いただいたSeptemberさんの作品は寝室の方に、ひっそり飾らせていただいております。
2017/02/10 [みん] URL #6moyDOY6 [編集] 

* Re: タイトルなし

みんさん

わが家のモディリアーニはヌードではないけど
白いブラウスに細い黒のスカーフを緩く首に巻いた恐ろしく面長の女性が
青い大きな眼を虚ろに見開いて
70cm x 90cm の額の中からこちらを見ているポートレートなんだよね。
すごく気に入っていて
引っ越したあとの混乱の中で箱を開けたり家具を配置するよりも何よりも先に
まず壁に架けた。
というのは
最初にこのアパートを見に来た時に
コートヤードの見える2つの窓の間の空間にはこの絵しかない
と直感的に感じて、それでアパートを借りることを決定したようなもの。(笑)

自分の作品は飾らないといってもそれはリビングルームやホールウェイ(廊下)のことで
仕事部屋の壁一面には何十枚ものプリントが雑然とピンでとめてある。
ちゃんと額に入れてあるのは僕のトレードマークの 『ふくろう』 の写真だけ。

2017/02/10 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

* http://blog.goo.ne.jp/shirowani

モディリアーニは、入ってまず目に入るせいか、とても印象的ですね(と、お伺いしたときにも同じことを言ったような気がしますが…)
そして、あの、壁いっぱいの大きな抽象画には、そんなエピソードがあったのですね。

我が家では、当選して頂いた写真は、バスルームと寝室のドアの間の壁と、ベッドルームのチェストの上(私はここを、いい物置き場と呼んでます)に飾っています。
2017/02/11 [わにURL #LkZag.iM [編集] 

* Re: http://blog.goo.ne.jp/shirowani

わにさん

みんさんにしても、わにさんにしても
僕の写真はなぜ女性の寝室に入り込んでしまうのか?
想像すると心穏やかではないなあ。(笑)

それと、『いい物置き場』 に僕の写真が合格したと知って嬉しいです。

そういえば…
このサロンのメンバーでわが家に来たことがあるのは
わにさんだけだったね。
2017/02/11 [September30] URL #MAyMKToE [編集] 

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